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3082 きちりホールディングス

東証S
909円
前日比
+1
+0.11%
PTS
908.8円
14:55 11/14
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.9 5.80 0.83 4.28
時価総額 103億円
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きちりHD Research Memo(2):都市型ダイニング業態とモール・郊外型レストラン業態を展開する外食企業


■きちりホールディングス<3082>の事業概要

1. 事業内容
同社は自社開発した業態による飲食事業(売上構成比9割以上)を主に直営で展開しているほか、採用の効率化を実現するDX事業、ふるさと納税支援業務等を提供する地方創生事業を行っている。2019年1月に機動的な事業運営を行う体制を構築するため持株会社体制に移行しており、2019年6月期より連結業績での開示を開始した。2024年6月末時点の連結対象子会社は、既存事業を承継した(株)KICHIRIのほか、オンライン面接代行サービス「Interview Cloud」や録画型Web選考システム「ApplyNow」などのクラウド型サービスの開発・販売、導入支援を行う(株)ApplyNow、デジタルマーケティングを行う(株)Webryday(2024年7月1日付でApplyNowに吸収合併)、国内で「Plataran」ブランドの飲食事業を行う(株)ユニゾン・ブルー、インドネシアで「いしがまやハンバーグ」や「CHAVATY」の展開を行うPT KICHIRI RIZKI ABADIの5社となるが、売上高の大半はKICHIRIで占められる。

(1) 飲食事業
飲食事業では主に「KICHIRI」を中心とした都市型ダイニング業態、ハンバーグ専門店「いしがまやハンバーグ」や韓国料理専門店「VEGEGO」などを中心としたモール・郊外型のレストラン業態やカフェ・テイクアウト業態などを自社開発して展開しており、2024年6月末時点の店舗数は136店舗となっている。コロナ禍の影響が一段落した2022年6月期以降は客足の回復が早かったモール・郊外型レストラン業態を中心に出店を拡大し、2024年6月期末では同業態の店舗数が61店舗と都市型ダイニング業態の54店舗を上回り、全体の5割弱を占めるまでになっている。

主力業態である「KICHIRI」は、関西圏と首都圏で38店舗を展開している。女性客を主なターゲットに、高品質な料理とおしゃれ感を演出した店舗づくり、「おもてなし」の接客を重視した店舗運営が特徴で、2002年に第1号店を神戸に出店し、関西圏で高い支持を獲得したあと、2006年に首都圏へ進出を果たした。出店場所の条件は、乗降客数で1日2万人を超える主要駅隣接施設で建物の空中階としている。関西圏では平均客単価で3,000円台と比較的低価格帯で20~30代の若者客をターゲットとした「Casual Dining KICHIRI」(29店舗)を展開しており、首都圏では平均客単価5,000円前後で企業の接待ニーズにも対応可能な「新日本様式KICHIRI」(7店舗)を展開している。

2010年に首都圏で初出店した「いしがまやハンバーグ」は、契約農場から厳選仕入れした高品質な牛肉を100%使用した人気のハンバーグ専門店で、高収益業態となっている。平均客単価は2,000円台とやや高めではあるものの集客力が高いことから「ららぽーと」等の大型ショッピングモールを中心に出店を拡大しており、2024年6月末時点で直営店舗数は29店舗(ほかFC店舗で国内3店舗、海外1店舗)となっている。2018年に新宿に初出店した「VEGEGO」は韓国料理専門店で、ご飯・麺、肉料理、スープ等を複数の種類から選ぶことができ、惣菜も日替わりでメニューが変わるなどオーダーメイド型の店舗となっている。平均顧客単価も1,500円程度と手頃なことから女性客を中心に人気で、2024年6月末の店舗数は15店舗とここ2?3年で最も店舗数が増加した業態である。集客力が高いことに加えて、居抜き出店が可能なため出店準備期間が短く初期投資額も抑えられることから、「いしがまやハンバーグ」と同様に高い収益力を実現している※。さらに2021年には焼肉専門店「肉の満牛萬」を初出店し、2022年には2号店として同社では初となるロードサイド型店舗での出店を果たした。客足は好調でロードサイド型店舗での運営ノウハウを蓄積し今後の展開に備える。

※ 2023年6月期までの実績で見ると、「VEGEGO」の居抜き出店率は71%となっており、出店準備期間は新規出店が約12ヶ月かかるのに対して約3ヶ月、同様に初期投資額は55百万円に対して19百万円に抑えることが可能となっている。

(2) その他事業
2024年6月期からはふるさと納税寄付に関する業務(返礼品提供事業者への対応や返礼品代・送料の支払い代行、各種プロモーション等)の受託サービスを開始している。そのほか、子会社のApplyNowで採用DX事業を展開している。自社開発したオンライン面接代行サービス「Interview Cloud」のほか、録画動画による応募・選考サービス「ApplyNow」、電子雇用契約サービス「ApplyNow Sign」などを開発し、企業や自治体などに販売している。現状、開発費を除けば収益化を実現している。主力サービスは「Interview Cloud」であり、料金体系は導入時の初期費用のほか従量課金制(1面接当たり980円?)となっている。24時間、365日対応が可能なほか応募者自身で面接日程の設定ができるなど、利便性やコスト面で競合サービスより優れているのが特徴であり、アルバイトの採用コストを抑えたい企業などに導入が進んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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