富田隆弥の【CHART CLUB】 「ボラティリティ拡大の余韻、『大きなもみ合い』が続く」
ボラティリティ拡大の余韻、「大きなもみ合い」が続く
◆8月16日に窓を空けて3万8000円台を回復した日経平均株価。その後も日々、400円~800円値幅の荒い動きが続くが、チャート的には3万8000円前後で一進一退、75日と200日の両移動平均線の間でもみ合う形となっている。
◆8月5日の突っ込み安値3万1156円から急速に戻したこともあり、RCI(順位相関指数)やサイコロジカルラインなど短期テクニカル指標も高値圏に位置しており、ここでのスピード調整はセオリー通りと言える。
◆もみ合いとなれば、この後はどちらに放れるかが焦点になる。チャートでは上に控える75日線(22日時点3万8640円)、下に控える200日線(同3万7158円)のいずれかを抜いた方向がポイントになるが、当面はそれにあまりこだわることもないだろう。
◆8月序盤のセリングクライマックスで需給は大きく改善しており、すぐの急落は想定しづらい。一方、上値には高値掴みのシコリ玉が多くあり、すぐに大きく上伸することも想定しづらい。ただし、ボラティリティ(変動率)拡大の余韻があるため3万6000円~3万9500円の範囲でしばらく大きくもみ合うと思われる。
◆ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演(8月23日)や、半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算(28日)など、市場が注目するイベントが予定されており、その結果により米国株や為替も振れるだろうが、日本株はもうしばらく「大きなもみ合い」を想定しておく。大きな方向性が出るのは9月27日の自民党総裁選を終える辺りだろうか。
(8月23日 記、次回更新は8月31日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース