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明日の株式相場に向けて=米長期金利と国内政局がアキレス腱に

 きょう(22日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比542円安の3万8411円と大幅続落。つい最近、日経平均はフシ目である4万円大台にワンタッチしたばかりだったが、大台を固める暇もなく、あっという間に3万9000円はおろか3万8000円大台攻防すら意識させる急転直下の弱気相場に転じた。

 前日21日の段階では相場は凪の状態と言ってよかったが、取引終了間際にマイナス圏に無理やり押し込まれたような大引けとなり、小幅安とはいえ引け味の悪さが残った。これによって前日の日経平均の日足はほぼ十字足となったのだが、厳密には寄り値を終値がわずかながら3円あまり下回る「陰線」となってしまった。そして、きょうは大陰線の部類といってもよく、今月8日を起点についに10連続陰線を示現した。日経平均の高安とは関係なく、陰線を引くということは取引後半に手仕舞い売りが優勢となることを意味する。株価が上昇していても、当該株を翌日に持ち越したくないという思いが強ければ、当然大引けまでに売りを出すことになる。したがって陰線形成は、株価の上下動に関係なく投資マインドがどちらかと言えば弱気方向に傾いていることを示唆する。

 この陰線が10営業日連続で続いているというのは、ちょっとした事件である。さかのぼること12年半前の2012年4月から5月にかけて記録した13連続陰線以来というから驚きである。暗示的ではあるが、当時の首相は民主党時代の野田佳彦氏であった。NYダウや独DAXなどが史上最高値を連日更新するような欧米株高に追随できず、持ち高調整の売りが続く東京市場は、日本固有の悪材料が意識されていることを物語っている。

 その悪材料が国内政局であることが、案の定というべきか顕在化してきた。27日日曜日に投開票が行われる衆院選では自民党の単独過半数割れまでは東京市場は織り込んでいたフシがある。だが「自公連立で過半数割れとなると、少なくともマーケット目線では全くと言っていいほど織り込まれていなかった」(ネット証券マーケットアナリスト)とする。しかし、足もとの世論調査では与党で獲得議席が過半数を確保できないという見方が急速に浮上し、海外投資家を中心とする狼狽的な売りが下げを助長する格好となった。狼狽的な売りといっても、海外投資家の短期的な売りの実態は、現物を売るというよりはAIアルゴリズム取引による機械的な先物売りに反映されやすい。そうしたなか、薄商いにも示されるように不透明感の強い地合いで買い向かう動きは限定的であり、仕掛け的な売り崩しの様相を呈し、日経平均は一時700円を超える急落に見舞われる羽目となった。

 自民党の解散前の議席数は258、公明党は32で合わせて290議席。衆議院の定数は465であるから、議席数を減らしても233議席を保持すれば政権交代はない。これまでは自民党だけで233議席は取れなくても、公明と合わせればさすがに過半数は維持できるであろうという見方が支配的だった。ところが足もとでは自公合算でも過半を割るという観測が浮上している。「時間とともに“つるべ落とし”で獲得議席予想の中央値が下がっている」(前出のアナリスト)という指摘がある。厄介なのは、もし与党で過半数を実際に維持できなかった場合、悪材料出尽くしとなることは考えにくく、不透明感から一段と売りに拍車がかかりかねない。ここは様子見を決め込むよりなさそうだ。

 片や11月5日に大統領選を控える米国ではトランプ前大統領がかなり優位に立っているという観測が強まっている。トランプ氏返り咲きとなれば株式市場的にはプラス要素も多いが、「米国債売りのゴールド買い」が一種のトランプトレードと化してきた。既に米10年債利回りは4%台に突入、早晩5%を超えるという見方も強い。歯車の回転方向が目まぐるしく変わるなか、為替は足もと再びドル高・円安方向に誘導されている。ところが、きょうの東京市場を見ての通り、「鉄壁のリスクオン材料」であるはずの円安がほとんどスルーされた状況だった。セオリーが機能しなくなった相場は、危険な匂いも漂う。

 あすのスケジュールでは、9月の全国スーパー売上高など。また、東証プライム市場に東京地下鉄<9023>(=東京メトロ)が新規上場、市場の注目度も高い。海外ではG20財務相・中央銀行総裁会議が24日までの日程で開催される。また、植田日銀総裁がIMF主催のイベントで登壇する。このほか、9月の米中古住宅販売件数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。このほか、カナダ中銀が政策金利を発表。タイ市場は休場。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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