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【特集】その上昇率はレーザーテクに次ぐ70倍、半導体スター株でもうすぐ億り人

目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技 マドギワさんの場合

登場する銘柄
ローツェ<6323>、JALCO<6625>

編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)

イラスト:福島由恵
■マドギワさん(60代・男性)のプロフィール:
2000年代に株式投資を始めた兼業投資家。投資スタイルは、バイ・アンド・ホールド(買い持ち)。10年単位で保有してテンバガーを狙い、足元では16銘柄を抱えている。このスタイルは、2007年に取得を開始した半導体関連銘柄、ローツェ株での成功体験に基づいたもの。マドギワさんは20年以上前から社会福祉法人を経営し、銘柄選びでは自身の経営経験を生かす。趣味は読書。「株探-個人投資家大調査-2024」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「初級者」となる

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今をときめく半導体スター株と言えば、真っ先に浮かぶのがレーザーテック<6920>だろう。

実際、半導体関連株で、リーマン・ショック前の2007年末から足元までの騰落状況をランキングすると、同社株の上昇率は約150倍と、トップとなっている(下の表)。

では、レーザーテクの次に上昇した半導体株は何か? 答えは、ウエハやガラス基板の搬送機の最大手のローツェ<6323>で、この間の上昇は約70倍となっている。参考までに、同じ期間でTOPIX(東証株価指数)は約2倍、日経平均株価は2.5倍超になる。

■半導体関連銘柄の株価上昇ランキング・トップ20
順位銘柄名<コード>上昇倍率順位銘柄名<コード>上昇倍率
1位レーザーテク<6920>151.6倍11位タカトリ<6338>6.9倍
2位ローツェ<6323>70.2倍12位東エレデバ<2760>6.7倍
3位ディスコ<6146>29.2倍13位エスケーエレ<6677>6.0倍
4位東エレク<8035>15.3倍14位三井ハイテク<6966>5.6倍
5位キーエンス<6861>12.4倍15位マルマエ<6264>4.8倍
6位TOWA<6315>10.7倍16位たけびし<7510>4.6倍
7位タツモ<6266>10.6倍17位村田製<6981>4.6倍
8位スクリン<7735>9.3倍18位トーメンデバ<2737>4.5倍
9位アドテスト<6857>8.1倍19位アバール<6918>4.5倍
10位山一電機<6941>7.7倍20位東京精<7729>4.5倍

出所:QUICK・ファクトセット。業種はNEEDS業種中および小分類を参考に抽出
計測期間は2007年末~24年6月末。月足ベース


レーザーテクと比べれば、ローツェの上昇は半分以下に留まるが、TOPIXや日経平均を大きくアウトパフォームする。このローツェ株の成長をまるごと享受してきたのが、今回紹介するマドギワさん(ハンドルネーム)だ。

2007~08年にかけて同社株に投じた計75万円は、足元で6100万円に膨らむ。全体の株式運用額である8600万円の70%以上を占める柱になる。

なぜ、マドギワさんはローツェ株を選び、長期間保有しているのか。その理由と背景を見ていこう。

■マドギワさんが運用する株式のポートフォリオ
【タイトル】
注:時価評価額ベース

ウエハ搬送システムで世界トップクラスのシェア

ローツェ<6323>の主力製品は、半導体工場で使用するウエハ搬送システムだ。微量のゴミが付着しない環境や真空環境で搬送する技術に強みを持つ。同社ウェブサイトによると、ウエハ搬送システムの世界シェアはトップクラスだという。

その「半導体関連装置」のセグメント売上高は、24年2月期で789億4600万円と、全社売上高の85%を占めており成長の牽引役となっている。25年2月期には、同セグメント売上高だけで1000億円の大台を突破し、全社売上高を1208億円に押し上げる見込みとなっている。

■ローツェの売上高と内訳
【タイトル】
注:決算期は2月。2024年は実績、25年は予想。1000万円以下を四捨五入

選んだ理由は「成長セクター」「少額で購入可」「従業員の満足度」

マドギワさんがローツェ<6323>に投資したポイントは3つ。

1つ目は成長セクターである半導体銘柄である、
2つ目は半導体関連の中で比較的少額で購入できる、
3つ目は従業員の満足度が高く、将来性を感じた、

――ことだ。

1つ目の成長セクターの中で半導体銘柄に注目したのは、デジタル社会の進展で今後10年、そして20年とグレートグロースが期待できることがある。

2つ目の少額で購入できる点にこだわったのは、投資資金に限りがある中で時間分散を意識し、複数回に分けて購入するためだ。07年当時、ローツェ株は1単元あたり5万円前後で買うことができた。マドギワさんは1年ほどかけて計2000株を取得した。

3つ目の従業員の満足度に注目したのは、マドギワさんが経営者だからだ。従業員が働きやすい環境をつくって事業を安定させた成功体験を持つ。

「社員を大切にする会社は伸びる」

マドギワさんは、地方で十数人規模の社会福祉法人を経営している。20年以上前にトップに就任した当初は、従業員との信頼関係を築くことができず、事業がなかなか安定していなかった。

解決の突破口になったのが、従業員との接し方を見直したことだ。能力を最大限に引き出すために、1人ひとりの長所を認めるコミュニケーションを意識し、自信を持たせた。すると次第に職場の雰囲気がよくなり、事業の安定にもつながったという。

そんなマドギワさんにとって、従業員の満足度の高さは会社の将来性を見極める要素の1つ。ローツェの場合は、たまたま知人から聞いた話を参考に判断した。

その内容は、ローツェの若手社員が、自社の事業に将来性があり、また働きやすい職場であることを強調していたというもの。マドギワさんは「社員が誇りを持って働いている会社なら、未来も明るいだろう」と連想し、最終的に投資を決断した。

当初は利益が出たら利確するつもりだった

ただ、同社株の保有を始めた時点では、10年を優に超える期間もガチホするつもりはなく、含み益がある程度膨らんだら、利益確定しようと本人は考えていた。

利確をしようか迷ったのが、購入から7年ほどたった2016年頃からだ。株価モメンタム(騰勢)が出てきて、15年末には含み益が90万円に、16年末は270万円、17年末は470万円と、年を追うごとに膨らんできたからだ。

だが、「ガチホ継続」でいくことにした。その理由はいくつかある。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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