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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9692 シーイーシー

東証P
2,110円
前日比
+22
+1.05%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.9 1.65 2.61 8.39
時価総額 793億円
比較される銘柄
ラック, 
NSSOL, 
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決算発表予定日

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ユビAI Research Memo(4):顧客が必要とするソフトウェアテクノロジー・サービスを国内外に展開する(1)


■ユビキタスAI<3858>の事業概要

1. 経営環境
国内の組込みソフトウェアの市場は、インターネットなどの通信技術の進歩、半導体技術の進歩とともに、あらゆる電子・電気機器に組み込まれ市場規模は拡大している。その中でも、自動車のCASE※1が進展する中でモビリティ製品の進化・変化が大きく、車を通信ネットワークにつなぎナビゲーション(地図情報)、車両情報、メディア・音楽情報などを提供するインフォテインメント※2/情報系ソフトウェア、エンジン・トランスミッション・ブレーキなど多くの車載機器を電子制御するECU※3/制御系ソフトウェアの需要が高まっている。また、AIの活用が進む中でADAS※4(先進運転支援システム)に関するソフトウェアの開発が急速に進んでいる。組込みソフトウェアの市場としては、この車載関連の市場が最もシェアが高いと同社では捉えており、今後もシェアが高まると考えている。同社においても、車載関連機器を製造する顧客の売上シェアが3割を超える。そのほか、IoT機器の普及とともにソフトウェアのセキュリティ対策が不可欠となってきており、その需要が高まっている。2030年には300~400億台が普及していると言われるIoT機器については、カーボンニュートラル対策として電力使用量の削減につながる高速起動、RTOSなどのソフトウェア製品で貢献していくことが重要なテーマだ。また、AIを各種システムに導入する動きも活発になっており、特にスマートフォン、センサー、自動車のデバイスなどに搭載され、デバイス内でデータ処理を行い、デバイスが独自に学習や推論を行うエッジAIなどの市場が拡大すると思われる。

※1 CASE:「Connected」(コネクテッド)「Autonomous」(自動運転)「Shared & Services」(カーシェアリングとサービス)「Electric」(電気自動車)の頭文字をとった造語で、自動車産業の今後の方向性を示すキーワード。
※2 インフォテインメント:自動車内でドライバー・乗員に情報、娯楽を提供するシステムを指す。
※3 ECU:Electric Control Unitの略。自動車の各種機能を電子的に制御する装置、システムを指す。
※4 ADAS:Advanced Driver-Assistance Systemsの略。自動車のドライバーへの警告機能、制御支援、自動化機能、自動ブレーキなど運転を支援するための技術や機能の総称で、先進運転支援システムと言われる。


ソフトウェアの開発を行う国内企業は、富士ソフト<9749>、シーイーシー<9692>、NSW<9739>、(株)日立ソリューションズ、NTTデータグループ<9613>など大手企業が並ぶが、いずれも同社のように組込みソフトウェア製品を自社開発し販売するのではなく、業務システムやWebアプリ開発など受託開発の比重が高いため明確な競合先は少ないようだ。一方、同社自身が海外製品を輸入販売しているため、海外製品輸入企業や海外製品と競合する。国内競合先としては、リネオソリューションズ(株)、NEXT(株)、イー・フォース(株)、イーソル<4420>、テクマトリックス<3762>、(株)日新システムズなどが挙げられる。海外製品の競合としては、Synopsys、wolfSSL、AMI (American Megatrends Inc.)などがある。また、製品においては、半導体メーカーが自社のMCU/MPU向けにバンドルして配布するOSやミドルウェアとも競合する。

この業界において業績23年を誇る同社は、大手電子・電気機器メーカーを中心に1,000社以上の顧客を有するほか、製品輸入先の海外の主要パートナーは35社、100製品以上をラインアップしていることが強みである。国内外の広いネットワークを通じて最新の技術・製品をキャッチアップし、顧客のモノ作りの最前線で必要とされるソフトウェアサービスを提供できる。海外パートナーとの取引は、同社の製品担当者が市場や技術トレンドをリサーチし、海外パートナー候補企業に直接コンタクトするほか、展示会、Web問い合わせフォーム、SNSなどを活用したマーケティングを強化している。一方、海外メーカーからも同社へのコンタクトが多く、既往の海外パートナー、そのパートナー企業からの転職者、半導体ベンダー、大使館等からの紹介があるようだ。

