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エヌビディアの決算待ちのなかで個別物色が中心【クロージング】


20日の日経平均は反落。62.09円安の38352.34円(出来高概算16億5000万株)で取引を終えた。米ハイテク株高を映して、日経平均は取引開始直後に38520.45円まで上昇した。ただ、中東情勢の行方が気がかりとなり、買いが一巡した後は利益確定の売りが入りやすい需給状況となった。また、米半導体大手エヌビディアの業績動向を確認したいとの思惑も、買い見送りムードを強める一因となった。日経平均は後場取引開始直後に38180.15円まで値を下げたが、節目の38000円台に接近すると押し目を拾う動きも散見され、終盤にかけては38300円台での推移が続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1000に迫り、全体の6割を占めた。セクター別では、繊維製品、小売、その他製品、サービスなど8業種が上昇。一方、保険、陸運、鉱業、その他金融など25業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、7&iHD<3382>、リクルートHD<6098>、ソニーG<6758>が堅調だった半面、東京海上<8766>、東エレク<8035>、信越化<4063>、第一三共<4568>が軟調だった。

ウクライナ軍は米国が供与した長距離ミサイルでロシア西部の軍事施設を攻撃。これに対しロシアのプーチン大統領は、核抑止力の国家政策指針(核ドクトリン)を改定し、核兵器の使用基準を緩和。地政学リスクへの警戒から先物市場ではナイトセッションで急落する場面もみられたが、この影響は限定的であり、エヌビディアの反発をうけたリバランスの動きが先行した。ただし、日経平均は200日線水準では戻り待ちの売りが意識されていたほか、エヌビディアの決算を控えるなかで、積極的には持ち高を傾けにくい需給状況でもあった。そのため、「創業家が今年度中に買収を完了させることで調整している」と伝わった7&iHDやKADOKAWA<9468>の買収を検討しているソニーGなどが個別に物色されていた。

エヌビディアの8-10月期の売上高は前年同期比8割増の331億ドルと見込まれている。また11-1月期の売上高見通しについては、前年同期比6割増の370億ドル程度になると予想されている。市場想定を上回る良好な結果となり、他の半導体関連企業全般に好影響が及ぶのか注目される。また、次世代半導体「ブラックウェル」は、サーバー接続時の過熱問題から投入遅延に対する懸念もあるだけに、決算後の説明で経営幹部がどのような見解を示すのかにも関心が集まっている。

《CS》

 提供:フィスコ

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