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話題株ピックアップ【夕刊】(2):第一三共、シーイーシー、村田製

■第一三共 <4568>  5,275円  -499 円 (-8.6%)  本日終値  東証プライム 下落率2位
 第一三共<4568>が急落。同社は10日、非小細胞肺がん2次/3次治療を対象とした「ダトポタマブ デルクステカン」の臨床試験のデータに関し、世界肺がん学会で発表した内容の概要について公表した。前治療歴のある進行または転移性非小細胞肺がん患者を対象とした第3相臨床試験において、主要評価項目である全生存期間の中央値で統計学的に有意な改善はみられなかったという。第一三共は5月の時点で、「ダトポタマブ デルクステカン」の第3相臨床試験に関し、最終解析結果として全生存期間で統計学的に有意な改善は認められなかったと公表しているが、今回の発表を改めて嫌気した売りが優勢となったようだ。

■シーイーシー <9692>  1,711円  -132 円 (-7.2%)  本日終値  東証プライム 下落率3位
 シーイーシー<9692>が大幅安。9日取引終了後に2~7月期連結決算を発表。売上高が前年同期比4.3%増の275億7000万円だった一方、営業利益が同7.8%減の32億5000万円となっており、これが嫌気された。ICT投資が堅調に推移したことが追い風となった。ただ、成長投資を含む販管費の増加や前年に計上した大型案件の反動減が利益面で響いた。通期の増収減益見通しに変更はない。

■村田製作所 <6981>  2,700.5円  -86 円 (-3.1%)  本日終値
 村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>など電子部品大手が揃って6日続落と下値模索の動きを続けている。前日に米国でアップル<AAPL>が新型スマートフォン「iPhone16」の4機種を今月20日に発売することを発表、生成AIサービスを全機種で使用可能とするなどで注目されたものの、機能などについては事前報道されていたこともあって想定内との見方でサプライズに乏しかった。前日のアップルの株価は米国株市場がリスクオンに傾くなかでほぼ横ばい圏での着地となり、時間外取引でも弱含みに推移している。これを受けて、東京市場でもアップルの有力サプライヤーである村田製をはじめとした電子部品株は冴えを欠いた値動きとなっている。

■ザインエレクトロニクス <6769>  1,515円  +300 円 (+24.7%) ストップ高   本日終値
 ザインエレクトロニクス<6769>がストップ高。同社は10日、消費電力の大きい光通信用デジタルシグナルプロセッサー(DSP)を不要とする垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)対応の光半導体チップセットの開発成果について発表。これを材料視した買いが集まったようだ。次世代通信規格のPCI Express 6.0に対応。半導体レーザーの一種で光通信に活用されるVCSELドライバーと、トランスインピーダンスアンプ(TIA)で構成する。データセンターにおける光通信線路の消費電力を60%削減することや、遅延時間を90%低減する効果が期待されるという。同社は9月23日からドイツのフランクフルトで始まる光通信技術展でデモンストレーションを行い、今後の営業活動につなげる予定としている。

■アスタリスク <6522>  536円  +80 円 (+17.5%) ストップ高   本日終値
 アスタリスク<6522>がストップ高。9日の取引終了後、リニアモーター技術を活用した搬送ロボットシステム「AsReader HAKOBU(アズリーダーハコブ)」を開発したと発表しており、これを好感した買いが流入した。「HAKOBU」は、「基板部」と「トレイ部」で構成され、基板部に配置したコイルを制御することで、トレイ部を稼働させる仕組み。従来の搬送設備ではベルトコンベアをはじめとした機材を工程ごとに複雑に配置し、多くの空間を必要としていたが、「HAKOBU」では1つのサイズのパネルを柔軟に組み合わせ、搬送設備全体を1つのロボットシステムとして構築することで、全ての工程を同時に進めることができ、また省スペース化及び作業効率化を図ることができるとしている。

