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【特集】4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第4弾〕 37社選出 <成長株特集>

santec <日足> 「株探」多機能チャートより
 本特集では、22年4-6月期(第1四半期)に経常利益ベースで利益倍増を達成した3月期決算企業を紹介する「4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!」シリーズの第4弾をお届けします。

 最終回となる第4弾は、第1弾配信の8月21日時点で時価総額が100億円以上300億円未満の銘柄(銀行を除く)の中から、直近3ヵ月実績である4-6月期(第1四半期)に経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した37社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表は四半期ベースの「増益連続期数」、4-6月期(第1四半期)経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。

 増益率トップとなったのはエスリード <8877> [東証P]。22年4-6月期(第1四半期)は、低水準な住宅ローン金利などを背景に住宅需要が底堅く推移するなか、主力の不動産販売事業でマンションの引き渡しが増加し、経常利益は前年同期の2.3億円から17億円に急拡大して着地。上期計画の16億円をすでに上回っており、業績上振れが期待される。

 2位に入った電子部品メーカーのSMK <6798> [東証P]の4-6月期経常利益は17.7億円と前年同期比6.4倍の大幅増益を達成した。半導体不足による一部顧客での減産継続の影響でスマートフォン向けコネクターが振るわなかったものの、車載向けやゲーム機・VR向けのコネクターなどの販売が好調だった。また、急速な円安進行で為替差益14.7億円を計上したことも利益を大きく押し上げた。

 3位にリスト入りしたワイヤーロープ大手の東京製綱 <5981> [東証P]は、国内で防災・道路安全施設関連製品の引き合いが強かったほか、海外では北米向け炭素繊維複合材ケーブルの大型案件が堅調に進んだ。また、資材・エネルギー価格の高騰に応じた価格転嫁や円安効果も寄与し、4-6月期の経常利益は前年同期比5.7倍の9.6億円に膨らんだ。第1四半期実績の通期計画(27億円)に対する進捗率は35.6%と好調なスタートを切っている。

 続く4位には半導体・電子部品商社のグローセル <9995> [東証P]が入った。主要取引先であるルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]の国内特約店政策見直しにより、半導体素子は産業分野の販売を終了した影響が大きかったものの、自動車分野を中心に集積回路が伸びたことに加え、OA分野向け表示デバイスやEMS(電子機器受託生産)関連の好調で補った。人件費の減少や為替差損益の好転も増益に大きく貢献した。4-6月期の経常利益は前年同期比4.6倍の5.6億円と上期計画(3.1億円)を大幅に上回っており、業績上振れが確実視される。

 5位のペガサスミシン製造 <6262> [東証P]の4-6月期経常利益は前年同期比4.6倍の11.9億円に拡大し、四半期ベースの過去最高益を5年半ぶりに更新した。世界的に好調なアパレル需要に伴う活発な設備投資を背景に工業用ミシンの販売が大幅に増加したほか、原価改善や為替の円安進行も利益を押し上げた。好調な業績を踏まえ、早くも通期計画を上方修正したが、第1四半期実績の修正した通期予想(23.6億円)に対する進捗率は50.8%と高水準で、さらなる上振れに期待がかかる。

 11位のsantec <6777> [東証S]は半導体用シリコンウエハーの膜厚検査システムや白内障手術前の検査に用いられる光学式眼内寸法測定装置の販売が好調だった。また、昨年10月に買収した光通信用光測定器を手掛ける2社の業績上積みに加え、円安効果なども寄与し、4-6月期の売上高は31.8億円(前年同期比89.2%増)、経常利益が10.7億円(同3.4倍)と業績高変化を遂げた。経常利益は上期計画(11億円)にほぼ到達しており、業績上振れが濃厚とみられる。株価は約21年ぶりの高値圏を快走する展開となっている。

 16位にリストアップされたのは、ブライダルジュエリーを主力とするNEW ART HOLDINGS <7638> [東証S]。4-6月期は円安やロシア情勢の影響で原価が高騰したものの、国内未出店エリアの開拓を進めるなど積極的なシェア拡大策が奏功し、客数、売り上げともに大きく伸びた。配当利回りが6%を超えるほか、発行済み株式数の3.76%にあたる60万株または9億円を上限に自社株買いを実施するなど株主還元面での評価も高く、株価は8月26日に約16年1ヵ月ぶりの高値1676円をつける場面があった。

●4-6月期【利益倍増】シリーズ ─────
〔第1弾〕 38社選出 (時価総額2500億円以上)
〔第2弾〕 38社選出 (時価総額550億~2500億円)
〔第3弾〕 36社選出 (時価総額300億~550億円)
も併せてご覧ください。

            ┌ 経常利益 ┐   増益  対通期 予想
コード 銘柄名    増益率  4-6月期 連続期数 進捗率  PER
<8877> エスリード    620   1700    2   18.9  4.8
<6798> SMK      544   1772    1   88.6 11.4
<5981> 東京綱      473    962    7   35.6  8.4
<9995> グローセル    364    561    7   74.8 18.0
<6262> ペガサス     359   1198    8   50.8 12.6
<7726> 黒田精      323    478    6   38.2 14.6
<6023> ダイハツデ    322    570    1   21.1  7.4
<2749> JPHD     297    739    4   20.6  9.9
<3853> アステリア    288    388    4   11.9  6.7 *
<8150> 三信電      250   1165    7   40.2 10.0

<6777> santec   239   1079    3   49.0 20.6
<1811> 銭高組      231   1595    2   55.0 12.4
<2445> タカミヤ     199    436    2   20.3 13.4
<5918> 滝上工      198    697    1    332 62.9
<4977> 新田ゼラチン   192    866    4   57.7 16.0
<7638> NEWART   179    792    3   24.8 14.4
<4237> フジプレアム   171    285    4   37.9 26.7
<5304> SECカーボ   171   1976    3   56.5 10.7
<2307> クロスキャト   168    402    6   33.8 27.1
<7305> 新家工      142   1404    6   30.5  3.3

<6358> 酒井重      141    516    1   35.6 13.5
<6319> シンニッタン   137    292    6   36.5 14.7
<6125> 岡本工      136   1154    7   24.6  5.8
<9046> 神電鉄      136    560    1   60.2 45.8
<8704> トレイダーズ   135   1102    1   45.9  6.0
<6069> トレンダ     121    446    1   52.5 23.6
<7908> KIMOTO   117    352    1   33.5 14.9
<5984> 兼房       114    853    1   45.6  8.0
<4709> IDHD     110    668    3   33.4 13.3
<6364> 北越工      108   1371    6   34.3  9.9

<6637> 寺崎電気     107    444    1   19.8  8.9
<4031> 片倉コープ    106    560    1   40.0 12.6
<8041> OUGHD    106    939    1   32.4  8.6
<6237> イワキポンプ   104   1158    1   33.9 10.6
<4837> シダックス    103    856    1   26.8 13.9
<6247> 日阪製      103    736    4   26.3 12.0
<2674> ハードオフ    101    766    3   38.3 14.2

※経常利益の単位は百万円。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
※増益連続期数は四半期ベースの連続回数、同一会計基準内が対象。21年4-6月期の経常利益が1億円未満の銘柄は除いた。

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