ケアネット Research Memo(6):自己資本比率は82.3%と高水準を維持、無借金経営を続けている
■ケアネット<2150>の財務状況と株主還元策
(1)財務状況
2015年12月末の総資産が前期末比10百万円増の1,723百万円となった。このうち、流動資産は同15百万円減少の1,471百万円となった。現預金が34百万円増加した一方で、売上債権が52百万円減少したことによる。また、固定資産はソフトウェアが32百万円増加したことにより、同25百万円増加の252百万円となった。
負債は前期末比89百万円減少の299百万円となった。未払消費税等、未払い費用、役員賞与引当金の減少によるものとなっている。また、純資産は利益剰余金の増加を主因に前期末比99百万円増加の1,424百万円となった。
経営指標を見ると、自己資本比率は82.3%と高水準を維持しており、また無借金経営を続けていることから財務の健全性は十分保たれていると言える。一方、収益性に関してはROA、ROE、売上高営業利益率といずれも9ヶ月の変則決算であった2014年12月実績から低下はしたものの、直近5期間の中では2番目に高い水準であり、低下要因も明確であることから問題のない水準にあると言える。
同社では中長期な成長を図るうえでKPIとして、成長性の視点からは医療支援サービスの売上高及び医師会員数の推移を、収益性の視点からは売上総利益率、販管費率、営業利益率を、健全性の視点からは自己資本比率、流動比率、流動資産比率、営業キャッシュフローの状況を重視している。なお、医師会員数についてはアクティブユーザー数を捕捉していくほか、その中身(スペシャリティ薬等の専門医師の数)が今後より重要になってくるとみている。
(2)株主還元策
株主還元策としては配当を実施している。配当方針としては、事業拡大のための成長投資と内部留保のバランスを考慮して利益還元を行い、配当性向に関しては30%を目安に利益に連動した形で配当を行っていくことを基本方針としている。なお、2015年12月期に関しては、配当がなされる2016年が創立20周年に当たることを踏まえ、1株当たり10.0円と前期比4.0円の増配を実施する。また、2016年12月期については8.0円を予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
提供:フィスコ