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3993 パークシャ

東証P
3,885円
前日比
-80
-2.02%
PTS
3,935円
23:51 12/11
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
46.4 3.74 3.21
時価総額 1,241億円
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倍騰・確変モードの兆、AIソリューション隠れ本命株「特選5銘柄」 <株探トップ特集>


―エヌビディア・エフェクト発現、AIソフトウェアに世界マネーのグレートローテーション始まる―

 東京株式市場は上値の重い展開で、週末18日は日経平均が朝高後に伸び悩み、一時はマイナス圏に沈む場面もあった。大引けはプラス圏で着地したものの、総じて3万9000円を割り込んだ水準でのもみ合いに終始した。NYダウが史上最高値圏を走る米国株市場と比べ出遅れ感が目立つ。欧州ではドイツの主要株価指数であるDAXが最高値を更新している。また、アジアでは中国・上海総合指数が直近は買い一巡感が出ているとはいえ、景気刺激策の発動を好感し、急激な底値離脱の動きを見せ話題となった。世界的な株高局面のなかで、しかも為替市場で円安のフォローウインドが吹いているにもかかわらず、東京市場が取り残されているのは想定外の展開ではある。だが、ここで焦りは禁物である。

●安いうちに拾うことが投資価値を高める

 株は安いうちに拾い、高いところで売るのが分かりやすい必勝の極意である。高値を追う形で買いを入れるよりは、全体相場が凪の状態にある時こそ買いを入れるチャンスと心得なければならない。そして今、米国を起点に新たなテーマ物色の波が再び東京市場に押し寄せようとしている。 生成AI市場の成長性が改めて確認されるなか、その周辺株に見直し機運が台頭しつつある。AI用半導体に対する爆発的な需要をフェーズ1とすれば、その半導体によるインフラ構築を経て、早晩フェーズ2であるソフトウェアの開発・実装段階へと移行する。株式市場でも投資テーマとしてAIソリューションにスポットライトが当たることは必然である。来年にかけてAI関連株の範疇にある銘柄群から新たな出世株を探す動きが顕在化しそうだ。

●エヌビディアをモンスター化させたGPU特需

 米国ではエヌビディア<NVDA>の株高トレンドが復活、17日は取引時間中に140ドル89セントまで上値を伸ばし、ついに上場来高値を更新した。時価総額は日本円換算で500兆円を上回り、時価総額世界首位のアップル<AAPL>に肉薄している。今から2年弱ほど時計の針を戻し2023年の年初までさかのぼると、当時のエヌビディアの株価は分割修正後株価でわずか14ドル台であった。つまり株価は2年弱で10倍、厳密には6月中旬に現在と同じ株価水準に到達していたので、1年半でテンバガー化したことになる。言うまでもなく、エヌビディアの時価総額をモンスター化させた背景には収益の変貌があり、その変貌をもたらしたのがAI用半導体の代名詞ともなったGPU(画像処理半導体)の爆発的な需要創出であったことは広く認知されている。

 GPUは3Dグラフィックスなどの画像描写に必要な同時並列的な演算処理を行うが、これは元来ゲーミング向け需要がメインとなっていた。しかし、これがAIに爆発的進化をもたらしたディープラーニング用として性能がマッチングし、生成AIの登場とともに加速度的に需要が高まった。また、GPU特需に連動して高速DRAM技術を代表するデバイスであるHBM(広帯域メモリー)にも高水準のニーズが発生。GPUがディープラーニングを実行している最中、それを一時的に記憶する役割を担うのがHBMであり、AI用半導体としてGPUとHBMはある意味セットで需要を獲得する構図となっている。

●半導体企業の業績を支配する生成AI

 半導体関連企業の決算発表が相次ぐなか、「生成AI向けが好調」というワードが随所に登場するが、これらはGPUやHBMなどのAI用半導体の製造にかかわる部分での需要が当該企業の収益に貢献しているという意味合いである。直近ではオランダの半導体製造装置大手ASML<ASML>の決算発表で受注の停滞が嫌気され、同社株にとどまらず半導体関連株全般に売りが波及し「ASMLショック」とも言われたが、これは内訳をみるとスマートフォンの販売不振が反映されたものであり、AI用半導体向けに限れば好調だった。

