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話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、セブン&アイ、カドカワ

■トヨタ自動車 <7203>  2,422円  -77.5 円 (-3.1%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>やホンダ<7267>、SUBARU<7270>など自動車株が軟調推移。この日は米大統領選の候補者によるテレビ討論会が開かれるなか、日銀の中川順子審議委員が秋田県金融経済懇談会で挨拶を行った。中川審議委員は先行き日銀の経済・物価見通しが実現していくとすれば、2%の物価安定目標のもとで、その持続的・安定的な実現の観点から「金融緩和の度合いを調整していくことになる」と表明。早期の利上げシナリオが意識されるなかで、午前10時半過ぎにドル円相場は一時1ドル=141台半ばまで急速にドル安・円高に振れた。海外時間でのドル安・円高を受けた売りが先行した後、自動車株は持ち直す場面があったものの、中川審議委員の挨拶を受けた東京時間での円高進行に伴い、売り直しの流れとなっている。

■セブン&アイ <3382>  2,120円  -62 円 (-2.8%)  本日終値
 セブン&アイ・ホールディングス<3382>が続落。ロイター通信は10日、米連邦取引委員会(FTC)が、カナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールによるセブン&アイの買収計画を巡り、調査する意向をセブン&アイに通知したと報じた。反トラスト法(独占禁止法)を巡る懸念が理由と伝えている。報道を受け、株価にプレミアムを乗せる形でのクシュタールによる買収シナリオについて、不透明感が強まったと受け止めた投資家の売りが出たようだ。

■KADOKAWA <9468>  2,948円  -77 円 (-2.6%)  本日終値
 KADOKAWA<9468>は軟調。この日午後0時30分ごろ、6月に発覚したサイバー攻撃を巡り、攻撃を行ったと名乗る組織がカドカワグループ保有の情報の一部を追加的に公開したとの主張を行っていることを確認したと発表した。捜査当局との情報連携と外部の大手セキュリティー専門機関の支援を得ながら対応しているが、現時点で新たなサイバー攻撃を受けた痕跡は検知されていないという。攻撃を行ったと名乗る組織の犯行声明を不安視する向きもあるようだ。

■日本製鉄 <5401>  2,945円  -76 円 (-2.5%)  本日終値
 日本製鉄<5401>が軟調に推移。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が10日、USスチール<X>の買収交渉を担う日本製鉄の副会長が、11日にワシントンで米政府高官と協議すると報じた。USスチールに対する買収計画が米国で政治問題化するなか、交渉の動向を見極めたいとの姿勢が広がり、買い手控え要因となったようだ。調整色を強める全体相場に連れる形で同社株にも売り圧力が強まった。

■パンパシHD <7532>  3,681円  -56 円 (-1.5%)  本日終値
 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が3日ぶりに反落した。10日の取引終了後、8月度の月別販売高(速報)を発表しており、国内リテール事業の既存店売上高は前年同月比9.4%増と、27カ月連続で前年実績を上回った。朝方はこれを手掛かりに買いが先行したものの下げに転じる展開。日経平均株価が大きく値下がりするなかで全体相場に連れ安する格好となった。前年より休日が1日多かったことに加えて、夏の季節家電やスキンケア、寝具・インテリアなどが売り上げに貢献した。また、日向灘地震の発生や南海トラフ地震注意報の発令に加え、3つの台風が接近・上陸したことで、災害に備えた防災関連商品も急増した。全店売上高は同11.2%増だった。

■三菱UFJ <8306>  1,427.5円  -18 円 (-1.3%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクが軟調。米ブルームバーグ通信は、JPモルガン・チェース<JPM>のダニエル・ピント社長が10日、来年の経費と純金利収入に対するアナリスト予想は「楽観的過ぎる」と述べたと報じている。前の日にはゴールドマン・サックス・グループ<GS>のデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)がトレーニング部門について減益となる見通しを示していたこともあって、10日の米国市場で銀行株は下落。JPモルガンの下落率は5%を超えた。米銀株の下落を受けて東京市場でも金融セクターに対し売り圧力が強まった。

■AIメカテック <6227>  2,201円  +400 円 (+22.2%) ストップ高   本日終値
 AIメカテック<6227>はストップ高。10日取引終了後、海外の大手半導体関連メーカーからウエハーハンドリングシステム(ボンダー・デボンダー装置)の大口受注を獲得したと発表しており、これが好感された。受注金額は約120億円で、25年6月期から26年6月期にかけて売り上げに計上する。なお、一部は25年6月期業績予想に織り込まれており、今期業績に与える影響は軽微としている。

■メディネット <2370>  49円  +5 円 (+11.4%)  本日終値
 メディネット<2370>が動意。午前11時ごろ、AGC<5201>と細胞治療薬CDMO(医薬品の開発製造受託)事業における戦略的パートナーシップ契約を締結したと発表した。AGCの国内外の細胞治療薬CDMO拠点との連携により、大規模かつ海外での開発・製造が可能となり、CDMO事業で幅広いサービスの提案ができるようになるという。また、自社の新規候補薬の探索・開発も更に加速させていくとした。これが材料視された。

■扶桑電通 <7505>  2,000円  +163 円 (+8.9%)  本日終値
 扶桑電通<7505>が大幅反発。前営業日比で一時12%高となる2063円をつけた。2021年9月の高値を上抜けて1999年以来の高値圏で推移している。10日取引終了後、24年9月期の単独業績予想について、売上高を434億円から460億円(前期比11.8%増)へ、営業利益を13億円から17億7000万円(同40.5%増)へ、純利益を10億3000万円から14億4000万円(同48.3%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を53円から78円へ引き上げた。これらが好感され買われた。大口案件の前倒しや小口案件の積み上げなどにより、民需向けのパソコン・ソフトウェアや物流業向け車載端末などを手掛けるオフィス部門の売上高が前回予想を上回る見込みであることが要因としている。なお、年間配当は88円(前期69円)を予定している。

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