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安心安全な社会を強力サポート、活躍本番の「防犯関連株」急上昇へ <株探トップ特集>


―またしても強盗事件相次ぐ、関連銘柄には業績・株主還元面で妙味ある銘柄も―

 防犯の重要性が一段と増している。昨年に発生した広域強盗事件がまだ記憶に新しいところだが、ここにきて再び強盗事件が多発。個人での自衛策はもちろん、社会全体で安心安全な暮らしを守るために犯罪防止の取り組みが欠かせない。株式市場には防犯の取り組みに寄与する事業を展開している企業が数多く上場している。 警備会社や監視カメラを手掛ける企業などだ。相次ぐ凶悪事件を背景に人々の「体感治安」が悪化するなか、これら企業の役割はますます大きくなっていくことだろう。

●犯罪件数は増加傾向に

 首都圏で強盗事件が相次いでいる。8月以降、質店や中古ブランド店を狙った事件が神奈川、千葉で発生。東京や埼玉では民家に男らが押し入り、住民に怪我をさせて金品を奪う事件が複数起きている。いずれも犯罪行為を行うことで報酬を得る「闇バイト」が関係しているとされ、その背後にはSNS上で実行犯を集め、匿名性の高い通信手段で指示を出すなどして実態を隠す「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の存在があるとみられている。

 警察庁が毎年公表する「犯罪情勢」によると、2023年の犯罪認知件数は前年比17%増の約70万3000件と、戦後最少だった21年(約56万8000件)から2年連続で増加した。内訳をみると全体に占める割合が大きい街頭犯罪とともに、強盗を含む侵入犯罪の伸びが全体を押し上げる格好となっている。同統計では人々が感覚的に感じる治安を意味する「体感治安」に関するアンケート調査の結果も示されており、「ここ10年で日本の治安が良くなったと思うか」との質問に対し、「悪くなった」「どちらかといえば悪くなった」との回答が71.9%にのぼった。この割合も前年の22年(67.1%)、その前の年の21年(64.1%)から増加傾向にある。

 こうしたなか、株式投資の観点から 防犯関連株に目を向けたい。22~23年に「ルフィ」を名乗る男らによる広域強盗事件が社会を震撼させたが、この際に関連銘柄が投資家の関心を集める場面があった。ここ数年こうした強盗事件をはじめ、電車内での無差別刺傷事件や政治家への襲撃事件といった凶悪犯罪が次々と発生した。前述の体感治安に関する調査が示すように人々の不安感は高まっており、関連銘柄の活躍に期待がかかる。

●連続増配の警備大手2社

 防犯関連株として、まず押さえておきたいのが警備会社だ。業界最大手のセコム <9735> [東証P]は個人向けに家庭用安全システム「セコム・ホームセキュリティ」をはじめ、各種防犯商品・サービスから防災対策、高齢者見守りサービスまで幅広く提供。法人向けにも各種警備サービスや関連商品を提供している。前24年3月期はセキュリティーシステムや安全商品の売り上げが伸び、M&A効果も寄与して売上高、純利益とも過去最高を更新。今期も引き続き増収を見込む一方、利益面では人材確保に向けた費用増が重しとなる見通し。配当は4期連続の増配(株式分割考慮ベース)を計画する。

 同業大手のALSOK <2331> [東証P]も個人、法人向けに多様なサービスを手掛けている。犯罪認知件数の増加や体感治安の悪化を背景に着実なニーズを取り込み、前24年3月期は売上高、純利益とも増加して着地。今期も成長を見込むものの第1四半期時点で増収減益にあり、今後の推移を見守りたい。配当は13期連続の増配(株式分割考慮ベース)を計画し、株主還元には手厚い。足もとの株価は年初来高値圏で推移している。

 大手2社以外ではJR東系のセントラル警備保障 <9740> [東証P]、セコムグループで関西地盤の東洋テック <9686> [東証S]に加え、セコムと提携しているトスネット <4754> [東証S]や共栄セキュリティーサービス <7058> [東証S]がある。警備事業も手掛けているビル管理会社のアール・エス・シー <4664> [東証S]も挙げられる。

●買い安心感あるセキュア、あいHD

  監視カメラの販売や関連システムを手掛ける企業も見逃せない。主力どころは大手電機メーカーが中心となるが、投資家の視線を集めやすい銘柄ではセーフィー <4375> [東証G]、セキュア <4264> [東証G]、あい ホールディングス <3076> [東証P]が挙げられる。

 セーフィーは監視カメラのクラウド型映像プラットフォームを手掛ける。カメラの映像をパソコンやスマートフォンから確認できるサービスで、飲食店や商業施設、病院、工事現場など幅広い分野に提供している。業績は投資先行型で赤字が続いているが、売上高の伸びは顕著だ。24年12月期は前期比2割増収と連続での過去最高更新を見込む。

 セキュアも同じく監視カメラシステムを手掛けるが、こちらは業績面で買い安心感がある。企業のセキュリティー需要を着実に取り込み、売上高はもちろん、利益面でも成長路線を突き進んでいる。24年12月期の営業利益は前期比60%増の3億円を予想。上期時点(2億3800万円)で対通期進捗率は8割近くにのぼる。業績上方修正への期待が膨らむ。

 あいHDは監視カメラをはじめとするセキュリティー機器を主力に、事務用機器や情報機器などの販売を手掛ける。同社も業績好調だ。主力のセキュリティー機器がマンションや法人向けで伸び、前24年6月期は営業最高益を達成。今期も増益を見込む。足もと配当利回りは3%台後半と株主還元の面からも投資妙味がある。

 また、放送・音響システム大手で監視カメラや周辺機器も展開するTOA <6809> [東証P]、監視カメラの開発販売を手掛けるダイワ通信 <7116> [東証S]、レンズメーカー大手のタムロン <7740> [東証P]、監視カメラ用半導体を開発するテックポイント・インク <6697> [東証G]にも注目。このほか、防犯関連に位置づけられる銘柄としてインターホンのアイホン <6718> [東証P]、シャッターの三和ホールディングス <5929> [東証P]、文化シヤッター <5930> [東証P]などもマークしたい。

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