2.事業概要
同社は、電子・電気機器のシステム開発に必要なソフトウェア、ツール、サービスを包括的に提供している。ソフトウェア、ツールについては自社製品の開発・販売及び顧客製品の受託開発を行うメーカー機能と、海外製品を輸入販売する商社機能を持つ。「仕様作成・機能検討・システム設計」から「コーディング(プログラム作成)・機能実装」、そして「システム検証、書き込み」というシステム開発工程において必要となる、Linux/Android高速起動、RTOS※1(リアルタイムOS)、BIOS※2などの「システムレイヤー」、デジタルインターフェース、ネットワークプロトコルスタック、セキュリティライブラリ、ファイルシステムなどの「ミドルウェアレイヤー※3」、HMI※4、マルチメディア、組込みデータベースなどの「アプリケーションレイヤー」に加えて、ファジング※5・脆弱性検証、ソースコード解析、車載ECUソフトウェア開発などの「開発支援・品質向上ツール」、エッジAIライブラリ、ディープラーニング、AIモデル最適化などの「AIソフト」などの自社製品・海外製品を取り扱い、IoT機器セキュリティ検証、開発・実装支援、技術コンサルティング、受託開発、AI/DX人材育成などの「サービス・トレーニング」、「デバッグ※6・書き込みツール」を提供する。

※1 RTOS:Real-Time Operating Systemの略。組込みシステムの要求に対するリアルタイム性を満たすOS(オペレーティングシステム)。
※2 BIOS:Basic Input Output Systemの略。パソコン起動時に最初に読み込まれるソフトウェアで、ハードウェアのチェックを行い、OSがディスクから正しく読み込まれるようにする機能を持ち、キーボード、ディスプレイなど周辺機器の初期化や制御も行う。
※3 ミドルウェアレイヤー:異なるアプリケーション間の通信やデータの管理を行うコンピュータシステムの階層。
※4 HMI:Human Machine Interfaceの略。人間と機械が情報をやり取りするための手段や装置、ソフトウェアの総称。車載機器でダッシュポート画面のタッチスクリーンなどがある。
※5 ファジング:ソフトウェアのテスト方法で、想定しにくい様々な種類のデータを入力し、不具合やセキュリティ上の脆弱性の有無などを調べる。
※6 デバッグ:ソフトウェアのプログラムのバグを探し出し、プログラムコードを修正してバグを取り除く作業。


事業は、「ソフトウェアプロダクト事業(以下、SP事業)」「ソフトウェアディストリビューション事業(以下、SD事業)」「ソフトウェアサービス事業(以下、SS事業)」「データアナリティクス事業(以下、DA事業)」の4つのセグメントに分かれる。SP事業は組込みネットワークソフトウェア製品、セキュリティ関連ソフトウェア製品、データベース製品、高速起動製品、音声コード製品など主にデバイス組込み用ソフトウェアの自社開発製品の開発と販売を行う。SD事業は海外ソフトウェアの輸入販売、テクニカルサポート及びカスタマイズ開発を行う。SS事業は顧客の組込みソフトウェアなどの受託を中心とした各種ソフトウェアの設計、開発及びデータコンテンツのライセンス販売などを行う。DA事業はライトストーンにおける統計・数値データ解析ソフトウェアの販売などを行い、2024年3月期より新たなセグメントとして追加された、

同社の収益は、各事業における同社のソフトウェア使用許諾にかかる契約一時金とランニングロイヤルティが中心となる。契約時一時金は、同社のソフトウェア製品のソースコードまたはオブジェクトコードを顧客に使用許諾する対価としてビジネスの初期に発生する売上となる。ランニングロイヤルティは、顧客が同社のソフトウェア製品を複製してデバイスに組込んで販売する際に、複製本数に応じて収受する対価で継続的に発生する売上となる。そのほか、ソフトウェア製品の中で、主に品質向上支援ツールや車載機器開発・テストツールといった開発ツール系の製品群及びライトストーンの統計・数値データ解析ソフトウェアについては、サブスクリプションライセンス(一定期間ごとに一定の利用料を収受する)で顧客に提供するものもある。また、同社のソフトウェア製品を使用許諾した顧客に対する技術サポート、同社製品の特定のプラットフォームへの移植、カスタマイズなどに必要な受託開発に対する売上も付随して発生する。なお、DA事業における教育機関などへのパッケージソフト販売の売上については契約時一時金として認識している。また、SS事業においては、自社製品の販売を伴わない顧客製品にかかるソフトウェア受託開発、自社製品の販売に伴うエンジニアリングサービス、データコンテンツに対する売上が中心となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)

《HN》

 提供:フィスコ

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