この記事はプレミアム会員限定です
三井E&Sで大勝ち、1円の損も許さない損切りで資産50倍の技
目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技 Moonさんの場合-第1回
■Moonさん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
自営業(マーケティングコンサルティング)をしながら、2022年から株式投資を再開させた兼業投資家。一度は600万円の借金をかかえて相場から退場するも、完済してから再び100万円を元手に参戦し、復活を遂げる。最大3銘柄の集中投資で短期間のうちにリターンを最大化させるやり方が奏功し、約2年半で運用資産を50倍の約5000万円に拡大させる。毎日損切りに追われることもしばしばだが、メゲずに実行し、攻め続けるのが強み。「株探-個人投資家大調査-2024」の回答者で、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
・「本コラム」の記事一覧を見る
「最近の急落の際には、いつも以上に吐きそうになりながらトレードしていました」
日経平均株価が7月末から8月初旬にかけて、直近高値から30%近くも急落する局面で、Moonさん(ハンドルネーム)は胸がムカムカしながらも、必死にスマートフォンの画面に向かっていた。トレードしていた銘柄は、船舶ディーゼル首位の三井E&S<7003>だ。
買いのチャンスが来たと思って出動しても、すぐに損失が湧いて出てくる。損切りしてまた入っても、また含み損で撤退を強いられる。荒れ相場の中でも果敢に攻めたMoonさんは、そんな作業の繰り返しに追われつつ、なんとか退場は食い止めた。
たった2年半で元本の100万円を、50倍の5000万円に拡大させたMoonさんの得意技は、撤退や損切りをさくさくできることだ。
「含み損は、1円たりとも許さない」と、損が発生すれば、即刻、手仕舞いをする。50倍化の原動力は、例外を1ミリたりとも許さない強い意思にある。
そんなMoonさんの投資の肝とは、どのようなものか。2回シリーズで見ていく。初回は足元の取り組みにフォーカスする。
果敢に攻めるがゆえに損切り発生
Moonさんの投資法は、成長株に信用取引でレバレッジを効かせ、集中投資で向かっていくやり方だ。大本命があるときは1銘柄に集中、多くても最大3銘柄の超少数精鋭に絞った形でリターンを狙う。
吐きそうになるほどの損切りが頻発するのは、それだけ果敢に攻めているからだ。
これ、と決めた銘柄があれば、即座に買いを入れて利益を伸ばす。その後も、含み益を温存しつつ、同じ銘柄に買い増しをして、さらに利益を膨らませていく。
もし、買い増し分に含み損が出たなら、その時点で買い増し分のみを損切りをする。これをとことん続け、足元のような荒れ相場でも、自分が思う買いサインが出れば、果敢に買っていくのがMoon流だ。
現在、触っている銘柄は、冒頭に挙げた三井E&Sだ。同社は、Moonさんの運用成績を飛躍的に押し上げた大勝ち株の1つ。実践する集中投資のやり方で、早くから買い出動できていたことが、好結果を生んだ。
三井E&Sといえば、今24年2月ごろから大暴騰して注目を集めた株だが、Moonさんが参戦したのは、23年12月からだ。大きく動意づく直前だったため、今年春先にかけての大きな上昇にはガッツリ乗れた。
そのリターンの一部は今年6月に利益確定している。残りは、足元の7月後半から8月月初の大暴落の中で手仕舞いをして、現在は再びの参戦を試みながら奮闘中の状況だ。
■三井E&Sの日足チャート(23年10月2日~)
本人の辞書に「打診買い」なし
三井E&Sの勝因は、この昨年末での先回り買いに加えて、「初めから全力買い」も大きかった。
Moonさんは、三井E&Sに一極集中で向かい、当初から運用資金の2倍のレバレッジをかけて勝負に出た。本人の辞書には「打診買い」という言葉はなく、常に全力買い一択だ。
ただし、大胆に買っていくにもそれなりの資金が必要だ。ここでも、威力を発したのが、お得意の損切り力だった。三井E&S集中買いの原資に当てたのは、その直前までトレードしていた
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、
住信SBIネット銀行<7163>、
――の2つの銀行株だ。
これらにあっさり見切りをつけて、売却資金をそっくり三井E&Sに振り向けた。この素早い判断力も大勝ちの決め手になった。
■三井E&Sと三菱UFJ、住信SBI銀、日経平均のパフォーマンス比較(日足)
注:0%=2023年12月1日
「最大限のリターンを目指すために、最良の方法をとる」で銀行株から撤退
もともと銀行株は、この先の金利上昇期待で買った銘柄だった。本人は、さしあたりのカタリスト(株価変動のきっかけ)として注目していたのが昨年12月の18日と19日に行われた日銀金融政策決定会合だった。ここで利上げがあることを期待して、先回り買いをした。
だが、2つの銀行株の動きは鈍かった。買っては損切り、を何度も繰り返しても、上昇にむかうどころか、ジリ下げ状況が続く。
そうこうしているうちに、12月会合では、年内での政策修正が示されなかったことから、ここで銀行株からすっぱり手を引く判断をした。
そう割り切れたのは、本人が「最大限のリターンを目指すために、最良の方法をとる」ことを目指しているためだ。
今の保有株より強いと思う銘柄を見つけた以上、もはや弱い銘柄を残す選択肢はない。銀行株から三井E&Sへのシフトは、そのマイルールに沿った行動だった。
では、どのような見立てから、三井E&Sに全力で突っ込んだのか。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
...
