貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

3289 東急不HD

東証P
1,159.5円
前日比
+9.0
+0.78%
PTS
1,155円
23:16 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.9 1.12 2.41 5.29
時価総額 8,346億円
比較される銘柄
三井不, 
菱地所, 
野村不HD
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

ドラフト Research Memo(5):デザイン力・企画力を強みとし、価格競争に巻き込まれない事業モデル(3)


■ドラフト<5070>の事業概要

(2) 商業施設・都市計画・環境設計・その他
a) 商業施設
同社グループのプロジェクトでは、商業施設も海外Awardの受賞実績がある。「IDA Design Awards 2015」では「EARTH coiffure beaute藤枝店」がHonorable Mentionを受賞した。2016年にドイツで開催された建築・インテリアの世界大会「World Architecture Festival / INSIDE」のリテール部門には「Zoff MART自由が丘店」が入選した。

2022年3月には、京王電鉄<9008>とのパートナーシップにより、建築デザイン・インテリアデザイン・コンセプトワークを手掛けた下北沢駅の新エリア「ミカン下北」がオープンした。「下北沢は永遠に完成することのない未完成な街」というコンセプトの下、京王井の頭線の高架下に5街区に分かれるエリアには、ラウンジを兼ねたTSUTAYA BOOKSTORE、予約資料の受け取りや返却が可能な図書館カウンター、古着屋や飲食店などといったテナント約20店舗がある。

2022年12月には、新ブランド「Wolfgang’s Steakhouse by Wolfgang Zwiener TEPPAN」が東京・銀座の商業施設「キラリトギンザ」7階フロアに世界初出店した。「Wolfgang’s Steakhouse by Wolfgang Zwiener TEPPAN」は、2004年にマンハッタンで創業した「ウルフギャング・ステーキハウス」のノウハウと世界観を取り入れながら、世界展開を視野に開発したものである。同社グループは「禅 -Zen-」の精神をテーマにゴージャスながらも洗練されたインテリアを施し、ライブ感あふれる鉄板を前に料理を味わえるよう店舗設計・デザインを行った。

b) 都市計画・環境設計・その他
環境設計とは、オフィスビルディング、商業施設などのエントランス・ロビー・エレベーターホール・周辺植栽など共用スペース、または建物各階の共通デザインコンセプトの立案、設計及びデザインビルドなどの業務を指す。環境設計の良し悪しが当該建築物のブランドイメージを左右する。都市計画は、街区開発やそれに関わる建築設計における基本コンセプトの立案、具体的デザインの制作、設計及び個別建物の内外装工事などの業務になる。

ここ数年、同社グループには建築デザインや複合施設の環境設計など「街のランドマークとなる建築物をデザインしてほしい」という依頼が増えていると言う。東京都心や名古屋、福岡などの主要都市、スマートシティ構想の中心地である千葉県・柏の葉などの多彩なプロジェクトに関わっている。同社グループでは「次世代に必要な都市とはなにか」を問い直し、デベロッパーと協業した新しい都市の価値提案をしている。

同社グループの先進的な取り組みが業界で認知され、不動産大手の三井不動産<8801>、三菱地所<8802>、東急不動産(株)(東急不動産ホールディングス<3289>の子会社)、東京建物<8804>など大手デベロッパーとの協働に発展している。

「歴史と時代が調和してこそ、美しい記憶は永く継承される」という山下泰樹氏の思想を基に創り上げた世界観に即して、上質で心地良い空間を作るプロジェクトも手掛けた。昭和初期の洋館を単に保存・修繕するだけではなく、時代にフィットしたデザインを施し、東京・代官山に「Villa ASO」(ひらまつ<2764>が運営)を2023年9月にリニューアルオープンした。このほか、三井物産グループが所有する東京・西新橋の「日比谷セントラルビル(1983年竣工)」改修も、ビル1棟全体を改修する長期プロジェクトとなっている。

国土交通省のプロジェクトである柏の葉スマートシティのオフィスビル「KOIL TERRACE」では、同社グループは環境設計を請け負った。壁一面を本棚にしたアトリウムを一般開放し、利用者が減る土日祝日には地域の人々の憩いとなるよう空間をデザインしている。東京駅周辺の開発プロジェクトでは、2020年に完成した「丸の内テラス」の中心施設の企画立案から内装設計を手掛けている。このほか、JR線と相鉄線の交差する地域である羽沢横浜国大駅前の再開発における「リビオタワー羽沢横浜国大」の全体デザインを受注した。地域のシンボルとしてのプロジェクトであり、長期的な計上を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均