貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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1963 日揮ホールディングス

東証P
1,371.0円
前日比
-0.5
-0.04%
PTS
1,362円
23:11 05/07
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.82 2.92 14.00
時価総額 3,558億円
比較される銘柄
千代建, 
東洋エンジ, 
大成建
決算発表予定日

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【植木靖男の相場展望】 ─9月FOMCが株価の転機となるか


「9月FOMCが株価の転機となるか」

●いまは地固めの段階、反発に転じれば上昇に弾みも

 日経平均株価は、8月17日高値の2万9222円までの上昇波の反動安でじり貧商状をみせている。なかでも8月29日の窓を空けての急落は、“もはや詮なし”といったところだ。米国株の弱さにお付き合いした格好だが、どこまで下げたら気が済むのか。1つ頼りとなるのがチャートだ。6月9日からの下落幅が参考になろう。2470円幅の下落(終値ベース)だが、これは最悪のケース。だとすると、2万6700円処、もしくは重大な注目ラインとみられる2万7000円処あたりか。

 ところで、ここまで下げてきた最大の懸念材料は、米連邦準備制度理事会(FRB)のまさに捨て身の利上げ作戦だ。経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で、パウエルFRB議長はそれをはっきりと言及したのだ。もちろん、株式市場はある程度、それを見越して身構えていたのだが……。

 さて、FRBが敵視しているインフレの根本原因は、FRBがおカネを刷り過ぎたことだ。だとすると、9月からQT(量的引き締め)で月最大950億ドルの資金を回収することで需要を抑えるには十分といえる。だが、財政をみると奨学金免除で3000億ドル以上もの支出が見込まれるという。まさに“掬った手から水が洩れる”ではないか。インフレ退治は容易ではないようだ。

 このため株価は、このあたりを見透かされてジリ貧を辿っている。とはいえ、米国株そして日本株はいったん6月中旬に国際商品安を手掛かりに反発底入れをみせていた。いまは地固めの段階といえよう。日を経たずして反発上昇へと転じよう。まして円安基調にある今日、日本株は米国株以上に上昇に弾みがつくと予想される。

 その円安だが、日米金利差の拡大、日本の貿易赤字の常態化といった基本要件が変わらないとすれば、1ドル=140円で止まることはなさそうだ。ただ、9月20日~21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%という厳しい利上げがあれば、それをきっかけにドル高・円安はいったん一休止する可能性もあろう。

●当面は内需系の出遅れ株物色か

 こうした複雑な環境の中で、物色はどのような展開をみせるのであろうか。

 大まかな基本図でいえば、米国長期金利がカギを握っていることに変わりはない。

 米長期金利は6月中旬、国際商品市況がピークをつけた時点をきっかけに、3.49%でピークを打っている。現状の上昇はあくまでも二番天井を形成する段階であり、おそらくFOMCが開かれる20日頃がそのタイミングともいえる。それまではグロース株が動き難いことは容易に察せられる。

 逆にいえば、その後の金利低下、ドル安とグロース株の反騰が期待されよう。よって、それまでは内需系の出遅れ株が物色されるのではないか。9月相場に入って、そうした内需系出遅れ株が強張っていることに気づかされる。

 その筆頭は、3年ぶりの回復と報じられた百貨店だ。三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]に注目したい。高級品の売り上げ増加の勢いが止まらないという。今23年3月期は大幅増収増益、連続増配の予定だ。

 次いで、IHI <7013> [東証P]だ。脱炭素関連航空関連、そして防衛関連としても、いますぐとは言わないまでも23年以降の出世株になりそうだ。つい平成バブルを想起してしまう。

 最後に、LNG(液化天然ガス)関連としての日揮ホールディングス <1963> [東証P]だ。これまでに世界のLNG生産量の30%以上を占めるLNGプラントを建設してきた。LNGはエネルギーの中で最も先行きが注目される。

2022年9月2日 記

株探ニュース

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