きちり Research Memo(6):17/6期は増収増益の見通し、4期ぶりに増益に転じる見通し
■今後の見通し
(1) 2017年6月期の業績見通し
きちり<3082>の2017年6月期の業績は売上高が前期比18.3%増の9,500百万円、営業利益が同29.9%増の550百万円、経常利益が同29.7%増の550百万円、当期純利益が同28.7%増の330百万円と4期ぶりの増益に転じる見通しだ。上期は前期末に出店した店舗の立ち上げコストがかさむため減益となるが、下期は増益基調に転じることになる。
会社計画の前提となる既存店売上高は前期比2%減としており、期末時点の店舗数は前期末比13店舗増の100店舗を計画している。また、PFS事業については、店舗数の拡大だけでなくサービスメニューの拡充により1店舗当たりの売上高を増やすことによって、前期比36.4%増の約150百万円を見込んでいる。一方、費用面では売上原価率を前期比横ばいでみているのに対して、人件費率に関しては若干低下するとみている。前期末に研修費用が集中した反動減が要因となる。
また、2017年6月期の出店ペースは上期と下期で同程度となり、2016年6月期のように期末に集中するようなことはなさそうだ。既に計画店舗数のうち4?5割は物件が確定しており、うち2店舗(3 Little Eggs、MEAT COMPANY with Bellmare)は10月6日に新規オープンした「ららぽーと湘南平塚」に出店している。
月次売上動向
足元の月次売上動向を見ると、7月の全店売上高は前年同月比12.4%増と順調な滑り出しを見せたが、8月は同3.9%増とやや低調に推移した。これはオリンピックの影響に加えて、前年の同時期は新規オープンした4店舗の開店特需により水準が高かったことが影響しており、同要因を除けば順調な推移だったと見ている。既存店の売上高が8月に落ち込んでいるのも同様の要因となっている。業態別では「KICHIRI」業態が引き続き前年割れで推移しているが、「いしがまやハンバーグ」などその他業態に関しては順調に推移しているとみられる。ただ、景気の先行きに不透明感が増すなかで外食市場全体もデフレ傾向が強まりつつあり、今後の月次動向の推移が注目される。
(2)中期の経営目標値
直営店については「業態開発×エリア拡大」により、年間10店舗以上のペースで店舗数を拡大していく方針であり、PFS事業については業務提携も進めながら、サービス内容の拡充を進めていくことで成長を目指すことになる。なお、経営指標としては売上高営業利益率で10%以上、ROE20%以上を目標としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
提供:フィスコ