サイジニア Research Memo(3):ECサイト内検索やリテールメディア広告などが事業領域
■事業概要
2. 事業領域
サイジニア<6031>が提供するサービスは、子会社のZETAで提供する、ECサイトに来訪したユーザーの購買体験を改善し購買を促すことでECサイトの売上を伸ばす「CX改善サービス」が主軸である。顧客は、ユナイテッドアローズ<7606>や(株)アーバンリサーチといったブランド、コーナン商事<7516>やCROOZ SHOPLIST(株)といったリテーラーなど、大量の商品を在庫・販売する有力小売企業が多い。昨今の有力小売企業はインターネットを利用する消費者を囲い込むために自社EC事業を強化しているが、ZETAの「ZETA CXシリーズ」はハイエンド仕様のため、「ほしい商品に気付く」「ほしい商品が見つかる」「店舗へとつなげる」というEC事業者の目的を高いレベルで支援することができ、好評を博している。
インターネット広告市場では、クッキー規制によってリターゲティング広告の利用が難しくなったことから、その代替策の1つとしてリテールメディア広告が注目されている。リテールメディア広告とは、「ZETA AD」のようなECサイト内検索連動型広告※のことで、ECサイトに掲載する単なる広告ではない。後者もリテールメディア広告と言われることがあるが、インターネット広告事業者であれば誰もが参入できるため、既にレッドオーシャン化している。しかし、本来のリテールメディア広告である前者は、検索スピードや在庫連動、基幹システムとの連携、ダイナミックプライシングなど要求される高度な機能や、各EC事業者に寄り添った非常に手間のかかる運営支援が必要となるため、同社以外ほとんど参入していない模様で(参入しても手間がかかるため途中で離脱してしまう)、ブルーオーシャンのうえ成長余地も大きいと見られている。
※検索連動型広告:リスティング広告の1つで、検索結果の画面に掲載される検索内容に関わる広告。通常はGoogleなど検索サイトでの広告を指すが、同社の場合は特定のECサイト内における検索連動型広告である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《SI》
提供:フィスコ