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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):北興化、ウエルシア、トーセイ

北興化 <日足> 「株探」多機能チャートより
■北興化学工業 <4992>  1,255円  -89 円 (-6.6%)  本日終値
 北興化学工業<4992>が大幅続落。7日の取引終了後に発表した第3四半期累計(23年12月~24年8月)連結決算が、売上高392億6100万円(前年同期比2.9%増)、営業利益44億6800万円(同7.7%減)、純利益37億800万円(同2.3%増)と営業減益となったことが嫌気された。国内販売が堅調に推移したことや、海外販売が中南米・韓国向けを中心に増加し、円安も寄与したことから農業事業が好調だった。ただ、ファインケミカル事業の中国子会社の主力品目である石化用触媒(TPP)の価格競争の影響や物流費の増加、人的資本投資などの費用がかさみ減益を余儀なくされた。なお、24年11月期通期業績予想は、売上高460億円(前期比1.7%増)、営業利益41億2000万円(同6.7%減)、純利益34億5000万円(同7.3%減)の従来見通しを据え置いている。同時に上限を100万株(発行済み株数の3.69%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は10月8日から来年10月7日までで、これにより取得した自社株は消却を予定しているという。

■ウエルシア <3141>  1,932.5円  -136 円 (-6.6%)  本日終値  東証プライム 下落率9位
 ウエルシアホールディングス<3141>が大幅反落。7日の取引終了後、25年2月期の連結業績予想について、営業利益を470億円から340億円(前期比21.4%減)へ、純利益を270億円から190億円(同28.2%減)へ下方修正し増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。たばこの販売終了やポイントサービスの変更、人的資本の充実に向けた賃上げの実施などに対して、店舗力の強化やPB商品の開発及び販売拡大、更にはカウンセリング営業の強化などに取り組み、売上高は1兆2870億円から1兆2950億円(同6.4%増)へ上方修正したが、物販の伸び悩みや人材への積極的な投資などが利益を圧迫する。同時に発表した第2四半期累計(3~8月)決算は、売上高6305億8500万円(前年同期比3.2%増)、営業利益188億8200万円(同23.7%減)、純利益117億1600万円(同27.8%減)だった。

■トーセイ <8923>  2,347円  -115 円 (-4.7%)  本日終値
 トーセイ<8923>が反落。7日の取引終了後、24年11月期の連結業績予想について、営業利益を177億200万円から181億8700万円(前期比11.9%増)へ、純利益を112億900万円から117億2300万円(同11.6%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を73円から77円(前期66円)へ引き上げたが、上方修正は織り込み済みとの見方が強いようだ。不動産再生事業の販売計画を一部見直し、戦略的に物件販売時期を翌期以降に変更したことで売上高は921億1600万円から819億2100万円(同3.1%増)へ下方修正したものの、不動産再生事業で期初予想より高い利益率での物件販売が実現したことや、運営ホテルの稼働率や平均客室単価が好調に推移し、ホテル事業の業績が期初予想を上回って推移したことなどが利益を押し上げる。同時に発表した第3四半期累計(23年12月~24年8月)決算は、売上高694億1900万円(前年同期比4.1%増)、営業利益170億5500万円(同18.0%増)、純利益112億3400万円(同20.0%増)だった。

■クリエイトS <3148>  3,100円  -140 円 (-4.3%)  本日終値
 クリエイトSDホールディングス<3148>は反落。7日の取引終了後に発表した第1四半期(6~8月)連結決算は、売上高1138億9800万円(前年同期比9.4%増)、営業利益52億8400万円(同10.7%増)、純利益34億2500万円(同4.0%増)と2ケタ営業増益となったが、材料出尽くし感から売られたようだ。主力のドラッグストア事業で、EDLP(エブリデイ・ロープライス)施策の継続推進により既存店売上高が前年を上回った。また、調剤併設店舗数の増加やコロナなど急性期処方の増加により、処方箋応需枚数及び処方箋単価が堅調に推移した。ドラッグストアの新規出店は10店舗で、調剤薬局はドラッグストア併設調剤薬局を6店舗開局した。なお、25年5月期通期業績予想は、売上高4576億円(前期比8.4%増)、営業利益220億円(同8.8%増)、純利益144億円(同5.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■ユー・エス・エス <4732>  1,345.5円  -44.5 円 (-3.2%)  本日終値
 ユー・エス・エス<4732>は3日ぶり反落。7日の取引終了後、株式の売り出しに関する決議を行ったと発表。株式需給へのネガティブな影響を警戒した売りが出たようだ。野村信託銀行を売り出し人として、1460万8700株を売り出す予定。上限219万1300株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う。売出価格は16日から22日までのいずれかの日に決める。あわせてUSSは取得総数1000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.08%)、取得総額100億円を上限とする自社株買いも発表した。株主還元の強化や資本効率性の更なる向上を図るほか、売り出しによる需給への影響を緩和することも狙う。

