【特集】利益成長【青天井】銘柄リスト〔12-2月期〕 24社選出 ＜成長株特集＞

　2月期決算企業を中心とする24年12月-25年2月期(3ヵ月決算)の決算発表が先週までに出そろった。本特集では、12-2月期に過去最高益を更新し、かつ通期も最高益を見込む、いわゆる利益が"青天井"状況になっている銘柄にスポットライトを当てた。

　下表では、時価総額100億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、24年12月-25年2月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が通期計画も過去の最高益を上回る見通しを示している24社を選び出し、12-2月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

　上振れ率トップとなったのは、フリーランスITエンジニアのマッチングサービスを展開するＴＷＯＳＴＯＮＥ＆Ｓｏｎｓ <7352> [東証Ｇ]。24年12月-25年2月期(第2四半期)の経常利益は5.2億円とこれまでの過去最高を74.5％も上回って着地。企業の旺盛なIT投資需要を追い風にエンジニアマッチング事業の成長が続いたほか、業界経験が豊富な人材の積極的な採用などによってコンサル・アドバイザリー事業も大きく伸びた。また、営業組織体制の強化やAI導入による業務効率化が進んだことも利益拡大につながった。好調な業績を踏まえ、決算発表前に最高益予想だった25年8月期通期の同利益を従来の5.9億円→10億円に大幅上方修正している。

　2位のテラスカイ <3915> [東証Ｐ]は企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)ニーズを捉え、セールスフォースの導入開発や人材派遣が好調だったことに加え、エンジニアの教育・内製化の促進で採算も改善し、12-2月期(第4四半期)の経常利益は5.6億円(前年同期比2.0倍)と4四半期連続の最高益更新を遂げた。続く26年2月期の同利益は前期比23.1％増の19.7億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しだ。

　6位に入った食品専門商社のラクト・ジャパン <3139> [東証Ｐ]は12-2月期(第1四半期)の経常利益が15.9億円(前年同期比43.2％増)と8年ぶりに最高益更新を果たした。アイスクリームなどに使用される脂肪系の輸入乳原料やプロテイン向けを中心とする高たんぱく原料といった好採算品の販売が好調だったほか、アジア・チーズ製造販売部門の利益率が改善したことも大幅増益に貢献した。上期計画の23億円に対する進捗率が69.5％と高水準で業績上振れも期待され、株価は約4年半ぶりの高値圏に急浮上している。

　7位にリスト入りしたのは総合コンサルティング会社のライズ・コンサルティング・グループ <9168> [東証Ｇ]。12-2月期(第4四半期)はコンサルタント人員の順調な採用とともに案件獲得が増加したうえ、新規案件でのディスカウントを順次正規単価へ移行し、税引き前利益は過去最高だった前年同期に比べ19.0％増の6.3億円に伸びて着地。26年2月期の同利益は前期比18.8％増の22.6億円と5期連続の最高益更新を見込み、配当は前期比5円増の14円に大幅増額する方針を示した。好決算を受けて、株価は約1年1ヵ月ぶりの高値圏を快走する展開となっている。

　12位のイオン <8267> [東証Ｐ]はプライベートブランドの価格強化戦略やコスト構造改革が奏功し、12-2月期(第4四半期)の経常利益は前年同期比17.1％増の1221億円に伸び、5年ぶりに四半期最高益を塗り替えた。続く26年2月期の同利益は前期比11.5％増の2500億円と2期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。トランプ関税の影響を受けにくい内需好業績株としても注目され、株価は4月23日に上場来高値4293円まで上値を伸ばしている。

　22位のＵ－ＮＥＸＴ　ＨＯＬＤＩＮＧＳ <9418> [東証Ｐ]、23位のジンズホールディングス <3046> [東証Ｐ]も決算発表後に上場来高値を更新している。ＵＮＥＸＴの12-2月期(第2四半期)は動画配信の課金ユーザーが増加したほか、サッカー専門の視聴プランが伸び、2四半期連続で過去最高益を達成した。

　ＪＩＮＳＨＤの12-2月期(第2四半期)はインバウンド需要などを追い風にレンズとフレームの高単価商品が好調だった。併せて、最高益予想だった25年8月期通期の経常利益をさらに上乗せするとともに、年間配当を従来計画の67円→94円に大幅増額修正したことも評価され、約4年ぶりに上場来高値更新を果たした。

　　　　　　　　　　┌─ 四半期 経常利益 ─┐　┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名　　　　上振れ率 12-2月 過去最高　上振れ率 今期予想 過去最高　 PER
<7352> ＴＷＯＳＴ　　　 74.5　　 520　　　298　　　125　　　1001　　　445　76.8
<3915> テラスカイ　　　 56.5　　 565　　　361　　 23.1　　　1973　　 1603　24.0
<3697> ＳＨＩＦＴ　　　 30.5　　4555　　 3490　　 12.5　　 13500　　12000　40.8
<8923> トーセイ　　　　 28.7　 11830　　 9191　　　8.3　　 18800　　17364　 9.1 *
<7068> ＦフォースＧ　　 27.3　　 434　　　341　　 52.7　　　1781　　 1166　10.6
<3139> ラクトＪ　　　　 25.6　　1598　　 1272　　　6.5　　　4600　　 4320　10.8
<9168> ライズＣＧ　　　 19.0　　 639　　　537　　 18.8　　　2268　　 1909　13.2 *
<4439> 東名　　　　　　 16.3　　 976　　　839　　 21.1　　　2908　　 2401　14.9
<4825> ＷＮＩウェザ　　 16.2　　1472　　 1267　　 19.9　　　4200　　 3504　27.0
<2742> ハローズ　　　　 15.0　　3610　　 3139　　　0.5　　 12360　　12301　10.9

<6058> ベクトル　　　　 13.2　　3691　　 3261　　　8.4　　　8300　　 7655　 8.3
<8267> イオン　　　　　　8.6　122160　 112455　　　5.3　　250000　 237479　88.2
<8198> ＭＶ東海　　　　　7.5　　5186　　 4824　　　0.8　　 14200　　14084　10.3
<7373> アイドマＨＤ　　　5.6　　 794　　　752　　 15.5　　　2850　　 2468　15.7
<4413> ボードルア　　　　5.0　　 719　　　685　　 31.4　　　3234　　 2461　34.8 *
<3148> クリエイトＳ　　　4.5　　6137　　 5872　　　7.3　　 22400　　20882　13.5
<9252> ラストワンＭ　　　4.5　　 441　　　422　　 21.8　　　1100　　　903　14.5 *
<3991> ウォンテッド　　　4.1　　 485　　　466　　　0.1　　　1580　　 1579　11.4
<8233> 高島屋　　　　　　4.0　 18546　　17835　　　1.0　　 61000　　60396　 8.4
<3549> クスリアオキ　　　2.4　　7575　　 7400　　 27.4　　 25607　　20101　18.4

<2157> コシダカＨＤ　　　1.5　　4590　　 4521　　　5.5　　 11536　　10934　11.0
<9418> ＵＮＥＸＴ　　　　0.8　　8343　　 8277　　　5.9　　 30000　　28321　21.6
<3046> ＪＩＮＳＨＤ　　　0.8　　3219　　 3194　　 39.3　　 10771　　 7735　27.9
<3048> ビックカメラ　　　0.4　 11032　　10993　　　9.4　　 32000　　29241　15.1

※2024年1月以降に上場した企業、今期見通しを開示していない企業、12-2月期の営業損益が赤字だった企業は対象外とした。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

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