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2437 シンワワイズ

東証S
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前日比
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時価総額 50.2億円
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シンワアート Research Memo(13):最終年度2018年5月期に売上高145億円を目指す中期経営計画


■成長戦略とその進捗

シンワアートオークション<2437>は2014年5月期より新中期経営計画(5ヶ年計画)をスタートした。成長戦略の柱は、オークション事業の拡大と新規事業の育成による安定収益源の確保、アジア戦略の3つである。日本の美術品オークション市場の再生に貢献するとともに、「アートから始まる富裕層向け総合サービスカンパニー」へと事業ドメインを拡充することにより、安定収益源の確保と財務基盤の強化に取り組む計画である。最終年度である2018年5月期には売上高14,500百万円と大きな飛躍を目指している。

(1)オークション事業の拡大

同社は、長期間にわたるデフレ経済の下で停滞してきたオークション市場の回復、ひいては本来あるべき市場規模に再評価されることを目標に、「日本近代美術再生プロジェクト」と銘打ち、資本力を駆使した大きなプラットフォームを構築することでオークション事業の拡大に取り組む方針である。具体的には、同社がマーケットメイク機能※を果たすことで市場に厚みを持たせ、取引の活性化と市場の拡大に結び付ける戦略である。加えて、自ら取引の当事者となることは、富裕層とのネットワークを構築する上でもプラスの効果が働くと考えている。同社は、日本の美術品オークション市場は最低でも1,000億円~2,000億円の規模が適正な水準と考えており、その市場規模を支えるためには、最低10,000百万円以上の純資産を確保し、安心できるプラットフォームの運用を目標としなければならないとしている。

※同社が当事者として取引に参加することで市場の流動性や効率性を高める手法のこと

前期はおおむね堅調に推移したものの、デフレ経済からの脱却に遅れがみられるなかで取扱高が伸び悩むなど大きな進展は見られなかった。同社としては、外部環境の好転を待ちながら、財務基盤の強化や富裕層ネットワークの拡大、人材面の強化など、プラットフォーム構想の実現に向けて「日本近代美術再生プロジェクト」を着実に進めていく方針としている。

(2)新規事業の育成

エネルギー関連事業は、節税効果及び安定的な収益を期待できる投資案件として投資ニーズが拡大するなかで、積極的に太陽光発電施設の開発及び販売に取り組んだことにより、2015年5月期以降、同社の業績の伸びを大きくけん引してきた。

今後は、節税効果の縮小や固定買取価格の低下等により、太陽光発電施設に対する投資ニーズはピークアウトするものと考えられる。同社では、投資ニーズが一巡した後に向けて、新たな事業を検索しており、高い水準での業績の安定化を図っていく方針としている。また、風力発電事業も試験的に開始しており、今後の動向が注目される。

また、医療機関向け支援事業については、診療報酬ファクタリングを一旦凍結としたが、ホスピタルネットワークを活かした医療ツーリズムを軸に展開している。医療コーディネーター業務や医療通訳養成講座を開始するなど、稼働後の円滑な運用を行うための体制整備にも取り組んでおり、あくまでも慎重なスタンスで推進する方針としている。

一方、新たに開始した保険代理店事業は、新たな顧客層の開拓を進めている。どのくらいの業績貢献が期待できるのかに未知数な部分もあるが、ある程度の実績が見えてくれば将来に向けた事業拡大のイメージがつかめるものと考えられ、今後の動向に注目したい。

(3)アジア戦略

アジア戦略は、ASIAN ART AUCTION ALLIANCEとの連携強化により、アジア圏でのプレゼンスを高めることである。特に、アジアの富裕層を日本のオークション市場に呼び込むことや、オークション以外にも医療ツーリズム等による事業拡大を目論む。

弊社では、オークション事業におけるプラットフォーム構想の実現には時間を要するものと捉えており、ここ数年で大きく拡大した太陽光発電施設の販売による業績貢献も一巡する可能性があるものの、富裕層マーケティングにおける強みを活かした独自の新規事業が順調に立ち上がってきており、持続的な成長の実現は可能であると判断している。今後も「アートから始まる富裕層向け総合サービスカンパニー」として富裕層ニーズを的確に捉えた同社ならではの事業展開に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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