中西製作所 Research Memo(10):2ケタ増収増益で大幅な超過達成と業績好調
■業績動向
1. 2024年3月期の業績動向
中西製作所<5941>の2024年3月期の業績は、売上高36,602百万円(前期比19.3%増)、営業利益1,966百万円(同83.4%増)、経常利益2,086百万円(同74.9%増)、当期純利益1,519百万円(同89.1%増)と好調に推移した。期初の業績予想と比べても、売上高も利益もともに大幅な超過達成となった。また、中期経営計画で目標としていた2025年3月期の売上高32,500百万円、経常利益1,650百万円も大きく上回った。
日本経済は、景況感の改善に伴って持ち直しの動きが見られるものの、資源価格の高騰や円安による物価の上昇、各国の政策金利の引き上げによる世界的な景気後退懸念などにより、不透明な状況で推移した。同社は総合厨房機器メーカーとして、省人化された効率的な大量調理・洗浄システムはもとより、食中毒や異物混入問題といった以前から注目されている食の安全・安心にも目を向け、様々な顧客ニーズに対応した厨房機器や厨房システムの提案を心がけ、営業、生産、管理の各部門が一体となって業績の向上に取り組んだ。、売上拡大に向けて継続的に人員体制を強化しており、2024年3月期の人員数は652名である。
売上拡大に向けて着実に体制強化してきたことで、2024年3月期は、学校給食や、外食産業からの受注が好調に推移し、過去最高の売上高を達成した。自社製品比率の高い学校給食が堅調だったこと、工場において様々な工夫によって稼働率を引き上げたことなどから、売上総利益率は前期と同じ水準を維持できた。また、ベースアップなどにより人件費は増加したものの、販管費全体の伸びを抑えたため販管費率が改善し、大幅な営業利益の伸びにつながった。セグメント別では、収益の大半を占める業務用厨房機器製造販売事業が、売上高36,501百万円(前期比19.4%増)、セグメント利益1,914百万円(同86.2%増)と全体の業績をけん引、不動産賃貸事業は、売上高100百万円(同0.9%増)、セグメント利益52百万円(同17.8%増)と引き続き安定していた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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提供:フィスコ