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3392 デリカフHD

東証S
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デリカフHD Research Memo(3):自然災害等による野菜価格高騰などにより、第2四半期は増収減益に


■業績動向
1. 2019年3月期第2四半期累計業績の概要
2019年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比9.0%増の19,460百万円と半期ベースで過去最高を更新したものの、営業利益が同19.5%減の235百万円、経常利益が同14.9%減の275百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同28.7%減の147百万円と2年ぶりの減益となった。

売上高については既存顧客での取引深耕、新規顧客の開拓等により会社計画を上回って順調に増加したものの、記録的な猛暑や西日本豪雨、北海道や大阪での地震、台風の相次ぐ上陸等によって全国的に野菜の収穫量が減少し、野菜調達価格の高騰、品質悪化によるカット野菜の生産効率低下、自然災害に起因する物流機能の混乱による廃棄ロス増加に加えて、人件費増(採用費・育成費など含む)や原油市況上昇に伴う物流費の増加等が減益要因となった。経常利益で期初計画比115百万円の未達となったが、内訳を見ると売上増に伴い11百万円の増益要因となった一方で、野菜価格高騰や生産効率低下等による仕入原価の悪化で78百万円、人件費や物流費を中心とした販管費等の増加で48百万円の減益要因となった。

なお、2018年5月に稼働を開始した中京FSセンター(愛知県弥富市)の立上げ負担増や減価償却費の増加により前年同期比で約30百万円の減益要因となったが、2017年10月にデリカフーズの地域会社3社(東京、名古屋、大阪)を1社に統合したことによる経費削減効果(電気代、資材一括購入によるコスト削減等)でほぼ相殺された格好となっている。1社統合による経費削減効果は年換算で98百万円とデリカフーズホールディングス<3392>では試算している。

(1) 部門別売上高
部門別売上高を見ると、ホール野菜は前年同期比6.2%増の9,067百万円、カット野菜(真空加熱野菜含む)は同12.3%増の8,006百万円、その他は同8.9%増の2,386百万円といずれも増収となり、合計では同9.0%増の19,460百万円となった。カット野菜が引き続き好調で、売上構成比率では前年同期の39.9%から41.1%に上昇している。外食・中食業界における人材不足が慢性化しており、簡便に調理できるカット野菜の需要が引き続き拡大していることが背景にある。このうち、真空加熱野菜は新規顧客からの受注増により、同41.2%増の151百万円と順調に成長している。

(2) 業態別売上高
業態別の売上高で見ると、外食企業向けは売上構成比で前年同期比2.5ポイント低下の82.4%となったものの、実額ベースでは同5.7%増収となった。ファストフードや居酒屋・パブ業態向けが前年同期比1ケタ減収となったものの、ファミリーレストランや喫茶・カフェ業態向けの増収でカバーした。

同期間における外食チェーン全体の売上成長率(毎月の成長率の単純平均値)を見ると、合計で前年同期比2.0%増となっており、引き続き外食業界全体の成長を上回るペースで伸びていることがうかがえる。業態別では居酒屋・パブが2.5%減と唯一マイナス成長で、ファミリーレストランは1.3%増、ファストフードは2.9%増、喫茶は0.2%増とそれぞれ増加している。このうち、ファミリーレストランや喫茶向けについては既存顧客の取引深耕や新規顧客の開拓もあって、業界平均を上回る増収を達成したが、ファストフード向けについてはシェアを低下させた格好となっている。これは主要顧客先企業における売上低調が影響したものと考えられる。

一方、中食業界向けについては売上構成比で前年同期比2.5ポイント上昇の17.6%となり、実額ベースでは同27.0%増収と好調に推移した。食品メーカーの売上構成比が前年同期比1.6ポイント上昇の8.8%となり増収に貢献した。同カテゴリーに含まれる外資系大手流通事業者向けの取引深耕が進んだことが増収に寄与したようだ。また、弁当・総菜事業者向けの売上げも順調に増加した。

2.事業セグメント別動向
(1) 青果物事業
主力の青果物事業は売上高が前期年同期比8.9%増の19,410百万円、セグメント利益(経常利益)は同8.6%減の244百万円となった。売上高は新規顧客の獲得と既存顧客の取引深耕が進んだこと、5月に中京FSセンター(年間売上能力約30億円)を開設したこと等により計画を上回る増収となった。

利益面では、付加価値の高いカット野菜や加熱野菜の売上構成比が上昇したものの、夏場の猛暑や相次ぐ自然災害の影響によって幅広い地域や品目で野菜の収穫量が減少し、代替メニューの提案が例年以上に難しく、野菜調達価格の高騰や品質悪化による生産効率低下、廃棄ロスの増加、人件費や物流費の増加、中京FSセンター開設に伴う立ち上げ費用の増加等を吸収しきれず減益となった。

(2) 物流事業
物流事業の売上高は前年同期比13.8%増の1,158百万円、セグメント損失は5百万円(前年同期は4百万円の利益)となった。同事業の売上の大半を占めるデリカフーズの物流量が順調に増加していること、2018年4月に神奈川営業所を開設しエリア内での配送を開始したこと、前期から開始した他社資材品の共同配送サービスなどが増収要因となっている。対外顧客向け売上高(共同配送サービス)については前年同期比で124.5%増の14百万円と規模はまだ小さいものの下期からは幹線便を活用して名古屋、大阪への配送も始まっており今後も順調に拡大する見通しだ。同サービスは追加コストが掛からないため、売上増がそのまま利益増に寄与することになる。

利益面では、物流事業拡大に向けた人員体制の増強や車両台数の増加による関連費用の増加に加えて、燃料費の上昇や新規営業所開設費用(10月に大阪営業所開設)等の発生が減益要因となった。なお、同事業における当第2四半期末の従業員数は前期末比42名増の111名となり、保有車両台数も同23台増の60台まで拡大した。首都圏エリアでは自社物流の比率が25%程度まで上昇し、グループ全体では15%程度となっている。

(3) 研究開発・分析事業
研究開発・分析事業の売上高は前年同期比4.0%減の63百万円、セグメント損失は9百万円(前年同期は4百万円の損失)となった。分析業務の売上は順調に増加したものの、グループ内での研究委託業務が減少したこと等により減収となった。対外顧客向け売上高は同2.2%減の35百万円となっている。利益面では、分析部門の体制強化に伴う人件費の増加やデザイナーフーズの研究室移動に伴う費用の発生等が減益要因となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

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