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3392 デリカフHD

東証S
583円
前日比
-2
-0.34%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.7 1.14 1.72
時価総額 95.5億円
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決算発表予定日

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デリカフHD Research Memo(1):外食業界でシェア拡大が進み過去最高売上を更新、経常利益も3期振りに黒字化


■要約

デリカフーズホールディングス<3392>は外食・中食・コンビニエンス業界向けにカット野菜や、ホール(丸)野菜等を卸す、いわゆる「業務用の八百屋」の国内最大手で、農産物の流通を通じて農業の発展と人々の健康な生活づくりに貢献する創造型企業である。2020年以降は新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)で外食市場が大打撃を受けるなか、量販・小売業界向けの顧客開拓並びにBtoC事業やミールキット※事業を相次いで立ち上げるなど事業ポートフォリオの変革による成長戦略を推進している。

※ミールキットとは、あらかじめ決まった料理メニューを簡便に作れるように、肉や魚、野菜などの食材と調味液などをパックにして提供する商品で、肉や魚などは半分調理した状態、野菜はカットした状態で提供される。


1. 2023年3月期第2四半期累計業績の概要
2023年3月期第2四半期累計(2022年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比28.2%増の23,227百万円、経常利益で114百万円(前年同期は611百万円の損失)となった。コロナ禍で取り組んできた事業ポートフォリオの変革により量販・小売業界向けやミールキット事業の売上が順調に拡大したほか、外食業界向けも市場全体の回復に加えて既存取引先でのシェア拡大により大幅増となり、3期振りに過去最高売上を更新した。利益面でも人件費や光熱費、物流費の増加に加えて輸入品の調達コストが一時的に膨らむなどの影響はあったものの売価改善努力により吸収し、3期振りに黒字転換した。

2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比16.9%増の46,500百万円、経常利益で450百万円(前期は242百万円の損失)と期初計画(売上高40,500百万円、経常利益300百万円)を上方修正した。コロナ禍の影響が続いているものの、事業ポートフォリオの変革により顧客の裾野が広がったことや、既存顧客での取引シェア拡大が増額要因となる。下期も電気料金や燃料費、人件費等の増加が見込まれるが、廃棄ロスの削減や生産性向上、売価改善を進めることで吸収する考えである。新規事業となるミールキット事業については「ワタミの宅食」向けが好調なほか、キャンプ場向けが順調に伸びており、下期以降は販促プロモーションを積極化しながら事業規模を拡大する戦略で、通期売上高は前期の約15億円から20億円を超える見通しだ。

3. 第4次中期経営計画の進捗状況
2022年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、「事業ポートフォリオの変革」「青果物流通インフラの構築」「サスティナビリティ経営の推進」の3つを基本戦略に取り組むことで、2024年3月期に売上高450億円、経常利益10億円の過去最高業績更新を目標に掲げている。売上高については事業ポートフォリオの変革に成功し、1年前倒しで目標を超過する勢いとなっている。利益面も今後市場環境が悪化しなければ達成可能な水準と言える。インフラ面では関東、関西及び中国エリアで事業拠点を開設する準備を進めており、2025年3月期以降の売上増に貢献する見通しだ。そのほか、野菜の生育不良等に起因する市況悪化リスクに対応するため、長期貯蔵システムの共同開発も進めている。業務用青果物卸しではトップ企業として盤石の基盤を確立しているだけに、今後ミールキット事業を含めたBtoC事業が育ってくれば業績成長期待も一段と高まり、企業価値の上昇につながっていくものと予想される。

■Key Points
・業務用の野菜卸しとカット野菜の業界最大手。コロナ禍を機に外食業界中心の事業ポートフォリオを変革
・2023年3月期第2四半期累計売上高は3期振りに過去最高を更新、経常利益も黒字に転換
・2023年3月期は外食業界向けの売上回復を背景に期初計画を上方修正
・事業ポートフォリオの変革、青果物流通インフラの構築等により、2024年3月期の過去最高業績更新が射程圏内に

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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