ティア Research Memo（7）：中長期ビジョンとして会館数を現状の1.8倍の260店舗を目指す

■今後の見通し

2. 業界環境の変化と中長期ビジョン
葬儀の潜在的な需要は高齢化社会の進展に伴い、2040年頃には現在の1.2倍の規模にまで拡大することが見込まれている。一方で、核家族化の進行や地域コミュニティとの関係希薄化など構造的な要因に加えて、2020年以降はコロナ禍による影響で、葬儀規模の縮小と葬儀単価の下落傾向が進行し、葬儀件数の拡大が続くなかでも市場規模は頭打ちの状況となってきている。また、小規模葬に特化した低価格戦略でシェアを拡大している新興葬儀社も台頭し始めており、葬儀業界の競争環境は今後も激しさを増していくものと予想される。

こうしたなか、ティア<2485>は中長期ビジョンとして会館数を現状の1.8倍となる260店舗（FC含む）に拡大し、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」の実現を目指し、以下の戦略を推進していく。

(1) 事業戦略（成長力）
成長戦略としては、ブランド戦略の強化を図るとともに、中核エリアである中部地区でのさらなるシェアアップ、成長市場である関東・関西地区でのM&Aも視野に入れた出店拡大、新規市場（TLD事業による葬儀周辺・生活関連サービス）への参入などに取り組んでいく。

(2) 事業戦略（稼ぐ力）
収益力を強化する戦略として、ドミナント出店により効率的な店舗展開を進めるとともに、葬儀付帯業務の内製化推進、人財確保・育成体制強化による人財投資の効率化（定着率の向上）、出店フォーマットの多様化による資産効率の向上などに取り組んでいく。

(3) 機能戦略（経営基盤）
持続的な成長を実現していくうえで必要となる経営基盤については、外部環境変化に伴う課題認識・対応の強化や内部体制・中長期を見据えた施策の強化に加えて、成長投資手法の多様化（M&Aの精度向上含む）や人財マネジメントの強化、倫理コンプライアンス体制の確立・強化等に取り組んでいく。

（執筆：フィスコ客員アナリスト　佐藤　譲）

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　提供：フィスコ