欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、円買い先行も米緩和ペースを見極め
8日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。中東情勢の不透明化でリスク回避の円買いが主要通貨を下押しする見通し。ただ、今後の米利下げペースは緩慢になるとの見方から、過度なドル売りは抑制されるだろう。
前週末に発表された雇用統計は想定外に強く、米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和ペースは鈍化するとの見方が浮上。金利高・ドル高に振れ、ユーロ・ドルは1.0960ドル台に値を下げた。一方、イスラエルによるイランへの報復が警戒した株安・円高でドル・円は147円80銭台に、ユーロ・円は162円20銭台に値を下げた。本日アジア市場は序盤からリスク回避ムードが広がり、円買い主導で147円50銭台に軟化した。
この後の海外市場は中東情勢にらみ。イスラエルのネタニヤフ首相はイランによるミサイル攻撃に対する報復を明言し、中東全体の緊張を受け安全通貨のドルや円、スイスフランが選好される地合いに。原油相場の強含みで資源国通貨も注目されるが、リスク回避の円買いが主要通貨を押し下げる展開に。一方、日銀は金融正常化の姿勢を崩していないものの、追加利上げに時間を要するとみられ、過度な円買いを抑えるとみる。
【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・8月貿易収支(予想:-705億ドル、7月:-788億ドル)
・21:30 カナダ・8月貿易収支(予想:-5億加ドル、7月:+6.8億加ドル)
・01:45 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演(経済見通し)
・02:00 米財務省・3年債入札
・05:00 コリンズ米ボストン連銀総裁講演(地域金融機関会合)
《CS》
提供:フィスコ