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【杉村富生の短期相場観測】 ─日経レバの買い下がり戦術を提案


「日経レバの買い下がり戦術を提案」

●全般相場は売られすぎゾーンに接近!

 昔、「昨日勤王 明日は佐幕 その日その日のできごころ どうせおいらは裏切り者よ」(侍ニッポン、作詞:西條八十、作曲:松平信博)という歌があったが、最近の株式市場と状況が似ている。戦前の名曲、「侍ニッポン」は幕末の桜田門外の変を題材とする。激動の時代である。専門家の相場の見方はクルクル変わる。

 世界的に株安だ。フランス、イギリス、アメリカなど政治が揺れている。中国人民銀行の利下げは好材料とみなされず、マーケットは「そんなに景気が悪いのか」と受け止めた。アメリカ大統領選挙は共和党のトランプ陣営を民主党のハリス女史(副大統領、59歳)が激しく追い上げている。「支持率は逆転した」との報道もある。

 まさに、ストラテジスト(戦略家)、マスコミを含め、「その日その日のできごころ」じゃないか。こういった状況下において、肝要なのはトレンド(長期的な視点)の確認である。確かに、足もとは波乱だろう。円高が止まらない。1ドル=151~152円突入だ。日経平均株価は「1円の円高が400円の下げになる」といわれている。

 ちょうど10円の円高だ。為替次第だが、ザラバベース(4万2426円→3万7611円)では約4800円の急落を演じている。下値のメドについてテクニカルアナリストは「3万5000~3万6000円」と指摘している。ただ、底値を探るのは難しい。現状は外部環境が不透明すぎる。

 それに、為替市場はFRB(米連邦準備制度理事会)の7月「利下げ」、日銀の「国債買い入れ減額→量的引き締め、利上げ」を織り込み、円キャリートレードの巻き戻しに走ったきらいがある。これは早とちりだと思う。FRBの利下げは9月だ。日銀の7月30~31日の金融政策決定会合での利上げはないだろう。

●北興化学、三井不動産などを狙う!

 先日、NHKのニュースで「日銀は政策金利を早急に0.5%に、中期的には2.75%に引き上げる見込み」とエコノミストのコメントを伝えていた。これは大変だ。さらに、為替関係者が「2022年3月のドル・円は115円だった」と。その後、FRBは利上げを続け、日銀は超低金利政策を継続した。これが「160円台の円安の要因だ」と解説する。

 波乱局面では極端な見方が幅を効かすことが多い。まあ、常識論は無視される。もう、随分前の話だが、大手証券の情報部員のコメントが前場、後場では異なるケースがあった。おかしい?との問いに、「前場と後場では状況が変わった。見方を変えるのは当然じゃないか」。う~ん、それはそうだが……。節操がなさすぎる。

 さて、この局面では日経平均株価に連動するNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]の買い下がり戦術を提案したい。個別銘柄よりも分かりやすいのが魅力だろう。全般相場は底値ゾーンに到達しつつある。価格は2万6400円絡み。最低売買単位は1株だ。7月11日には3万3650円の高値がある。

 個別銘柄ではアルミ缶リサイクルの大紀アルミニウム工業所 <5702> [東証P]、チャート的に大底圏の新日本科学 <2395> [東証P]、太陽光パネル(再処理技術を有する)のエヌ・ピー・シー <6255> [東証G]、半導体関連分野が育ってきた北興化学工業 <4992> [東証S]などに妙味があろう。

 三井不動産 <8801> [東証P]、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]はじっくり狙いたい銘柄だ。三井不動産はニューヨークの都市再開発を成功させ、現在は築地市場(東京都)跡地の再開発プロジェクトを推進している。六本木ミッドタウン、日本橋、汐留などでの開発実績がある。次は「後楽園」再開発だろう。

2024年7月26日 記

株探ニュース

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