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1723 日本電技

東証S
5,420円
前日比
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.0 1.25 3.25
時価総額 444億円
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日本電技 Research Memo(2):高品質な空間の創出や工場の生産効率の向上に貢献


■会社概要

1. 会社概要
日本電技<1723>は、オフィスビルをはじめホテルや病院、工場など大型の非居住用建築物の空調設備を自動制御する空調計装の分野、及び工場の生産ラインや搬送ラインを自動化する産業システムの分野を領域として事業を展開している。主力の空調計装関連事業は、自動制御機器大手であるアズビルの最大手特約店として、また業界の草分け的な大手企業として、豊富な実績とノウハウを誇る。加えて、同社を含むアズビルグループが大半を握る空調計装市場で、設計から施工、メンテナンスまでを手掛ける「エンジニアリング企業」として強みを発揮している。一方、成長余地の大きい産業システム関連事業は、空調計装やエンジニアリングのノウハウ、子会社ジュピターアドバンスシステムズ(株)の生産管理システムなどをベースに、付加価値の高い最適化・省人化によって工場や生産ラインのスマート化を支援している。また、同社は「計装エンジニアリング」によって、高品質な空間の創出や生産効率の向上に寄与するだけでなく、ビルや工場から排出されるCO2を削減することによって、脱炭素などサステナブルな社会の実現にも貢献している。


日本初の空調計装専業企業としてスタート
2. 沿革
山武計器(株)(現アズビル)が、1952年に米国有数の制御機器メーカーであるハネウェル<HON>と資本提携契約を締結、国内で空調制御機器の輸入販売を開始した。しかし、計装機器を据え付ける計装工事会社が世の中にほとんどなかったことから、島田七良氏ほか当時の創業メンバーは空調計装事業の発展を確信して同社を設立、「エレクトリック技術で日本一を目指す」という志を込めて日本電技株式会社と名付けた。こうして同社は、1959年に空調自動制御の設計から施工、調整、保守までを一貫して行う、日本初の空調計装専業企業としてスタートした。現在同社は、アズビルと協働して空調計装業界をリードするとともに、空調計装で培ったエンジニアリング能力を、工場や生産ラインの自動化・省力化を進める産業システムの分野に展開、業容を拡大しているところである。


同社の強みは「計装エンジニアリング」
3. 「計装エンジニアリング」
「計装」とは、ビルや工場において空調や生産ラインなど各種の設備・機械装置を、計測・監視・制御の手法によって自動でコントロールする技術で、快適化・効率化・省力化・省エネ化の実現を目的としている。例えば、ビルの空調計装であれば、「最少のエネルギーで快適な環境を実現する」技術と位置付けられ、温度・湿度・気圧などを計測してその情報を監視し、一定の環境を維持するために機器を制御しながらビル全体の空調をコントロール、快適性や省エネ化を実現している。計装技術は近年、省エネ化に必須の技術として注目され、最新のIoT・AI技術を用いた計測・監視システムが開発されたり、「地域冷暖房」のコア技術として利用されたりするなど進化を続けている。一方「エンジニアリング」とは、部分最適に陥りがちな設備・機械装置を、ユーザーにとって全体最適化する技術を指す。

同社のようにこうした「計装」と「エンジニアリング」の機能を併せ持つ企業は少なく、「計装エンジニアリング」という技術自体が同社の強みとなっている。このため、年々高度化するアズビルの新製品への対応力は、取り扱い販売店のなかでも抜きんでていると言われている。加えて、業界で最も長いキャリアがあり、施工実績が多岐にわたり、豊富な既設ストックを有していることも、経験工学といわれる計装においては大きな強みとなっている。

さらに同社は、こうした「計装エンジニアリング」という技術を産業システムの分野に持ち込んだ。「計装エンジニアリング」という技術は、人に替わる作業を柔軟に設計できるため、工場において生産設備機器や生産ラインを自動化・省力化する際に非常に相性がよく、産業システムの分野は、同社にとって「計装エンジニアリング」という技術を生かしやすい、肥沃なブルーオーシャンということができる。なかでも中小規模の食品工場は、機器を納品した生産設備メーカーがメンテナンスまで請け負うことが多く、自動化・省エネ化で全体を最適化するという観点から課題が多いため、同社に対するニーズは今後強まっていくことが予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

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