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3622 ネットイヤーグループ

東証G
560円
前日比
-1
-0.18%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.1 1.44 1.07
時価総額 39.2億円

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ネットイヤー Research Memo(1):アライアンス戦略により外部リソースも活用しながら成長を目指す


■要約

ネットイヤーグループ<3622>は、インターネット技術を活用した顧客起点のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業を展開しており、デジタルマーケティング領域において豊富な実績を持つ。2019年2月にNTTデータ<9613>と資本業務提携契約を締結し、グループ会社となった。NTTデータのシステム開発力と同社のCX(Customer Experience、顧客体験)デザイン設計力を組み合わせた協業案件が増加しており、NTTグループ向け売上比率は2024年3月期第2四半期累計実績で37.2%を占めている。

1. 2024年3月期第2四半期累計業績の概要
2024年3月期第2四半期累計(2023年4月~9月)の業績は、売上高で前年同期比6.6%減の1,704百万円、営業損失で36百万円(前年同期は70百万円の利益)と減収減益となった。第2四半期累計の会社計画は開示していないが、売上高、営業利益ともに若干下回ったと見られる。売上高については既存取引先でのプロジェクト終了や規模の縮小が重なったほか、新規の見込み案件について求められるニーズに対して自社の人的リソースが揃わず、受注機会を逸失したことなども減収要因となった。利益面では、売上減に伴う稼働率低下に加えて、人材の確保・育成に関する費用が増加したことが減益要因となった。

2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高で前期比4.6%増の4,100百万円、営業利益で同6.7%増の300百万円と期初計画を据え置いた。ただ、受注が当初計画を下回るペースであり、売上高、利益ともに会社計画をやや下回るリスクがあると弊社では見ている。企業のDX投資は引き続き活発に推移しているが、小売業界などでは新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の一巡で投資配分をEC関連から実店舗に移す傾向にあることや、デジタルマーケティング技術の進化のスピードが速く、求められるニーズも今まで以上に専門的で難易度が上昇していることが受注の伸び悩み要因である。このため、短期的には収益が悪化する可能性はあるが、成長の源泉となる人材投資を下期も継続して強化する方針である。

3. 成長戦略
今後の成長戦略として、既存事業の強化に加えてアライアンス戦略による新規サービスの開発・育成を推進する。既存事業においてはNTTデータとの協業を中心に、同社の強みであるCX向上のためのWebサイトのデザイン設計・制作案件の受注拡大を図るほか、エンジニアのスキルアップを図ることで難易度の高い案件なども手掛ける方針だ。またアライアンス戦略においては、2023年9月にAI・データ活用領域に強みを持つスタートアップ企業の(株)FLUXとAI技術を活用した「次世代型マーケティングプラットフォーム」の共同開発を行うことを発表したほか、システム開発基盤をクラウドサービスとして提供する(株)Hexabase(ヘキサベース)と資本提携契約を締結した。Hexabaseの持つ高い技術力を活用したプロダクト開発で事業領域を拡大する。まずは両社の強みを合わせて共同で営業活動を行うことで受注拡大につなげる方針だ。中期的にはストック型のプロダクトサービスを育成・拡大し、収益の安定性向上にも取り組んでいく意向で、シナジーが見込めるM&A・アライアンス案件があれば引き続き前向きに検討する考えである。

■Key Points
・2024年3月期第2四半期累計業績はリソース不足がボトルネックとなり減収、3期ぶりに損失を計上
・2024年3月期業績は下振れリスクがあるものの、2025年3月期に向けた仕込みと人材投資の手綱は緩めず
・アライアンス戦略による新規サービスの開発等で新規顧客及び市場を開拓し、収益成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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