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3139 ラクト・ジャパン

東証P
2,618円
前日比
-52
-1.95%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.9 1.01 2.37 7.21
時価総額 262億円
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ラクトJPN Research Memo(1):2期連続で過去最高売上高を更新


■要約

ラクト・ジャパン<3139>は、海外から乳原料・チーズ(以下、乳製品原料)と食肉及び食肉加工品等の食品原料を輸入する独立系の食品専門商社である。乳製品の取扱高は日本市場でトップクラスのシェアを誇る。乳製品原料の輸入販売を主力事業として、食肉及び食肉加工品の輸入販売事業、アジアにおける乳製品原料の輸入販売事業とチーズ製造販売事業、さらには機能性食品原料の輸入販売と、事業領域を拡大してきた。2023年に発表した長期ビジョンにおいては、将来目指す姿として食品専門商社からグローバルに展開する商社とメーカーの両機能を併せ持った「複合型食品企業」への進化を掲げ、さらなる成長を目指している。

1. 2023年11月期の業績概要
2023年11月期の業績は、売上高158,328百万円(前期比7.4%増)、営業利益3,184百万円(同7.2%増)、経常利益2,847百万円(同9.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,048百万円(同10.4%減)となった。乳価引き上げ、円安に伴う乳製品値上げによる最終消費の鈍化や、国産脱脂粉乳の過剰在庫対策による国産品の優先使用、中国の景気低迷等の影響を受け、国内・アジアでの乳製品原料の販売数量は伸び悩んだ。一方、原料相場高、円安の影響で販売単価が高値で推移したことなどにより、売上高は2期連続で過去最高を更新した。しかし、円安に伴う仕入価格上昇による利益率低下に加え、原料チーズの価格高騰によるアジアでのチーズ製造販売部門の利益率が低下したことで、経常利益率は前期比で0.3pt下回り減益となった。期初予想に対しても、販売数量の減少と利益率の低下により、売上高は1.0%、経常利益は11.0%それぞれ下回った。

2. 2024年11月期の業績見通し
2024年11月期通期の連結業績は、売上高160,000百万円(前期比1.1%増)、経常利益3,400百万円(同19.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円(同17.2%増)と増収増益の見通しだ。上期は国内消費の伸び悩み、中国経済の低迷が続くと予想しているが、下期は国内の値上げの一服とともに食品需要の回復、国産脱脂粉乳の在庫水準適正化による輸入調製品の需要回復を想定している。通期では機能性食品原料事業の継続的な成長、アジアのチーズ製造販売部門の利益率改善を見込む。

3. 中期経営計画の進捗状況
同社は2023年1月に、新たな経営理念、長期ビジョン「LACTO VISION 2032」とともに中期経営計画「NEXT-LJ 2025」(2023年11月期~2025年11月期)を公表した。長期ビジョンでは、グローバルに展開する商社機能とメーカー機能を併せ持つ複合型食品企業へと進化することを目指して、10年後の2032年11月期に連結経常利益6,000百万円、同利益の海外比率40%を達成する目標を掲げた。そのファーストステップとなる中期経営計画「NEXT-LJ 2025」では、2025年11月期の売上高200,000百万円、連結経常利益4,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,900百万円を目指す。現時点では、事業環境の回復が中期経営計画策定時より1年程遅れており、2023年11月期の実績及び2024年11月期の予想は中期経営計画を下回っている。しかし、同社では、食品需要の回復と国産脱脂粉乳在庫問題の解消などにより、輸入原料の需要が高まることに加えて、アジアの経済成長によるチーズ消費の拡大、国内におけるプロテイン市場などの機能性食品市場の拡大を背景に成長分野の事業拡大を見込み、中期経営計画3年目の目標は据え置いた。

■Key Points
・プロテイン市場の拡大を背景に機能性食品原料販売が急成長
・2024年11月期は下期に事業環境の回復を見込み、増収増益を予想
・長期ビジョンにて、専門商社から複合型食品企業への進化を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)

《SI》

 提供:フィスコ

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