【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 女性社長の経営力に期待!新しい時代の風が吹く
株式アドバイザー 北浜流一郎
「女性社長の経営力に期待!新しい時代の風が吹く」
●米国で初の女性大統領誕生なら市場は歓迎へ
米国の大統領選挙で勝者となるのは、ハリス副大統領か、トランプ前大統領か? 米国民だけでなく、われわれにとっても大きな関心事であり、どちらが有利なのか、報道や調査会社の世論調査が気になる日々だ。だが、11月5日の投開票日にここまで迫っても、どちらが勝利するかは見極め難く、「日本の総理ではないのだから、どちらが選ばれてもいいや……」と思考停止してしまいそうになる。しかし、もしハリス氏になれば米国史上初の女性大統領となり、米国はもちろん、世界も新たな時代に突入する可能性がある。
それがどんな時代になるかは分からない。しかし、株式市場は大歓迎する可能性が高いとは思う。なぜなら、マーケットは基本的に新しいものが好きだからだ。そのため、初の女性大統領の誕生を好感して、株式市場は上昇を続けるだろうと私は見ているし、期待もしている。実は、日本でも女性首相が誕生する可能性があった。高市早苗氏が自民党の総裁選で勝利にあと一歩まで迫った。
しかし、結果は石破首相の誕生。日本初の女性総理の誕生とはならなかったが、企業、それも上場企業の中には女性が社長の企業が10社以上ある。女性が社長という理由で、企業経営が順調だったり、そうではなかったりすることはない。しかし、女性だからこその感覚が経営に活かされることはあるだろう。社員たちとの交流もうまく行きやすいかもしれない。もちろん、そうであったとしても、収益を上げられなければ経営トップの座にふさわしくない。
●ミダック、ステラケミ、竹本容器など女性社長企業に注目
しかし、優れた女性社長が率いる企業は多く存在する。ここでは投資対象とするのにふさわしい、そんな企業に注目したい。
まずは産業廃棄物処理事業大手のミダックホールディングス <6564> [東証P]だ。上場企業の社長は4000人近くになるが、その中でも税務の詳しさでトップグループに入るといえるのがミダックの加藤恵子社長。税理士としてミダックの税務を担当、その能力を評価されて経営を担うことに。企業価値向上経営に詳しく、東海地域の産業廃棄物処理業者として異例なほどの成長を続けている。株価は一時低迷していたがいまは完全に立ち直り、上昇トレンドを継続中だ。
フッ素化合物を中心とした高純度薬品で世界首位のステラ ケミファ <4109> [東証P]を率いるのは橋本亜希社長。フッ素中心にホウ素系薬剤も加え、時代の先端分野で他社の追随を許さぬ製品を開発、最近ではリチウムイオン二次電池の劣化を抑制する電界液添加剤を開発した。株価は高値圏ながら続伸の確率は高いと見てよい。
化粧品や食品向けなどのプラスチック容器に強い竹本容器 <4248> [東証S]の経営トップは竹本笑子社長だ。彼女の場合、お名前が「笑子」なので、社員はもちろん、ステークホルダー、そして私も、笑顔を期待する。ご本人にとっては迷惑この上ないだろうが……。で、実際はどうなのか。笑顔が素敵この上なく、業績を問うのを忘れそうになるが、業績は好調そのものだ。化粧品向け容器の需要が好調で、国内だけでなくインドでの展開も拡大中。株価はスローペースながら続伸が見込める。
プラスチック射出成形品取り出しロボットで世界首位のユーシン精機 <6482> [東証S]を率いるのは小谷高代社長。堅実経営を貫き、設備投資関連機器メーカーとしては珍しく無借金経営を貫いている。欧州ではスウェーデンに拠点を置き、販路の拡大に積極的。株価はいまのところ低空飛行中ながら、そろそろ見直されてもおかしくないところだ。
最後は、躍進が続くGENDA <9166> [東証G]になる。新宿など都心を中心にアミューズメント施設「GiGO」を展開、M&Aにより関連事業を次々とグループ化し、成長を続けている。社長は申真衣氏。東京大学経済学部卒、ゴールドマン・サックス証券を経てGENDA取締役から社長へ。ファッション雑誌でモデルを勤めるとともに、テレビ東京では彼女が女性アナウンサーとダブルMCを勤める番組もある。いわゆるキャラがたち過ぎの感もあるが、肝心のGENDAの業績は伸び続けていて順調この上ない。足もとの株価は調整中であり、拾っておきたい水準だ。
ここは、女性社長たちの経営力に期待だ。
2024年10月11日 記
株探ニュース