 また、その後に発表された台湾の半導体受託生産大手TSMC<TSM>決算も生成AI関連の需要が牽引し、大方の予想を上回る好調な内容及び見通しが好感され株価を上昇させた。国内では半導体精密加工装置大手のディスコ <6146> [東証P]の決算が17日に発表されたが、4~12月期の見通しについては、やはり生成AIが牽引する形で営業4割増益を見込んでいる。世界の半導体関連大手の収益環境を見渡せば、共通して生成AIが強力な成長の源泉となっていることは疑いがない。

 では、半導体関連企業の業績を強烈に押し上げている生成AIとは何か。米オープンAIがリリースした「チャットGPT」が代表的な位置付けとなっているが、これは第4次AI革命とも呼ばれるAIの進化を象徴したものではあるものの、あくまで断片図に過ぎない。生成AI技術を活用したサービスはまだ緒に就いた段階で、本領を発揮するのはこれからである。逆説的になるが、高性能半導体の需要創出は、それによって構築されたインフラをベースとしたソフトウェアの出番を促している。

●ノーベル賞が暗示するAIの新章突入

 くしくも今月上旬に発表されたノーベル物理学賞とノーベル化学賞は揃ってAIに関わる研究領域が対象となった。これは、AIを使ったソリューションが経済活動全般においても必須となることを示す歴史的メルクマールとなるかもしれない。株式市場ではAI関連というテーマでハードからソフトへの投資資金のグレートローテーションがいずれ顕現することが予想される。

 国内では今週15~18日に幕張メッセでIT見本市「CEATEC(シーテック)2024」が開催されたが、ここでもAIとその周辺技術が中核をなした。AIがテーマとして前面に押し出される形で出展数も大幅な伸びを示しており、基調講演を行った電子情報技術産業協会(JEITA)の津賀会長がいみじくも述べた「社会課題を解決するための活用」が求められる時代となったことを強く示唆している。今回のトップ特集では、AIソリューションの担い手として高い成長性を宿し、中期で2倍以上の株価上昇余地が見込まれる有望株を5銘柄厳選エントリーした。

●中期で株価倍増の期待を内包する5銘柄

◎アドバンスト・メディア <3773> [東証G]

 AMIは独自の 音声認識技術「AmiVoice(アミボイス)」をコアとした法人向け業務支援システム・サービスの開発・提供を手掛ける。コンタクトセンター向けや医療業界向け、議事録作成(文字起こし)関連の需要を開拓し収益の飛躍的な伸びに結実させている。アミボイスは言語に極めて自然に対応できる世界首位級の音声認識技術を搭載、ヒューマンインターフェースにおける要衝を担う。

 生成AIを活用したサービスにも注力し、アミボイスとの連携によって機能の最適化を図っている。なお、シーテック2024ではAI音声対話アバターや電話対応を自動化するボイスボット、開発向け音声認識APIなどを出展している。業績はトップライン・利益ともに過去最高更新基調が続いており、25年3月期売上高は前期比17%増の70億円、営業利益は同8%増の14億7000万円を予想。

 PERは14倍近辺まで低下してきたが、26年3月期以降も大幅な増収増益基調が続く公算大で、株価も大きく見直されそうだ。今年1月に2060円の年初来高値をつけた後、一貫して水準を切り下げてきたが、時価は底値を拾う絶好のチャンス。大勢トレンド転換すれば、遅かれ早かれ年初来高値水準までの全値戻しの達成は可能だ。

◎PKSHA Technology <3993> [東証P]

 パークシャはAI分野に特化したベンチャーの先駆けとして早くから脚光を浴びる存在で、自然言語処理や画像認識などを強みに企業へのソリューション提供で実績を積み上げてきた。ディープラーニングを活用して業務効率化を実現するアルゴリズムモジュールと、アルゴリズムソフトウェアの開発を主力に、生成AI市場の急拡大に連動する形で急成長路線をまい進する。

