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2928 RIZAPグループ

札証A
433円
前日比
+20
+4.84%
PTS対象外銘柄
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.43 505
時価総額 2,408億円
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RIZAPーG Research Memo(7):中核のRIZAP事業はシニア層の取り込みで新たな成長ステージに突入


■中長期の成長戦略

2. 既存事業の成長戦略
(1) RIZAP事業の足元の状況
既存事業における成長戦略はRIZAP事業が中核を担っている。そのRIZAP事業は、極めて順調に収益の拡大が続いている。RIZAP事業の売上収益の動向を測る上でのKPI(重要経営評価指標)は新規会員の増加ペースだ。累計会員数は2017年1月で7万人を突破したが、6万人到達が2016年8月だったため、月2,000人ペースでの新規会員の流入が続いていることになる。出店も順調で、2017年3月末の目標120店に対し、2017年2月時点で110店に達している。47都道府県全県制覇も含めて店舗網の整備目標の達成は十分視野に入っていると言える。

RIZAP事業の収益性(利益率)を測るKPIで現状もっとも注目されるのは紹介入会比率だ。RIZAPグループ<2928>は集客における広告依存度の低下に精力的に取り組んでいるが、そのための最も効果的な施策が既存会員からの紹介による新規会員の獲得だ。1人当たりの新規会員の集客コストは広告に頼る場合と比べて劇的に低下するのは言うまでもない。新規入会者に占める紹介入会者の比率は2016年12月に40%を突破した。前述のように、分母に当たる新規入会数が月間2,000人のペースを維持する中での40%超という紹介入会比率は、利益面で極めて大きなインパクトを与えたと弊社ではみている。

3つ目のKPIとして再契約率(リピート率)・残存率がある。これは通常のRIZAPスタンダードコース修了者が「ライフサポートプログラム」等を再契約してRIZAPのアクティブ会員であり続けるケースの割合を示すものだ。

最もベーシックなライフサポートプログラムの場合、月間2回/19,600円(税別)でトレーナーの指導を受けつつ体形・健康の維持を図ることができる。この契約者数が増加することは、顧客に対して「生活習慣の改善」という価値を提供できるとともに、同社自身にとってはRIZAPの事業モデルがフロー型からストック型へと転換することを意味している。顧客1人当たりの売上単価で見た場合、スタンダードコースだけの場合は「入会金+298,000円(税別)+物販」で数十万円の売上だが、ライフサポートプログラム会員の場合は「入会金+298,000円(税別)+物販+(19,600円(税別)×継続月数)」となる。“売り切り”型と新しい“ライフタイムバリュー”型の金額の差は、何倍にもなることは容易に理解できるだろう。RIZAPの顧客満足度(CS)の高さがここで生きてくることになる。

再契約率(リピート率)・残存率の着実な上昇の結果、ライフサポートプログラム消化ゲスト数は2017年1月には1年前に比較して7.3倍にまで拡大した。同社は一部の店舗で、店舗スペースのあり方の見直しも含めてテストを行い、ライフサポートプログラムの商品魅力度のブラッシュアップを続けている。これまでのところ、そうした実験店舗では全店平均をはるかに上回る再契約率(リピート率)・残存率の値を実現できており、実験中の店舗づくりや新プログラムの効果に自信を深めているもようだ。新型プログラムの全国展開が待たれるところだ。

(2) RIZAP事業の成長戦略
RIZAP事業の成長戦略として重要な位置を占めると期待されるのが、シニア層(50代以上)の取り込みだ。同社は2017年3月期第2四半期からシニア層向けマーケティングを本格化させたが、第3四半期にはそれが一段と加速した。それに対する効果も顕著で、2017年2月の新規入会者の占めるシニア層の割合は22%と、2016年1月の14%から8ポイント上昇した。

これをもたらしたのが広告戦略だ。シニア向けには、若年層向けのビフォア・アフター型の15秒/30秒CMではなく、衛星放送や地方TV局など媒体とした29分コマーシャルを製作し、丁寧な説明で納得を得られるよう注力している。その結果、入会者数が大きく増加したのは前述のとおりだが、「効果を実感した」との回答が約90%に上っていることから明らかなように、非常に高い顧客満足度を実現できている。したがって、今後シニア層の入会が本格的に増加していくことが期待される。弊社では、新規入会者に占めるシニア層の割合が30%を超えてくるのは時間の問題だとみている。

会員に占めるシニア層の構成比上昇は、RIZAP事業の収益性に大きなインパクトを与えると期待される。理由は簡単で、トレーナーの稼働率・店舗稼働率が上昇すると期待されるためだ。現状は若年層中心の顧客構成であるため、昼間の時間帯と早朝・夜間の時間帯とで稼働率に極端な差が生じている。シニア層の増加はこのギャップを埋める最も効率的な解決策だと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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