■マースGHD <6419>  3,245円  -100 円 (-3.0%)  本日終値
 マースグループホールディングス<6419>が続落。7日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、純利益を86億円から82億円(前期比4.5%減)へ下方修正し、増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。保有する投資有価証券の一部について、取得価額に比べて時価が著しく下落したため、減損処理による投資有価証券評価損9億6500万円を特別損失として計上するという。一方、売上高は370億円から418億円(同14.3%増)、営業利益は117億円から122億円(同4.3%増)へ上方修正した。アミューズメント関連事業の主な販売先であるパチンコ業界でスマート遊技機の導入が活発化したことに加え、24年7月発行の新紙幣の対応に伴い、パチンコホールにおける周辺設備の更新需要が好調に推移した。

■村田製作所 <6981>  2,792.5円  -58.5 円 (-2.1%)  本日終値
 村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>など電子部品株が安い。前日の米国株市場ではスマートフォン大手のアップル<AAPL>が2.3%安に売られた。最新機種「iPhone16」の販売低調を背景にアナリストによる投資判断引き下げの動きが嫌気されたもので、東京市場でもアップルの有力サプライヤーである村田製をはじめとする電子部品株に連想売りが波及する格好となった。足もとでドル・円相場が1ドル=148円台を割り込むなど円高方向に押し戻されていることも見送りムードを助長している。

■コーディア <190A>  359円  +76 円 (+26.9%) 一時ストップ高   本日終値
 Chordia Therapeutics<190A>が急反発。スウェーデンのカロリンスカ研究所が現地時間7日、24年のノーベル生理学・医学賞を「マイクロRNAとその転写後遺伝子制御の仕組みの発見」の功績により、米マサチューセッツ大学のビクター・アンブロス教授と米ハーバード大学のゲイリー・ラブカン教授に授与すると発表した。両氏は、マイクロRNAが生物の遺伝子の働きを調節する仕組みを発見したことから、RNA制御ストレスを標的とするがん治療薬を開発する同社に、思惑が働いているようだ。

■多摩川ホールディングス <6838>  876円  +150 円 (+20.7%) ストップ高   本日終値
 多摩川ホールディングス<6838>が全体相場に逆行し急騰。電子・通信用機器と再生エネルギー事業を二本柱とするが、光関連や高速信号処理装置で実績が高く、今後の注力分野として量子暗号通信向け開発への取り組みを加速する方針にある。今年6月上旬には産官学連携による研究開発推進戦略の提言などを行う量子ICTフォーラムへ入会したことを開示している。直近、総務省が2025年にも量子暗号通信の実用化支援を開始すると伝わるなか、同社の活躍機会が高まるとの思惑が投資マネーを引き寄せている。足もとの業績は低迷しているものの、長期トレンドで底値圏にある時価は売り物も枯れた状態にあった。

■イメージ情報開発 <3803>  543円  +80 円 (+17.3%) ストップ高   本日終値
 イメージ情報開発<3803>がストップ高。7日の取引終了後、同社と子会社のイメージ情報システムが、ラック<3857>やオールワークス(東京都台東区)と共同で進めるスマートシティ・スーパーシティ向け事業のシステム開発に関し、旭川市での積雪情報監視・通報システムのサービス提供開始が決まったと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。サービスは年度内に提供を始める予定で、今後の事業計画については改めて公表する方針。今期の業績への影響は軽微としている。

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