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【特集】おや、どうして? 口座残高での異変察知から発見した勝ち技
すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 なつみ そらさんの場合-第2回
第1回記事「日経平均は4万6000円台へ、ほぼ負け知らずの億り人が見るワケ」を読む
2月13日の夜、なつみ そらさん(ハンドルネーム、以下、そらさん)は、自分のトレードルームにこもり、さまざまなチャートの動きに目を凝らしていた。
日本時間の午後10時半に米国のCPI(消費者物価指数)が発表される前後で、為替や日経平均などの先物価格の動きを見ながらのトレードに集中していた。
目を配るのは、部屋いっぱいに設置された18枚のモニターだ。チャートの表示や取引のために10台のパソコンが設置されている。24時間体制で稼働させていることもあり、月々の電気代は約5万円になるという。
■そらさんのトレードルームの一部
プロも顔負けの設備を用意しているのは、リアルタイム取引で使うのに加え、とてつもないデータを記録する目的もある。そらさんは、日経平均のチャートを、「4時間足」「1時間足」「15分足」「5分足」「1分足」「10秒足」に分けて、5分おきにスクリーンショットを保存している。
為替では、「ドル・円」「ユーロ・ドル」「ポンド・ドル」など、いくつかのメジャーな通貨ペアに対して、日足から1分足までの7つのチャートを、5分おきに保存する。取得する静止画像は1日に2688枚にものぼる。
静止画のみならず、動画でも記録する。「ドル・円」などの3つの通貨ペアのチャートは15分単位で録画しているという。これらの保存に使うサーバーの利用料は、月に2万円になる。
そらさんが、とてつもない情報の収集に勤しむのはなぜなのか。
ドルが強くてドル高なのか?円が弱くて円安なのか?
前回紹介したように、そらさんを億り人にしたのが仲間と開発した「値動きの原則」だ。独自の値幅で区分した5つの価格帯で、価格トレンドを判断する手法は、冒頭で紹介したように莫大なチャートデータから導いたものなのだ。
大量のチャートを記録するのは、将来の値動きをできるだけ的確に予想し、トレードを成功させるためには、単一の資産クラスの動きを見るだけでは不十分と考えているからだ。
例えば日経平均のCFD(差金決済取引)では、日経平均に留まらず、為替が円安ドル高方向に進むなどの支援材料があるか、複数のデータを確認しながら今後の動きを予想していく。
併せて、日銀の金融政策などファンダメンタルズ面の裏付けもあるかなどを加味しつつ、総合的に考えるのだ。
■日経平均買い出動時の点検例
先の米CPIの発表時は、市場の予想以上の物価上昇率となったことで、米国金利は上昇に向かい、ドル円相場も急激に円安ドル高に振れた。
特に為替が大きく動く際は、そらさんは「ユーロ・ドル」や「ポンド・ドル」など、ドルを絡めた複数の通貨ペアの動きに注視する。例えば、円安ドル高の要因が、ドルが強いことによるものか、それとも円が弱いことによるものかを見極めるためだ。
この日の値動きからは、他の通貨に対してもドルが強い「ドル全面高」と判断した。そらさんの経験では、ドル独り勝ちの状況での円安ドル高は、注意が必要という。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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登場する銘柄
日経平均株価、ドル円レート |
編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)
■なつみ そらさん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
日経平均株価などの株価指数や外国為替を対象とするCFD(差金決済取引)のほか、日本株の個別銘柄を手掛ける専業トレーダー。有名難関私立高校から大学進学の後、塾講師のアルバイトの延長で始めた講師業が波に乗り、大学を中退しビジネスに専念する。その後、仲間の誘いにのって始めたのをきっかけに、投資の世界にのめり込み、現在に至る。
当初はFXでイタい損を食らうも、その失敗や病の苦境をバネに価格の節目を見ながらトレードする自己流ロジックを見出す。以降はほぼ負けなしで、現在は億トレとして資産拡大中だ。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「テクニカル・需給重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
