【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):京成、エディオン、TDK
京成 <日足> 「株探」多機能チャートより
京成電鉄<9009>が6連騰。底値離脱の動きを鮮明にしている。同社は10月31日の取引終了後、25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比6.8%増の1580億3300万円、経常利益は同16.1%増の315億1800万円、最終利益は同1.9%増の214億9600万円だった。また今年12月31日を基準日として25年1月1日に1株を3株に分割すると開示した。堅調な業況と株式の流動性向上を期待した買いが入ったようだ。インバウンド需要が拡大するなか、鉄道・バスなど運輸業が堅調に推移した。京成はイオン<8267>との資本・業務提携も公表。不動産開発などで提携する方針を示している。
■エディオン <2730> 1,780円 +15 円 (+0.9%) 本日終値
エディオン<2730>が後場に入りプラスに転換。午前11時30分ごろ、25年3月期連結業績予想について、売上高を7500億円から7615億円(前期比5.6%増)へ、営業利益を190億円から222億円(同31.1%増)へ、純利益を110億円から135億円(同49.6%増)へ上方修正したことが好感された。上期において期間を通じて気温が高く、季節家電が好調であったことが要因としている。なお、業績修正に伴い、中間配当予想を22円から23円(年46円)へ引き上げている。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高3805億円(前年同期比7.9%増)、営業利益144億9800万円(同34.5%増)、純利益100億3100万円(同39.0%増)だった。
■TDK <6762> 1,848円 +5.5 円 (+0.3%) 本日終値
TDK<6762>が頑強な動き。朝安後に切り返す展開となった。1日、25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正し、材料視されたようだ。今期の売上高予想は150億円増額して2兆1200億円(前期比0.8%増)、最終利益予想は320億円増額して1600億円(同28.3%増)に見直した。上期において、スマートフォンなどの新モデルの立ち上がりにより二次電池やセンサーの販売が拡大した。更に、前期は低調だったデータセンター向けの需要が大幅に回復し、HDD用ヘッドの販売が好調に推移した。中間配当は従来予想から10円増額し70円とした。同社は10月1日に1株を5株に分割している。期末配当予想はこれまでの12円から14円に修正。株式分割前のベースで年間配当予想はこれまでの120円から140円(前期は116円)に上振れする形となる。
■武田薬品工業 <4502> 4,270円 +6 円 (+0.1%) 本日終値
武田薬品工業<4502>が5日続伸。10月31日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、売上高を4兆3500億円から4兆4800億円(前期比5.1%増)へ、営業利益を2250億円から2650億円(同23.8%増)へ、純利益を580億円から680億円(同52.8%減)へ上方修正したことが好感された。米国で特許切れした注意欠陥/多動性障害(ADHD)治療薬「ビバンセ」について、後発品の市場浸透が想定よりも緩やかであったことに加えて、その他製品が好調に推移していることや前提為替レートの見直しなどが要因としている。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高2兆3840億円(前年同期比13.4%増)、営業利益3505億7600万円(同2.9倍)、純利益1872億9400万円(同4.5倍)だった。為替相場が円安に推移したことに加えて、血漿分画製剤、消化器系疾患、オンコロジー(がん)、希少疾患及びワクチンの各事業が好調に推移したことが牽引した。
■レーザーテック <6920> 19,615円 -3,860 円 (-16.4%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
レーザーテック<6920>が急落。下落率は16%を超え、2万円を割り込んだ。10月31日取引終了後に発表した25年6月期第1四半期(7~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比22.3%減の367億3700万円、純利益が同16.0%増の89億3000万円となった。大幅な減収ながら二ケタの増益となった。もっとも、純利益の水準は市場の高い期待には届かず、四半期の受注高実績の開示を取りやめたことも業績の先行き懸念を強める方向に作用し、売りを浴びる結果となった。同社は短期変動の大きい四半期ごとの受注高は中長期の成長トレンドとは合致せず、企業評価や有用性が低いと判断した。7~9月期については、生成AI向けHBM(広帯域メモリー)関連の投資は堅調に推移した一方、EV(電気自動車)市場の減速などを背景に、パワー半導体向けの投資には一服感があったとしている。4~6月期比で売上高は34.8%減、純利益は49.1%減となった。
