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株価指数先物【寄り前】 +1σと+2σとのレンジに移行


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39560 +1000 (+2.59%)
TOPIX先物 2753.0 +62.5 (+2.32%)
シカゴ日経平均先物 39625 +1065
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 4日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。9月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比25万4000人増加となり、市場予想(15万人増程度)を大きく上回った。次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測が後退する一方で、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まった。

 また、イランのミサイル攻撃に対する報復として、イスラエルによる石油施設や核関連施設への攻撃が警戒されているが、バイデン米大統領が「これらの施設への攻撃を控えるよう求める」との見解を示したことで買い戻しの動きが強まった。そのほか、米東海岸などの港湾ストライキが終結し、サプライチェーン混乱の長期化が避けられたことも買い安心感につながったとみられる。S&P500業種別指数は自動車・同部品、銀行、半導体・同製造装置が上昇した半面、不動産、家庭用品・パーソナル用品、電気通信サービスが下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比1065円高の3万9625円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比10円高の3万8570円で始まり、寄り付きを安値に上げ幅を広げ、中盤にかけて日中に付けた高値(3万8810円)を捉えた。さらに米雇用統計の発表直後には一気に3万9500円まで急伸。買い一巡後は3万9260円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、利食いをこなしつつ終盤にかけて上げ幅を広げており、一時3万9640円まで買われ、3万9560円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップアップで始まりそうだ。日経平均株価とのカイ離が大きく開いたことで、朝方は裁定買いが集中しやすく、指数インパクトの大きい値がさハイテク株など日経平均型優勢の動きになりそうだ。また、ナイトセッションでは足もとで心理的な抵抗線として意識されていたボリンジャーバンドの+1σ(3万8700円)水準を明確に上放れ、+2σ(3万9920円)に接近したことで、ショートカバーが強まるだろう。

 米国で予想を上回る経済指標が相次ぐなか、次回のFOMCで通常の2倍となる0.5%の利下げ期待は後退した。今週は9日にFOMC議事要旨が公表されるほか、10日には9月の米消費者物価指数(CPI)、11日には米卸売物価指数(PPI)の発表が予定されている。インフレ鈍化を示すと予測されるなか、11月、12月のFOMCでは0.25%ずつの利下げがコンセンサスになる。一方、国内では石破首相の発言によって追加利上げ観測は後退し、日米金利差を狙った海外投資家の動きへの思惑からロングに傾きやすい需給状況といえそうだ。

 ナイトセッションで大きく変動をみせた半面、日中取引ではリバランス一巡後に膠着感が強まる可能性はありそうだが、押し目狙いのスタンスで対応したい。+1σと+2σによるレンジが意識されるとみられ、目先的にはオプション権利行使価格の3万9375円から3万9875円での推移を想定する。+2σを明確に上放れてくる局面では、9月27日に付けた直近戻り高値の3万9900円を突破してくることになるため、7月中旬以来となる4万円回復が強く意識されるだろう。

 なお、中東情勢に振られやすい面があるため、関連する報道をきっかけとしたアルゴリズム発動には注意しておく必要がありそうだ。4日の米VIX指数は19.21(前日は20.49)に低下した。先週は地政学リスクが警戒されて3日に一時20.75まで上昇する場面もみられ、不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を超えてきた。ひとまず20.00を下回ってきたが、慎重姿勢は崩せないところである。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。本日は指数インパクトの大きい値がさ株が牽引する形で日経平均型優位になりそうだ。ただし、円相場が1ドル=149円台と円安に振れて推移しており、輸出関連株などへの物色も強まりやすく、その後は相対的にTOPIX型優位の展開になる可能性がありそうだ。

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