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5351 品川リフラクトリーズ

東証P
1,666円
前日比
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PER PBR 利回り 信用倍率
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時価総額 785億円
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品川リフラ Research Memo(7):セグメント別ではスプレッドが改善した耐火物事業が増益に寄与


■品川リフラクトリーズ<5351>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
2024年3月期の営業利益は前期比3,043百万円の増加となった。セグメント別では、耐火物セクターが2,706百万円増加し全体の利益を押し上げた。断熱材セクターが238百万円、エンジニアリングセクターが62百万円、その他が55百万円それぞれ増益となり、セラミックスセクターが1百万円の減益となった。

(1) 耐火物セクター
耐火物セクターの売上高は、販売価格の改定やSRB(ブラジル)の業績が寄与し、前期比22.0%増の98,469百万円となった。セグメント利益は主に販売構成の改善に伴うスプレッドの向上やコストダウンにより同50.5%増の8,062百万円となった。売上高利益率は同2.0ポイント上昇の8.2%となった。セグメント利益27億円の増減要因は、減少要因が国内粗鋼生産量減少などによる数量減(18億円減)、在庫評価差(16億円減)、販管費等増加(10億円減)で計44億円減であった。販管費増加は、賃金アップと運送費等の諸経費増加などが主な要因だ。増加要因が、販価・原料等、販売構成、スプレッド、為替(46億円増)、M&A(17億円増)、海外グループ会社(2億円増)、コストダウン等(5億円増)、国内拡販(2億円増)で計72億円増であった。

(2) 断熱材セクター
断熱材セクターにおいては、主に国内外でプラント向け耐火断熱れんがの販売が増加し、売上高は前期比3.6%増の18,583百万円、セグメント利益は同7.4%増の3,443百万円となった。売上高利益率は同0.6ポイント上昇の18.5%となった。

(3) セラミックスセクター
セラミックスセクターにおいては、2023年3月期に加わったSSCA(米国)の耐摩耗性セラミックス事業が業績に寄与し、売上高は前期比64.2%増の3,551百万円と大幅な増収となった。一方、セグメント利益は買収に伴いシステム整備費用など一時的な支出が生じ、同0.5%減の138百万円となった。売上高利益率は同2.5ポイント低下の3.9%となった。

(4) エンジニアリングセクター
エンジニアリングセクターの売上高は、大型の工事案件が減少したものの前期比0.2%減の24,551百万円とほぼ横ばいで推移した。セグメント利益は、収益性の高い工事案件が増加したため同3.7%増の1,725百万円、売上高利益率は同0.2ポイント上昇の7.0%となった。

(5) その他
その他事業の売上高は、前期比1.3%増の900百万円、セグメント利益は同11.4%増の538百万円、売上高利益率は同5.5ポイント上昇の59.8%であった。

3. 財務状況と経営指標
2024年3月期末の総資産は、前期末比11,236百万円増加の155,137百万円となった。流動資産は5,886百万円増加の97,566百万円であった。受取手形、売掛金及び契約資産・電子記録債権が6,947百万円、現金及び預金・有価証券が3,056百万円それぞれ増加、たな卸資産が3,609百万円減少した。固定資産では、有形固定資産が2,159百万円、無形固定資産が661百万円、投資その他の資産が2,529百万円それぞれ増加した。無形固定資産はのれんの増加、投資その他の資産は投資有価証券を一部売却したものの株価の上昇により時価評価額が増加した。負債合計は同4,305百万円減少の68,170百万円となり、有利子負債は6,334百万円減少の27,689百万円となった。純資産は、同15,541百万円増加の86,967百万円となった。配当の支払い2,432百万円、自己株式取得2,251百万円、親会社株主に帰属する当期純利益15,280百万円の計上により利益剰余金が12,848百万円増加したほか、その他有価証券評価差額金が1,591百万円、為替換算調整勘定が2,705百万円それぞれ増加した。

なお、2022年12月に実施されたSRB(ブラジル)のM&Aに伴うのれんは、前期末は暫定的に算定された6,256百万円を計上していたが、2024年3月第3四半期に会計処理が確定した。のれんは5,136百万円減額され、1,119百万円に修正された。減額された5,136百万円は、前期末において商品及び製品245百万円、建物及び構築物646百万円、機械装置及び運搬具557百万円、土地1,086百万円、無形固定資産その他2,599百万円に振り替えている。

財務の安全性指標となる流動比率が前期末比17.0ポイント上昇の182.4%、自己資本比率が同6.4ポイント上昇の53.8%となった。同社は、自己資本比率50%をめどとする堅固な財務体質を保ちM&A時の機動的な資金手当を可能としてきたが、前期末は北米、ブラジルへの積極投資により有利子負債が増加し、財務比率が一時的に低下した。2024年3月期末は、遊休資産の売却益計上により安全性の指標は改善された。新型コロナウイルス感染症拡大により業績が悪化した2021年3月期を除くと、収益性の総合指標となるROE(自己資本当期純利益率)とROA(総資産経常利益率)は通常資本コストとされる8%を上回る水準をキープしてきた。2024年3月期は、前期よりも多額の特別利益を計上したためROEが前期比7.2ポイント上昇し20.2%に、ROAも同1.3ポイント上昇し10.0%となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)

《HN》

 提供:フィスコ

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