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TOKAI Research Memo(4):LPガス事業は件数増加と仕入れコスト低減効果により大幅増益に


■TOKAIホールディングス<3167>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) エネルギー事業
エネルギー事業の売上高は前期比1.0%減の77,380百万円、営業利益(間接費用等配賦前営業利益となり、決算短信とは算出方法が異なる。以下、同様)は同20.6%増の8,988百万円となった。販売単価下落の影響により売上高が若干減収となったものの、顧客件数の増加や仕入れコスト減少に加えて、平均気温低下(前期比0.3℃低下)や巣ごもり現象による世帯当たり消費量の増加により営業利益は大幅増益となった。利益増減要因の内訳を見ると、顧客件数の増加で11.9億円の増益、仕入コスト低減により8.6億円の増益(家庭用の販売単価下落によるマイナス影響7億円含む)、世帯当たり消費量の増加で5.1億円の増益(うち、気温低下で1.5億円、巣ごもり効果で3.6億円)となり、顧客獲得費用の増加5.5億円、その他コストの増加4.7億円を吸収した。

LPガス事業の売上高は前期比0.6%増の65,638百万円と2期ぶりに増収に転じた。顧客件数は前期末比30千件増加の681千件となり、件数の増加が増収要因となった。コロナ禍の影響でM&Aやアライアンス交渉が遅延したため、当初の会社計画(703千件)には届かなかったものの、純増件数としては前期の24千件を上回る実績となった。内訳を見ると、関東や静岡県など既存エリアで19千件増(前期は8千件増)、新規エリア※で11千件増(同16千件増)となっている。

※新規エリアとして2015年に仙台、いわき、豊川、2016年に西三河、岐阜、2017年に多治見、岡山、2018年に福岡、2019年に津、2020年6月に春日井、四日市と合計11拠点で営業所を開設している。


一方、都市ガス事業の売上高は前期比9.1%減の11,741百万円となった。原料費調整制度により販売単価が低下したことに加えて、設備機器の販売減少が減収要因となった。顧客件数は前期末比2千増の63千件となっている。既存エリアの契約件数増加による。なお、都市ガス事業についても減収となったものの、仕入コストの低減により3億円程度の増益になったと見られる。

(2) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前期比2.0%減の50,735百万円、営業利益は同2.8%増の4,344百万円となった。売上高はコンシューマー向け事業の低迷により11期ぶりに減収に転じたが、法人向け事業の収益拡大により営業利益は3期連続の増益となっている。

コンシューマー向け事業の売上高は前期比8.0%減の25,805百万円となった。顧客件数は前期末比24千件増加の785千件と増加に転じたが、ARPUが減少したことにより減収となった。内訳を見ると、従来型ISP等の顧客件数は前期末比6千件増の395千件となり、光コラボについては同13千件増の337千件となった。大手家電量販店での販促キャンペーンを展開し、在宅勤務需要を取り込めたことが奏功した。光コラボを含めたISPサービスについては、新規契約、解約件数ともに改善傾向となっており、全体的に見れば底打ち感が出てきている。格安スマートフォン「LIBMO」の顧客件数については同5千件増の53千件となった。新料金プランの提供を開始するなど、顧客ニーズに合わせた最適な提案を行うとともに、Webプロモーションを強化したことが増加につながった。営業利益については、前期比で5.1億円の減益となった。増減要因と見ると、「LIBMO」で1.1億円の増益となったが、ISPサービスの減収で4.2億円、顧客獲得コストの増加で2.0億円の減益要因となった。

法人向け事業の売上高は前期比5.5%増の24,430百万円となった。企業のデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが進むなか、クラウドサービスを導入する企業が増え、Amazon Web Services(AWS)のシステム構築やクラウド接続通信回線契約数が好調に推移したほか、システム受託開発も堅調に推移した。営業利益も増収効果により、前期比6.3億円の増益となった。

(3) CATV事業
CATV事業の売上高は前期比7.5%増の33,745百万円、営業利益は同3.6%増の5,205百万円となり、売上高は8期連続増収、営業利益は6期連続増益となった。期末顧客件数は放送サービスで前期末比14千件増の875千件、通信サービスで同30千件増の322千件と順調に拡大した。なお、前期末に仙台CATV(株)を子会社化したことによって売上高で約10億円の増額要因となっており(営業利益はのれん償却後ベースで影響なし)、既存事業ベースでは4%程度の増収だったと見られる。

地域密着型の情報発信や番組制作に注力するとともに、大手動画配信事業者と提携しコンテンツの充実を図ったこと、4K放送の対応を含めた光化投資を積極的に進めていることが契約件数の増加につながっている。光化によって高速通信サービスの提供エリアを拡大していることが、通信契約件数の増加につながっているものと考えられる。営業利益の増減要因を見ると、顧客件数の増加により3.7億円の増益となり、減価償却費の増加などを吸収した。

(4) 建築設備不動産事業
建築設備不動産事業の売上高は前期比3.5%増の23,177百万円、営業利益は同2.4%減の2,065百万円となった。2019年9月に子会社化した日産工業※1や2020年に子会社化した中央電機工事※2、イノウエテクニカ※3などM&Aの効果により売上高で16億円、営業利益で2億円強の増額要因となっており、これらを除いた既存事業ベースでは売上高で4%減、営業利益で12%減程度だったと見られる。コロナ禍の影響で営業活動が制限され、建築工事や設備機器販売の売上が減少したほか、2020年3月期の売上に寄与した学校の空調工事案件が一巡したことも減収要因となっている。

※1 日産工業は、岐阜県内で公共工事や一般建築などを手掛け、年間売上高は20億円規模。
※2 中央電機工事は愛知県内で電設工事業を従業員30名弱で展開している。
※3 イノウエテクニカは静岡県東部でビルメンテナンス事業を展開しており、年間売上高は約5億円。


なお、同社ではM&Aによって、土木・建築工事から空調・衛生・電気といった屋内工事、ビルメンテナンスまで総合的に提供できる体制を構築しており、今後、グループ力を結集しながら東海地方における事業規模拡大を推進していく戦略となっている。

(5) アクア事業
アクア事業の売上高は前期比2.8%増の7,622百万円、営業利益は同15.0%減の573百万円となった。コロナ禍の影響で2021年3月期の前半は大型商業施設等での営業活動が制限され苦戦したものの後半に挽回し、期末顧客件数は前期末比1千件増の162千件となった。営業利益の増減要因を見ると、件数増加に加えて巣ごもり需要によって世帯当たり消費量が増加したことにより1.8億円の増益、顧客獲得コストの減少で0.1億円の増益要因となった一方で、物流コストを中心としたその他費用の増加で2.9億円の減益要因となった。

(6) その他
その他の売上高は前期比16.3%減の4,065百万円となった。内訳を見ると、介護事業は前期にサービス付き高齢者住宅を運営(19室)する(株)テンダーを子会社化したことにより、同5.8%増の1,314百万円と増収となり、造船事業は船舶修繕の工事量増加で同1.7%増の1,506百万円となった。一方、婚礼催事事業はコロナ禍による婚礼の延期や宴会の自粛等が響いて、同69.3%減の417百万円と大きく減少した。なお、内部調整額も含めた営業損失は婚礼催事業の減収要因に加えて、社内共通費用が2億円増加したこともあり、5,949百万円(前期は5,271百万円の損失)に拡大している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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 提供:フィスコ

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