SOLIZE Research Memo(10):業績変動の影響を受けない株主資本配当率を採用。減益予想の当期も増配計画
■株主還元策
SOLIZE<5871>は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、株主に対する利益還元を経営の最重要課題の1つと位置付けており、将来の事業展開のための内部留保を確保しつつ、安定的に配当を行うこととしている。このような基本方針のもと、株主資本配当率(DOE:Dividend on equity ratio)を採用し、年間の配当額は前期末の連結純資産の2.5%程度を目安としており、利益変動による配当への影響はない。
2023年12月期は1株当たり44.0円の配当を実施し、配当性向は34.9%であった。2024年12月期は、減益予想ながら期初の配当予想から変更はなく、株主資本配当率に基づいて1株当たり配当は47.0円と前期比3.0円の増配を見込む。その結果、配当性向は130.6%に上昇する見通しであり、2024年3月期にプライム・スタンダード・グロース市場に上場するサービス業平均の38.8%、全産業平均の32.6%を大きく上回る見通しだ。業績見通しにかかわらず、連結純資産の増加に伴い安定的に増配を続ける経営姿勢は評価できると弊社では考えている。特に2024年12月期は先行して投資を実施する時期となり、その投資が収益に転ずることを待てる配当利回りも出ている。なお、同社では大きな設備投資は必要なく、利益に応じて現金及び預金が積み上がっていくため、株主還元余力については懸念点が乏しい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
《HN》
提供:フィスコ