米ハイテク株安や円高によりリスク回避の動き【クロージング】
1日の日経平均は大幅続落。1027.58円安の38053.67円(出来高概算19億9000万株)で取引を終えた。前日の米国市場でハイテク株が売られた流れを映して半導体関連株などを中心に値を消したほか、円相場が一時1ドル151円台と円高に振れたことも重荷となり、輸出関連株などにも売りが波及した。さらに、後場に入ると、あすからの三連休を前にした持ち高調整の売りが出たほか、来週の米大統領選などを控え、連休明け後の波乱展開を懸念する向きもあり、日経平均は大引けにかけて下げ幅を広げ、一時37946.66円と心理的な節目の38000円を割り込んだ。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1400を超え、全体の8割超を占めた。セクター別では、ガラス土石を除く32業種が下落。非鉄金属、輸送用機器、電気機器、化学、機械の下落が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、三菱電<6503>、パナHD<6752>、TDK<6762>、富士電機<6504>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、レーザーテック<6920>が軟調だった。
前日の米国市場は、メタ・プラットフォームズ(META)やマイクロソフト(MSFT)など大型テック企業の決算が失望感を招き、主要株価指数は下落。SOX指数は4%を超える下落となるなか、東京市場もリスク回避の動きが強まった。また、前日の植田和男日銀総裁の会見で、次回の利上げについて「時間的余裕がある」との表現を使わないと語ったため、早期の利上げ観測が広がり、円高が進んだことも投資マインドを冷やした。さらに、米大統領選が迫っており、連休明けの波乱展開を警戒した短期筋の先物売りも入ったようだ。
国内主要企業の決算発表が本格化しているが、想定していたほど、通期業績予想の上方修正を発表する企業が多くなく、先行きに不安が残りそうだ。また、日米の金融政策の行方も気がかりなど、不透明要素が山積しており、投資マインドが上向きづらくなっているようだ。さらに、米大統領選の結果次第では、今後の景気サイクルや日米株にも大きく影響を及ぼしそうで、目先は軟調な展開を強いられる可能性がありそうだ。
《CS》
提供:フィスコ