日経平均株価などの株価指数や外国為替を対象とするCFD(差金決済取引)のほか、日本株の個別銘柄を手掛ける専業トレーダー。有名難関私立高校から大学進学の後、塾講師のアルバイトの延長で始めた講師業が波に乗り、大学を中退しビジネスに専念する。その後、仲間の誘いにのって始めたのをきっかけに、投資の世界にのめり込み、現在に至る。
当初はFXでイタい損を食らうも、その失敗や病の苦境をバネに価格の節目を見ながらトレードする自己流ロジックを見出す。以降はほぼ負けなしで、現在は億トレとして資産拡大中だ。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「テクニカル・需給重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
第1回記事「日経平均は4万6000円台へ、ほぼ負け知らずの億り人が見るワケ」を読む
2月13日の夜、なつみ そらさん(ハンドルネーム、以下、そらさん)は、自分のトレードルームにこもり、さまざまなチャートの動きに目を凝らしていた。
日本時間の午後10時半に米国のCPI(消費者物価指数)が発表される前後で、為替や日経平均などの先物価格の動きを見ながらのトレードに集中していた。
目を配るのは、部屋いっぱいに設置された18枚のモニターだ。チャートの表示や取引のために10台のパソコンが設置されている。24時間体制で稼働させていることもあり、月々の電気代は約5万円になるという。
■そらさんのトレードルームの一部
プロも顔負けの設備を用意しているのは、リアルタイム取引で使うのに加え、とてつもないデータを記録する目的もある。そらさんは、日経平均のチャートを、「4時間足」「1時間足」「15分足」「5分足」「1分足」「10秒足」に分けて、5分おきにスクリーンショットを保存している。
為替では、「ドル・円」「ユーロ・ドル」「ポンド・ドル」など、いくつかのメジャーな通貨ペアに対して、日足から1分足までの7つのチャートを、5分おきに保存する。取得する静止画像は1日に2688枚にものぼる。
静止画のみならず、動画でも記録する。「ドル・円」などの3つの通貨ペアのチャートは15分単位で録画しているという。これらの保存に使うサーバーの利用料は、月に2万円になる。
そらさんが、とてつもない情報の収集に勤しむのはなぜなのか。
ドルが強くてドル高なのか?円が弱くて円安なのか?
前回紹介したように、そらさんを億り人にしたのが仲間と開発した「値動きの原則」だ。独自の値幅で区分した5つの価格帯で、価格トレンドを判断する手法は、冒頭で紹介したように莫大なチャートデータから導いたものなのだ。
大量のチャートを記録するのは、将来の値動きをできるだけ的確に予想し、トレードを成功させるためには、単一の資産クラスの動きを見るだけでは不十分と考えているからだ。
例えば日経平均のCFD(差金決済取引)では、日経平均に留まらず、為替が円安ドル高方向に進むなどの支援材料があるか、複数のデータを確認しながら今後の動きを予想していく。
併せて、日銀の金融政策などファンダメンタルズ面の裏付けもあるかなどを加味しつつ、総合的に考えるのだ。
■日経平均買い出動時の点検例
段取り | 観察対象 | 内容 |
第1段階 | 日経平均 | トレンド継続&買いサイン点灯 |
第2段階 | ドル円相場等 | 円安トレンドにある |
第3段階 | マクロ指標等 | 「支援材料あり」または「悪材料がない」 |
先の米CPIの発表時は、市場の予想以上の物価上昇率となったことで、米国金利は上昇に向かい、ドル円相場も急激に円安ドル高に振れた。
特に為替が大きく動く際は、そらさんは「ユーロ・ドル」や「ポンド・ドル」など、ドルを絡めた複数の通貨ペアの動きに注視する。例えば、円安ドル高の要因が、ドルが強いことによるものか、それとも円が弱いことによるものかを見極めるためだ。
この日の値動きからは、他の通貨に対してもドルが強い「ドル全面高」と判断した。そらさんの経験では、ドル独り勝ちの状況での円安ドル高は、注意が必要という。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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