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2930 北の達人

東証P
179円
前日比
-1
-0.56%
PTS
179.1円
23:53 05/10
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.9 3.56 1.28 1.47
時価総額 253億円
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北の達人 Research Memo(4):新たな収益柱の伸長によりバランスの良い事業拡大を実現


■決算概要

1. 過去の業績推移
北の達人コーポレーション<2930>の過去の業績を振り返ると、定期購買会員数の拡大に伴って業績が伸びているが、特に2013年2月期からの業績の伸びが大きい。これは、それまで「カイテキオリゴ」への業績依存度が高かったところから、新たな主力商品として「みんなの肌潤糖」シリーズや「二十年ほいっぷ」が定着してきたことに起因する。また、2017年2月期からは「アイキララ」など新商品群による業績貢献も上乗せされている。したがって、ここ数年は「カイテキオリゴ」への依存度を引き下げながら、新たな収益柱の伸長により同社の業績が大きく拡大してきたと言える。

また、利益面も、広告宣伝費の効果的な投入により、売上高の拡大に伴って営業利益率は25%を超える高い水準に上昇してきた。2016年2月期の営業利益率が一旦低下したのは、将来を見据えた先行投資等※によるものである。

※積極的な広告宣伝費のほか、組織強化に向けた人件費や外注費等の運営費等。


一方、財務基盤の安定性を示す自己資本比率も、将来の成長のための先行投資に備えて有利子負債を増やしたことから2013年2月期に50.0%まで低下したが、公募増資や内部留保の積み上げによって2016年2月期には86.5%の高い水準に到達した。2017年2月期は長期借入金による手元流動性の確保を行ったことから再び67.4%に低下したものの、財務基盤の安全性に懸念はない。また、資本効率を示すROE(自己資本当期純利益率)についても、2016年2月期には子会社の減損処理等※により一旦低下する格好となったが、高い収益力に支えられて高水準で推移しており、同社の財務内容は極めて優れていると評価できる。

※100%出資子会社(非連結子会社)である(株)オーダーコスメジャパンに対して、当初事業計画との乖離が生じたことから同社株式の減損処理等を行ったもの。


キャッシュ・フローの状況も、大きな設備投資を必要としない事業特性から、投資キャッシュ・フローは潤沢な営業キャッシュ・フローの範囲内に収まり、現金及び現金同等物の期末残高は大きく積み上がってきた。2016年2月期の営業キャッシュ・フローが落ち込んだのは、広告宣伝費の投入や将来を見据えた先行投資に加えて、売上高の拡大に伴う在庫投資によるものであり、2017年2月期は在庫投資の回収もあって大きくプラスに転じている。今後は、強固な財務基盤や潤沢な営業キャッシュ・フローを、これからの成長に向けていかに生かしていくかが課題となってくるだろう。

2. 2019年2月期上期決算の概要
2019年2月期上期の業績は、売上高が前年同期比88.0%増の3,950百万円、営業利益が同146.9%増の953百万円、経常利益が同147.1%増の954百万円、四半期純利益が同149.0%増の663百万円と大幅な増収増益となった。ただ、売上高が計画を大きく上回った一方、利益面では一時的な特殊要因(自社広告システムの立ち上げに伴う運用上のミス)により計画を下回る進捗となっている。

売上高は、主力の「カイテキオリゴ」が堅調に推移したことに加え、ここ、1、2年で発売した商品群が大きく伸びている。また、残りの商品についても、広告予算や営業人員の制約を受けながらも、継続需要に支えられながら堅調に推移しており、収益構造に厚みが増してきたと言える。新商品群の伸びにより、これまでの「健康食品」中心から「スキンケア商品」の構成比が高まり、上位商品の顔ぶれも大きく変化してきた。

また、売上高が計画を上回ったのは、前期同様、上位商品を中心とする積極的な広告投資により、新規顧客の獲得(及び定期購買会員の積み上げ)に成功したことが理由であり、2018年8月末の会員数も21万人超(前期末は約17万人)に拡大している。

一方、利益面では、積極的な広告投資等により販管費が大きく増加したものの、増収により増益を実現。ただ、計画を下回ったのは、前述のとおり、2018年6月から開始した自社広告システムの立ち上げに伴う運用上のミスにより、一部採算の合わない広告宣伝費が増加したことが理由である。したがって、同社の収益性に何か構造的な変化が生じたものではない。また、2018年11月より、運用を改めて再度取組んでいるようだ。

財政状態については、「現金及び預金」の増加等により総資産が前期末比8.0%増の3,758百万円に増えた一方、自己資本も内部留保の積み増しにより同11.1%増の2,605百万円に拡大したことから、自己資本比率は69.3%(前期末は67.3%)に上昇した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《RF》

 提供:フィスコ

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