編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)
イラスト:福島由恵
自営業(マーケティングコンサルティング)をしながら、2022年から株式投資を再開させた兼業投資家。一度は600万円の借金をかかえて相場から退場するも、完済してから再び100万円を元手に参戦し、復活を遂げる。最大3銘柄の集中投資で短期間のうちにリターンを最大化させるやり方が奏功し、約2年半で運用資産を50倍の約5000万円に拡大させる。毎日損切りに追われることもしばしばだが、メゲずに実行し、攻め続けるのが強み。「株探-個人投資家大調査-2024」の回答者で、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
・「本コラム」の記事一覧を見る
「最近の急落の際には、いつも以上に吐きそうになりながらトレードしていました」
日経平均株価が7月末から8月初旬にかけて、直近高値から30%近くも急落する局面で、Moonさん(ハンドルネーム)は胸がムカムカしながらも、必死にスマートフォンの画面に向かっていた。トレードしていた銘柄は、船舶ディーゼル首位の三井E&S<7003>だ。
買いのチャンスが来たと思って出動しても、すぐに損失が湧いて出てくる。損切りしてまた入っても、また含み損で撤退を強いられる。荒れ相場の中でも果敢に攻めたMoonさんは、そんな作業の繰り返しに追われつつ、なんとか退場は食い止めた。
たった2年半で元本の100万円を、50倍の5000万円に拡大させたMoonさんの得意技は、撤退や損切りをさくさくできることだ。
「含み損は、1円たりとも許さない」と、損が発生すれば、即刻、手仕舞いをする。50倍化の原動力は、例外を1ミリたりとも許さない強い意思にある。
そんなMoonさんの投資の肝とは、どのようなものか。2回シリーズで見ていく。初回は足元の取り組みにフォーカスする。
果敢に攻めるがゆえに損切り発生
Moonさんの投資法は、成長株に信用取引でレバレッジを効かせ、集中投資で向かっていくやり方だ。大本命があるときは1銘柄に集中、多くても最大3銘柄の超少数精鋭に絞った形でリターンを狙う。
吐きそうになるほどの損切りが頻発するのは、それだけ果敢に攻めているからだ。
これ、と決めた銘柄があれば、即座に買いを入れて利益を伸ばす。その後も、含み益を温存しつつ、同じ銘柄に買い増しをして、さらに利益を膨らませていく。
もし、買い増し分に含み損が出たなら、その時点で買い増し分のみを損切りをする。これをとことん続け、足元のような荒れ相場でも、自分が思う買いサインが出れば、果敢に買っていくのがMoon流だ。
現在、触っている銘柄は、冒頭に挙げた三井E&Sだ。同社は、Moonさんの運用成績を飛躍的に押し上げた大勝ち株の1つ。実践する集中投資のやり方で、早くから買い出動できていたことが、好結果を生んだ。
三井E&Sといえば、今24年2月ごろから大暴騰して注目を集めた株だが、Moonさんが参戦したのは、23年12月からだ。大きく動意づく直前だったため、今年春先にかけての大きな上昇にはガッツリ乗れた。
そのリターンの一部は今年6月に利益確定している。残りは、足元の7月後半から8月月初の大暴落の中で手仕舞いをして、現在は再びの参戦を試みながら奮闘中の状況だ。
■三井E&Sの日足チャート(23年10月2日~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
本人の辞書に「打診買い」なし
三井E&Sの勝因は、この昨年末での先回り買いに加えて、「初めから全力買い」も大きかった。
Moonさんは、三井E&Sに一極集中で向かい、当初から運用資金の2倍のレバレッジをかけて勝負に出た。本人の辞書には「打診買い」という言葉はなく、常に全力買い一択だ。
ただし、大胆に買っていくにもそれなりの資金が必要だ。ここでも、威力を発したのが、お得意の損切り力だった。三井E&S集中買いの原資に当てたのは、その直前までトレードしていた
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、
住信SBIネット銀行<7163>、
――の2つの銀行株だ。
これらにあっさり見切りをつけて、売却資金をそっくり三井E&Sに振り向けた。この素早い判断力も大勝ちの決め手になった。
■三井E&Sと三菱UFJ、住信SBI銀、日経平均のパフォーマンス比較(日足)
注:0%=2023年12月1日
「最大限のリターンを目指すために、最良の方法をとる」で銀行株から撤退
もともと銀行株は、この先の金利上昇期待で買った銘柄だった。本人は、さしあたりのカタリスト(株価変動のきっかけ)として注目していたのが昨年12月の18日と19日に行われた日銀金融政策決定会合だった。ここで利上げがあることを期待して、先回り買いをした。
だが、2つの銀行株の動きは鈍かった。買っては損切り、を何度も繰り返しても、上昇にむかうどころか、ジリ下げ状況が続く。
そうこうしているうちに、12月会合では、年内での政策修正が示されなかったことから、ここで銀行株からすっぱり手を引く判断をした。
そう割り切れたのは、本人が「最大限のリターンを目指すために、最良の方法をとる」ことを目指しているためだ。
今の保有株より強いと思う銘柄を見つけた以上、もはや弱い銘柄を残す選択肢はない。銀行株から三井E&Sへのシフトは、そのマイルールに沿った行動だった。
では、どのような見立てから、三井E&Sに全力で突っ込んだのか。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
...
こちらは株探プレミアム限定記事です。 プレミアムプランをご契約して読むことができます。
株探プレミアムに申し込む(初回無料体験付き)
プレミアム会員の方はこちらからログイン
プレミアム会員になると...