前週末の急落に対する自律反発の動き【クロージング】
5日の日経平均は3営業日ぶりに大幅反発。421.23円高の38474.90円(出来高概算18億9000万株)で取引を終えた。前週末に1000円超下落した反動から買い戻しの動きが強まったほか、TDK<6762>や村田製<6981>、野村<8604>など好決算を発表した銘柄に投資家の関心が向かい、日経平均は前場終盤にかけて38500円台を回復。その後は心理的な同水準を挟んでの膠着が続いていたが、後場中盤には38620.19円まで上値を伸ばした。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が980を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、証券商品先物、非鉄金属、卸売、その他金融など24業種が上昇。一方、その他製品、空運、サービス、電力ガスなど9業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、TDK、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>が堅調だった半面、リクルートHD<6098>、ヤマハ<7951>、中外薬<4519>、任天堂<7974>が軟調だった。
日経平均は先週末に1000円を超える下落となったことから、自律反発狙いの買いが先行した。また、日本が連休中の米国市場は、総じて堅調だったことも投資家心理を上向かせる要因になったほか、市場予想を上回る上期決算や大幅な増配を発表した銘柄に値幅取りの動きも強まった。さらに、米国市場でエヌビディア株が値を上げたことや時間外取引での米国株価指数先物がしっかりで推移していることもあって、指数寄与度の高い半導体関連株に買いが入り、日経平均の上げ幅は一時600円近くに迫った。
日経平均は自律反発の域を抜けていない。投資家の最大の関心は米大統領選の行方だ。トランプ前大統領、ハリス副大統領の両候補は接戦を演じており、結果が判明するまでに時間がかかる可能性もある。それまでは動くに動けないと考える投資家が多いだろう。また、機関投資家も選挙結果次第で日米株や為替市場に大きな影響を及ぼす公算が大きいだけに、結果を見極めたいとみているだろう。米大統領選を通過しても米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、目先は主要企業の決算内容を確認しながら、選別色の強い展開が続きそうだ。
《CS》
提供:フィスコ