 実力の証として大企業との連携も注目され、同社の上位株主となっているトヨタ自動車 <7203> [東証P]とは自動運転分野をはじめとするイノベーションへの取り組みで強力なパートナー関係を築いている。23年9月期は売上高が前の期比21%増の139億800万円、営業利益は同10%増の17億1900万円といずれも過去最高を更新。IFRSに移行する24年9月期は営業利益予想など非開示だが、実質大幅増益基調が維持される見通しだ。

 9月下旬には東証スタンダード市場からプライム市場への上場区分変更となり、インデックスファンドの継続的な買いも想定されるなか、株価は底値圏からの戻り足を本格化させることが予想される。時価3500円近辺は、2月末につけた年初来高値6850円のほぼ半値水準にあり、中長期視野で絶好の買い場と判断される。

◎ABEJA <5574> [東証G]

 ABEJAは独自開発のAIプラットフォームを活用し、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援ビジネスを展開している。ディープラーニング基盤を活用し、既に300社を超えるサービス提供実績を誇る。プラットフォームにはエヌビディアのクラウドネイティブなマイクロサービスセット「NIM」を搭載し、生成AIの正確性向上及び高速化を実現する。

 国策として支援するAI技術分野のプロジェクトでも実力をいかんなく発揮しており、今月10日には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「競争力ある生成AI基盤モデルの開発(助成)」に採択されたことを開示している。足もとの業績は利益面では苦戦を強いられており、同日発表された25年8月期の営業利益は前期比24%減の2億2000万円予想と前期に続く大幅減益を見込むが、これは先行投資負担によるもの。トップラインは同18%増の32億6000万円と過去最高を更新する見通しにあり、将来的な成長への期待は色褪せていない。

 株価は2000円近辺を軸とする底値圏もみ合いが続いているが、売り物を相応にこなした状態で、早晩上放れる可能性がある。3000円台近辺までは累積売買代金も少なく、戻り売り圧力は限定的で上げ足は速そうだ。

◎pluszero <5132> [東証G]

 プラスゼロはAI技術を活用したソリューションを提供し、顧客企業の課題発見から開発・提供・運用に至るまでワンストップで対応する。対話システムの構築に傾注し、人間同様に本質的な言葉の意味を理解するAIという概念を「AEI」と命名、この研究と実装に継続的に経営資源を注いでいる。特定ジャンルにおいて、AIが対話相手や利用者の利用可能語彙に応じた言い換えを行う「仮想人材派遣」で特許を取得しており、同サービスは、コールセンター向けなどで需要基盤を獲得している。

 自社においても組織強化と要員増強及び人材育成に力を入れ、成長戦略に前向きに取り組んでいる。業績は売上高・利益ともに急成長トレンドを維持、営業利益は23年10月期の28%増益に続き、24年10月期も同じく前期比28%増益となる2億800万円を見込んでいる。加えて、25年10月期以降は利益率の向上に伴い伸びが一段と加速する可能性が高い。

 株価は8月5日の全体相場暴落に巻き込まれたが、その後はバランスを取り戻し9月26日には2595円の戻り高値を形成した。その後調整したものの、時価は売り物が枯れつつあり反騰待ち。中長期スタンスで3000円台後半の青空圏を目指す展開に。

◎ファーストアカウンティング <5588> [東証G]

 ファーストAは昨年9月に東証グロース市場に新規上場したニューフェースで、会計分野に特化したAIエンジンの開発・提供を手掛け、企業の経理業務効率化ニーズを取り込んでいる。経理業務AIモジュールでカスタマイズが可能な「Robota」シリーズやERPやワークフローと連携できる請求書処理プラットフォーム「Remota」などをクラウドサービス(SaaS型)で提供。また、生成AIの自社開発も進めている。 ERP最大手のSAPがアライアンスパートナーとなったことで営業展開力が増幅されている。

 業績は大企業向け新規開拓が好調に推移し、トップラインの伸びが際立つ。24年12月期売上高は前期比34%増の16億5300万円を見込み、これは創業当初の18年12月期の35倍の水準。営業損益は前期から黒字化し、24年12月期は前期比33%増の1億6700万円を見込んでいる。

 株価は今年3月4日に上場後の高値である1862円50銭(株式分割後修正値)を形成、時価はそこから4割強もディスカウントされた水準にあるが、成長力を考慮すれば、高値奪回は比較的早い段階で視野に入りそうだ。

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