■ソシオネクスト <6526> 2,485.5円 -436.5 円 (-14.9%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
ソシオネクスト<6526>は大幅安。10月31日取引終了後に発表した4~9月期連結決算は、売上高が前年同期比15.2%減の991億8100万円、純利益が同24.2%減の115億8600万円だった。中国の5G基地局向け商談における特需終了が要因。また、円高進行に伴う為替差損の発生なども響いた。これが売り材料視された。あわせて、取得上限250万株(自己株式を除く発行済み株数の1.39%)、または50億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は11月1日から同月29日まで。
■エンプラス <6961> 5,940円 -1,000 円 (-14.4%) ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率3位
31日に決算を発表。「7-9月期(2Q)経常は43%減益」が嫌気された。
エンプラス <6961> [東証P] が10月31日大引け後(15:00)に決算を発表。25年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比1.6%増の31.4億円となったが、通期計画の70億円に対する進捗率は44.9%にとどまり、5年平均の49.2%も下回った。
⇒⇒エンプラスの詳しい業績推移表を見る
■東北電力 <9506> 1,320円 -184.5 円 (-12.3%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
東北電力<9506>は大幅続落。10月31日取引終了後に発表した4~9月期連結決算は売上高が前年同期比5.5%減の1兆3115億円、純利益が同31.8%減の1060億3000万円だった。燃料価格の低下による燃料費調整額の減少や、燃料費調整制度のタイムラグ影響による差益の減少などが響いた。これが嫌気された。
■SUBARU <7270> 2,461.5円 -320 円 (-11.5%) 本日終値 東証プライム 下落率8位
SUBARU<7270>が後場に下げ幅を拡大した。1日午後1時、25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比2.4%増の2兆2661億5800万円、最終利益は同8.0%増の1630億3300万円となった。生産・販売台数が前年同期から落ち込み、販売奨励金がかさんだ一方、円安効果が補う格好となった。通期の見通しに関しては生産台数をこれまでの計画から1万台引き下げて95万台(前期比2万台減)、販売台数を3万台引き下げて同じく95万台(同2万6000台減)に修正。想定為替レートを1ドル=142円から149円と円安方向に見直しながらも、業績予想は据え置いた。円安の進行による業績の上振れ期待が膨らんでいた同社株に対しては、失望売りが膨らむ格好となったようだ。
■日本酸素HD <4091> 4,799円 -579 円 (-10.8%) 本日終値 東証プライム 下落率9位
31日に決算を発表。「7-9月期(2Q)最終は16%減益」が嫌気された。
日本酸素ホールディングス <4091> [東証P] が10月31日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。25年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結最終利益は前年同期比1.3%増の491億円となったが、通期計画の1050億円に対する進捗率は46.9%となり、5年平均の47.5%とほぼ同水準だった。
⇒⇒日本酸素HDの詳しい業績推移表を見る
■加地テック <6391> 4,265円 +700 円 (+19.6%) ストップ高 本日終値
加地テック<6391>がストップ高。同社は10月31日取引終了後、25年3月期第2四半期累計(4~9月)の単独決算を発表。営業利益は前年同期比4.4倍の3億1700万円となり、通期計画4億7000万円に対する進捗率は67.4%に達した。売上高は同15.6%増の30億3000万円で着地。大型燃料電池車(HDV)用充填設備向け水素圧縮機の販売が好調だったことなどが寄与した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
●ストップ高銘柄
マネパG <8732> 294円 +80 円 (+37.4%) ストップ高 本日終値
SBIサウジ <273A> 14,125円 +3,000 円 (+27.0%) ストップ高 本日終値
Sapeet <269A> 4,410円 +700 円 (+18.9%) ストップ高 本日終値
デルタフライ <4598> 658円 +100 円 (+17.9%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
アール・エス・シー <4664> 1,100円 -300 円 (-21.4%) ストップ安 本日終値
など、2銘柄
株探ニュース