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1961 三機工業

東証P
2,237円
前日比
+32
+1.45%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.3 1.26 3.80 17.75
時価総額 1,268億円
比較される銘柄
ダイダン, 
新日本空調, 
テクノ菱和
決算発表予定日

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三機工業 Research Memo(4):原価管理の徹底などによりすべての利益で増益


■業績動向

(1)2016年3月期の業績概要

●損益状況
三機工業<1961>の2016年3月期は、受注高183,270百万円(前期比5.7%増)、売上高178,901百万円(同0.4%減)、売上総利益22,929百万円(同27.6%増)、営業利益6,509百万円(同120.6%増)、経常利益8,135百万円(同113.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,327百万円(同116.4%増)となった。期末の繰越工事高は106,388百万円(同4.3%増)であった。売上高は前期比横ばいの水準だったが利益率が大きく改善し、各利益は大幅増益となった。

売上総利益率は12.8%(前期は10.0%)へ大きく改善したが、同社は売上総利益率が改善した要因として以下のような点を挙げている。

・原価管理の徹底:以前から進めていた社内での原価管理を徹底、これに加え下記取組みにより作業効率が大きく改善したことにより、利益率が向上した。

・利益率マイナス要因の減少:業界環境の好転により受注環境が改善し、コストと品質のバランスがとれた受注実態となっている。さらに工程管理を徹底したことから進捗遅れが減少し、特に大型案件での採算性(利益率)が改善した。

・現場サポート体制の整備:現場の技術者をサポートするため、2015年4月から調達本部による購買業務支援、サイト業務支援センターによる現場業務支援、技術エキスパートによる品質監理などを行ってきたが、これらの効果が出始めた(作業効率の向上)。

その一方で販管費は実額で1,404百万円増加し対売上高比率は前年同期の8.4%から9.2%へ上昇したが、これは予想の範囲内であった。結果として、売上総利益額が大幅増となったことから、営業利益は前期比で大幅増益となり、これに伴い経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も大幅増益となった。

四半期ごとの工事損失引当金の推移を見ると、上半期(2016年3月期第2四半期)は、前期(2015年3月期)に計上した工事損失引当金が繰戻し(益)となって計上された。通期でも同引当金は128百万円の繰戻し(益)となり利益率改善に大きく寄与した。

建築設備事業の売上高は149,952百万円(前期比0.8%減)となった。ビル空調衛生が前期比10.9%減の64,492百万円となったが、同社が得意とする産業空調は同10.8%増の52,084百万円と好調であった。機械システム事業の売上高は9,217百万円(同7.4%減)と前期比では減収だったが、期初の手持ち工事が少なかったことから、これは想定の範囲内であり、むしろ1ケタの減収にとどまったことはよく回復したと評価できる。環境システム事業の売上高は18,734百万円(同7.1%増)と比較的好調であったが、子会社の受注が好調だったことが主要因。その他の事業部門は金額は小さいが、おおむね計画どおりの結果であった。

またセグメント別の経常利益は、建築設備事業の経常利益が7,698百万円となり、前期の経常利益2,943百万円から4,755百万円改善した。経常利益全体の改善が4,325百万円であったので、改善の大部分は建築設備事業が寄与したと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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