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2216 カンロ

東証S
2,728円
前日比
-2
-0.07%
PTS
2,707.4円
09:08 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.2 2.61 2.64 3.87
時価総額 418億円
比較される銘柄
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なとり
決算発表予定日

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カンロ Research Memo(6):V字回復はフロックでなく、強みの顕在化が背景


■カンロ<2216>の業績動向

1. 長期収益動向
長期的な収益動向から現在の収益水準を考慮する。まず2000年以降、販路としてはコンビニエンスストアの成長、製品としては機能性製品やグミの拡大によって売上利益ともに拡大した。しかし2000年代半ばをピークに売上高は微減、利益率は急速に悪化した。競争激化が背景にあると考えられ、そのボトムがカルピスブランドを販売中止した2014年である。そしてその後、水準は不満だが、各種施策によって利益をV字回復させている。長期的に見ても、2014年はまさにターニングポイントだったと言えるだろう。

2. 2016年12月期と2017年12月期第2四半期の業績動向
カンロ<2216>の2016年12月期は売上高19,716百万円(前期比0.2%増) 、営業利益591百万円(同77.4%増)と微増収大幅増益となった。グミの堅調と飴の低迷が続くキャンディ市場で、効率的な販促によって上期は順調に推移したものの、下期は天候不順や自然災害などの影響により生鮮など食品価格が高騰して消費者の買い控え傾向が強まり、売上高は期初計画に未達となった。大幅増益については、主力7ブランドへの集中や社長直轄のSCM推進部による全体最適、工場での改善活動などにより原価低減が図れた結果といえ、期初計画を大きく上回った。特に主力7ブランドに集中する戦略によって、好採算の7ブランドの売上高構成比が14年の55%から16年の63%へと上昇しており、ミックス改善の効果が分かる。

2017年12月期第2四半期は売上高10,418百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益475百万円(同24.6%増)で、ともに計画を上回った。主力7ブランドへの集中やリテールサポートの効果などにより、「金のミルク」シリーズや「スーパーメントールのど飴」などが好調だった飴の売上高が前年同期比5.0%増、「ピュレグミ」や「ジュレピュレ」が好調のグミも同5.8%増と、両輪がともに収益貢献したためである。

利益面では、主力7ブランドへの集中によるミックス改善効果がまだ継続していることに加え、新製品数の絞り込みや開発費用の削減による原価低減、販売好調も利益貢献した。これにより、販売好調による経費増、研究開発や教育調査など先行的費用を吸収して2ケタ増益となった。

3. 2017年12月期の業績見通し
カンロ<2216>は2017年12月期の売上高を2,100百万円(前期比6.5%増)、営業利益を830百万円(同40.3%増)と見込んでいる。下期は売上高の伸びが前年同期比8.7%増と一見高そうだが、2016年12月期下期の売上高が天候不順や自然災害により低水準だったことを考えると、ハードルは決して低くないものの、達成は十分可能性と思われる。利益面では、第2四半期同様に主力7ブランドへの集中によるミックス改善と一層の原価改善を進める計画のため、リテールサポートなどによって売上高が計画を達成できれば、利益も十分射程圏内と予想する。

4. 財務諸表分析
財務諸表を見て気付くのは、やはりカルピスブランドの販売中止による収益悪化である。そして、いい点としてはそこから全般的に徐々に回復していること、悪い点としては資産利益率の水準が低いことである。資産回転率は設備資産の効率改善の一方、棚卸資産の効率がやや悪化しており、売上成長の弱いことが要因と思われる。また、利益率については、構造上の安定感はあるが水準が低い。これは、売上総利益高の不足が足を引っ張っていると考えられる。財務安定性はそこそこ高いと言えるので、売上高の拡大と売上総利益率の改善が資産利益率の改善=拡大再生産=成長につながると考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《TN》

 提供:フィスコ

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