■大運 <9363>  540円  +80 円 (+17.4%) ストップ高   本日終値
 大運<9363>は連日のストップ高。阪神港をエリアとする港湾運送会社でパナソニック ホールディングス<6752>を大口荷主としている。25年3月期第1四半期(24年4~6月)業績は営業利益が前年同期比で4割を超える大幅増益を達成し、進捗率から通期見通しも上方修正期待がある。そうしたなか、2030年秋に大阪市で開業が予定される統合型リゾート施設(IR)の計画について、運営事業者の「大阪IR」が、違約金なしで撤退できる解除権を消滅させることが伝わっており、これに伴い同社にとっても商機を逃す可能性が低くなったという見方が強まり、投資資金攻勢の根拠となっている。思惑先行の需給相場の様相が強いものの、信用買い残が直近ピーク時だった7月上旬からは大分整理が進捗していたことや、株価面では薄商いのなか300円台後半で横ばいを続けるなど売り物を枯らした状態にあったことで、短期筋の食指を動かす格好となった。

■プロディライト <5580>  1,063円  +150 円 (+16.4%) ストップ高   本日終値
 プロディライト<5580>はストップ高。9日取引終了後、音声から人の感情を分析できる技術に関連する特許を取得したと発表した。この特許は同社が提供するクラウドPBX「INNOVERA(イノベラ)」のオプション機能で既に実用化されているという。これを材料視した買いが集まった。

■アールプランナー <2983>  1,145円  +150 円 (+15.1%) ストップ高   本日終値
 アールプランナー<2983>はストップ高。9日取引終了後、25年1月期通期の業績予想について、売上高を375億円から388億円(前期比21.0%増)へ、営業利益を11億8000万円から17億円(同3.2倍)へ、最終利益を6億5000万円から10億円(同4.5倍)へ上方修正しており、これが好感された。前期から引き続き受注高・総受注棟数が好調で、上期における戸建て販売棟数が順調に推移。顧客ニーズを捉えた土地の仕入れや独自のデジタルマーケティングが奏功し、特に分譲住宅の販売棟数が大幅に増加したことが寄与する。また、前期に実施した販売価格の適正化や一部建築資材の値下がりなどにより売上総利益が改善したことで利益面が上振れるという。

■常磐興産 <9675>  1,676円  +136 円 (+8.8%)  本日終値
 常磐興産<9675>が続急伸。9日の取引終了後、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ系のOntarioが常磐興に対し、完全子会社化を目的に株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。TOBは2段階で行われ、1回目の買い付け価格は1株1650円とする。常磐興の株価は1回目のTOB価格を上回って推移している。1回目のTOBの買い付け期間は9月10日から10月24日までを予定。買付予定数の下限は445万401株(所有割合50.67%)とし、上限は設定しない。1回目のTOB成立後、筆頭株主の常磐開発(福島県いわき市)などを対象に2回目のTOBを1株1240円で実施する予定。常磐興は上場廃止となる可能性がある。同社はリゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」を運営。フォートレスは施設のバリューアップを進め、収益性の改善などを図る方針。東京証券取引所は9日、常磐興の株式を監理銘柄(確認中)に指定した。

■ビューティガレージ <3180>  1,569円  +122 円 (+8.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
 ビューティガレージ<3180>が急反発。9日の取引終了後に上限を16万株(発行済み株数の1.26%)、または2億円とする自社株買いを実施すると発表しており、好材料視された。取得期間は9月10日から12月27日までで、株主還元及び資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することが目的という。同時に発表した第1四半期(5~7月)連結決算は、営業利益が3億1500万円(前年同期比18.0%減)だった。化粧品や材料カテゴリーの売り上げが牽引役となり物販事業が好調に推移し、売上高は78億8100万円(同9.8%増)となったが、各種美容展示会への出展といった積極的なマーケティングコストや第三DCへの開設準備にかかる投資などで販管費が膨らみ利益を圧迫した。なお、25年4月期通期業績予想は、売上高339億8700万円(前期比13.9%増)、営業利益18億1600万円(同6.8%増)、純利益12億1000万円(同11.6%増)の従来見通しを据え置いている。

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