城南進研 Research Memo(2):東京・神奈川を地盤に、乳幼児から社会人までを対象として各種教育サービスを展開
■事業概要
城南進学研究社<4720>は1961年に、大学受験・高校補習のための総合予備校として「城南予備校」を川崎市に設立したのを皮切りに、神奈川県内で校舎展開を進め、2002年に個別指導塾「城南コベッツ」、2008年に映像授業教室「河合塾マナビス」、2009年に育脳教室「くぼたのうけん」(2024年4月より「Kubotaのうけん」と「アタマGYM」に改称)、2011年に保育園「城南ルミナ保育園」とサービス領域を拡大した。また、2013年以降はM&Aによって保育園や英語教育、スポーツクラブなどを運営する企業を相次いでグループ化しながら、総合教育ソリューション企業として事業展開を進めてきた。
少子化の進展といった市場環境の変化により、基幹事業であった「城南予備校」のサービスを2020年3月末で終了したこともあり、ここ数年で部門別売上構成比は大きく変化した。2020年3月期に全体の23.2%だった児童教育部門(保育園含む)が2024年3月期は33.0%と、映像教育部門を上回る最大部門に成長している。一方、個別指導部門については高校生の生徒数減少が続いていることもあって30.2%から22.3%まで低下した。
現在の主なサービス内容については、同社において個別指導塾「城南コベッツ」を直営・フランチャイズ(FC)展開しているほか、映像授業教室の「河合塾マナビス」をフランチャイジーとして展開している。また、乳幼児・児童教育分野で、「Kubotaのうけん」「アタマGYM」「ズー・フォニックス・アカデミー」「りんご塾」など複数の教育サービスと「城南ルミナ保育園」の運営などを行っている。
そのほかデジタル教材・ソリューション事業として、ICTを活用したオンライン学習教材の「デキタス」「デキタス・コミュ(演習問題)」を小・中学校や学習塾、スポーツクラブ向けなどに販売している。「デキタス」「デキタス・コミュ」は学校の授業を確実に理解していくことを目指して開発されたデジタル教材で、アニメーションを活用した2?5分のコンパクトな映像授業と演習問題により、1日10分から気軽に楽しく学習できるように設計されているほか、さかのぼり学習やさきどり学習、定期テスト対策にも対応している。
連結子会社では(株)久ケ原スポーツクラブで乳幼児から社会人を対象としたスイミングスクールなどを運営しているほか、(株)城南ナーサリー、(株)城南フェアリィーで認可保育園(0歳児~3歳児未満対象)を、(株)城南KIDSでネイティブ英語環境による学童保育を行う「城南Kids After School」をそれぞれ運営している。また、英語教育分野では(株)リンゴ・エル・エル・シーでTOEFL(R)やIELTS※対策専門校を、(株)アイベックで企業向けビジネス英語研修や英会話スクールを運営している。また(株)イオマガジンでは、eラーニングのコンサルティング・コンテンツ開発や学習システムの開発・運営などを行っている。なお、乳幼児向けに「くぼたのうけん」など各種教育サービスを運営していた(株)リトルランドを、2022年10月に同社で吸収合併している。
※IELTS(International English Language Testing System)は英語熟練度を測る英語検定の1つで、ケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシル(英国文化振興会)、IDP Educationによって協同で運営されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SO》
提供:フィスコ