後場に注目すべき3つのポイント~米ハイテク株下落を受けて売り優勢の展開
11月1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅続落、米ハイテク株下落を受けて売り優勢の展開
・ドル・円は小じっかり、ドル買い継続
・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位は東エレク<8035>
■日経平均は大幅続落、米ハイテク株下落を受けて売り優勢の展開
日経平均は大幅続落。前日比884.72円安(-2.26%)の38196.53円(出来高概算9億9000万株)で前場の取引を終えている。
10月31日の米国株式市場は続落。ダウ平均は378.08ドル安の41763.46ドル、ナスダックは512.78ポイント安の18095.15で取引を終了した。コアPCE価格指数が予想を上回り、寄り付き後、下落。月末で雇用統計を控え調整売りに続落した。ソフトウエア会社のマイクロソフトやソーシャルメディアのフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズの下落が重しとなり、ナスダックは下げを加速。終盤にかけて、イランが対イスラエルの大規模報復攻撃を準備しているとの報道で中東情勢悪化懸念も売り材料となり終了。
米国市場でハイテク株が下落したことなどから、東京市場は売り優勢で取引を開始。為替が1ドル152円台前半と前日比で円高ドル安に振れたことなども影響して、日経平均は38500円台でスタートした後は下げ幅を拡大した。決算が嫌気されてレーザーテック<6920>、ソシオネクスト<6526>が急落するなど半導体株の下げが目立っている。前場のプライム市場の売買代金は2.2兆円と引き続き2兆円台を上回るなど商いは活発。
日経平均採用銘柄では、市場コンセンサスを大幅に下回ったことでレーザーテックがきつい下落となったほか、ソシオネクスト、富士通<6702>、ニコン<7731>、住友重<6302>も決算内容が嫌気されて売り優勢となった。また、フジクラ<5803>、古河電工<5801>など電線株も弱い。このほか、資生堂<4911>、ソフトバンクG<9984>、日本電気硝子<5214>、東京エレクトロン<8035>、JT<2914>などが売られた。
一方、決算が材料視されて三菱電機<6503>、パナHD<6752>の上げが目立ったほか、イオン<8267>との資本業務提携や株式分割などを発表した京成電鉄<9009>が大幅高。また、千葉銀行<8331>、りそなHD<8308>、しずおかFG<5831>、コンコルディア<7186>など銀行株はしっかり。このほか、ジェイテクト<6473>、日本ガイシ<5333>、ニチレイ<2871>、協和キリン<4151>などが買われた。
業種別では、非鉄金属、化学、空運、電気機器、輸送用機器などが下落した一方、銀行のみ上昇した。
今晩の米雇用統計発表や3連休を控えていることなどから、後場は積極的な売買が手控えられ、日経平均は安値圏でのもみ合いとなりそうだ。後場は、取引時間中に発表される決算銘柄中心の地合いを想定する。12時台には、カルビー<2229>、マブチ<6592>、13時台には旭化成<3407>、三菱ケミG<4188>、アオイ電子<6832>、SUBARU<7270>、14時台に三井物産<8031>などが予定されている。
■ドル・円は小じっかり、ドル買い継続
1日午前の東京市場でドル・円は小じっかりの値動きとなり、152円30銭台に浮上した。朝方は米10年債利回りの低下でドル売りが先行し、一時151円78銭まで下落。日経平均株価は前日比800円超安と大きく下げ、日本株安を嫌気した円買いも強まった。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は151円78銭から152円35銭、ユーロ・円は165円23銭から165円72銭、ユーロ・ドルは1.0875ドルから1.0888ドル。
■後場のチェック銘柄
・Sapeet<269A>、ジェイ・エスコム ホールディングス<3779>など、4銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位は東エレク<8035>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・中・10月財新製造業PMI:50.3(予想:49.7、9月:49.3)
【要人発言】
・関係筋
「イラン、イラク側から対イスラエルの大規模報復攻撃を準備」=アクシオス
<国内>
・特になし
<海外>
・16:30 スイス・10月消費者物価指数(前年比予想:+0.8%、9月:+0.8%)
《CS》
提供:フィスコ