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5726 大阪チタ

東証P
1,965円
前日比
+17
+0.87%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.9 1.80 2.29 7.22
時価総額 723億円
比較される銘柄
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好業績で異彩放つグローバルニッチを狙え!「至高の6銘柄精選」 <株探トップ特集>


―「技術立国日本」の面目躍如、早晩訪れる中小型株物色の流れに備えて先回り買い―

 東京株式市場は引き続き一進一退、日経平均株価は方向感が定まらないなかで3万8000円台を往来する展開が続いている。週末21日の日経平均は小幅ながら反落。朝方は上値追い態勢をみせる場面もあったが、手掛かり材料に乏しいなか戻り売り圧力を吸収できず、結局前日の終値を下回る水準で着地した。

 日銀の金融政策が引き締め方向に変わることをマーケットは懸念しているが、このまま7月末に予定される日銀金融政策決定会合の結果発表まで様子見を決め込むというわけにもいかない。「木を見て森を見ず」というが、全体相場に気を取られ過ぎて個別株投資のチャンスを逸するのでは本末転倒。今はあくまで個別株重視で「森より木を見る」投資に活路を見いだしたい。

 全体相場に振り回されない強い銘柄を探すコツとしては、好業績株に照準を合わせるのが基本的なセオリーだが、その背景に高い技術力と高水準の商品シェアを有する銘柄であればなおさらポイントが高い。他社にはない強みを持つことで、中長期目線の機関投資家の実需買いも誘引し、株高がトレンドとして長続きしやすいというメリットがある。その観点から グローバルニッチトップに位置付けられる業績好調な銘柄は要注目となる。

●レーザーテックは10年余りで227倍

 ニッチ分野であっても圧倒的な商品シェアを持つ企業は、世界を相手に常に優位な立場で戦うことができる。それが仮に時流に乗る商品であれば、業績と株価が大変貌を遂げるチャンスを手にすることにもなる。国内ではマスクブランクス検査装置で世界シェア100%を誇るレーザーテック <6920> [東証P]がその代表格だ。同社の株価は近年、文字通りの大化けを果たしたが、例えばアベノミクス相場がスタートした2013年の年初は修正後株価で200円だった。今年5月下旬に4万5500円の上場来高値をつけており、この時点で実に227倍化したことになる。

 またグローバルニッチトップの範疇にはないが、つい最近、時価総額世界ランク1位に躍り出て話題をさらったエヌビディア<NVDA>も1つの商品分野でオンリーワン企業として歴史に名を刻んだ1社である。エヌビディアは画像処理半導体(GPU)の独占的サプライヤーで、このGPUが生成AI市場の急成長を背景にAI用半導体として爆発的な需要を捉えたことが収益飛躍をもたらした。今月18日の米国株市場で時価総額が3兆3000億ドルを上回り、マイクロソフト<MSFT>を抜いて堂々の首位の座についた。日本円にして約530兆円、トヨタ自動車 <7203> [東証P]の時価総額の10倍以上というモンスター企業も、GPUという、時代を味方につけた戦略商品分野に特化し、製品性能向上に惜しみなく経営資源を注ぎ続けたからこそ、今の栄冠を手にすることができた。

●手持ち札にジョーカーを持つ要注目6銘柄

 トップクラスの商品シェアを持っていれば爆発的に収益が伸びるとは限らないが、そういう商品を持っていない企業と比べればはるかに機関投資家目線でも注目度は高くなる。カードゲームに例えれば、それを切るかどうかは別として手持ち札のなかに常にジョーカーを忍ばせているようなものである。

 今は時価総額の大きい主力大型株が海外資金のターゲットとなっているが、日経平均の上値が重くなった今、改めて中型株や小型株の水準訂正妙味に目が向く可能性は高い。今回のトップ特集では“技術立国日本”の面目躍如たる銘柄群から、足もと業績好調かつ株価の見直し余地が大きい6銘柄を厳選した。

◎大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> [東証P]

 大阪チタは金属チタンの最大手で、スポンジチタンで世界首位の座を確保している。スポンジチタンは航空機の機体やエンジンなど安全性が最重要視される分野で必須となっているほか、半導体用材料(高純度チタン)でも高水準の需要を取り込んでいる。そのなか、同社の業績は生産性向上に向けた取り組みやコスト削減努力などが反映され、急拡大局面に突入している。営業利益は24年3月期の73%増益に続き、25年3月期に前期比33%増益の110億円を見込むなど絶好調といってよい。株価は5月下旬に大底圏を急速に上放れた後、同月末に3090円の年初来高値を形成、その後は2700~3000円のゾーンでもみ合いを続けている。そのなか、25日移動平均線をサポートラインに時価近辺は買い場と判断される。中期的には23年8月の戻り高値水準である3700円どころを目指す強調展開が視野に入りそうだ。

◎エスペック <6859> [東証P]

 エスペックは環境試験器で国内シェア約6割という抜群の商品シェアを有し、世界的にもトップメーカーとして存在感を放っている。また、機器製造だけでなく、環境試験のトータルソリューションも手掛けている。現在、収益に大きく貢献しているのが恒温恒湿器や冷熱衝撃装置で、車載用やエレクトロニクス向けで旺盛な需要を捉えている。半導体などの成長産業のニーズに対応してビジネスチャンスを広げ、業績は高成長トレンドを邁進中だ。24年3月期営業利益は前の期比5割増益を達成した。続く25年3月期はその反動もあって前期比6%増の70億円予想と伸び率は鈍るものの増益基調を継続する見込み。会社側計画は保守的で増額含みとの見方もある。株価は5月27日に上場来高値3340円をつけた後に一服しているが、早晩切り返す公算が大きい。最高値更新から再び青空圏に突入する可能性は十分にある。

◎大同工業 <6373> [東証S]

 大同工はホンダ向けを主力とする二輪車用チェーンのトップメーカー。エンジンからの動力を後輪に伝え二輪車本体の推進力を生むためのドライブチェーンで圧倒的な商品競争力を誇る。また、四輪車用も北米で展開力を強めている。材料コスト上昇を製品価格引き上げ効果でこなし、足もとの利益は急回復局面にある。25年3月期は営業利益段階で前期比10.1倍の23億円と変貌を見込むほか、27年3月期に売上高680億円、営業利益44億円(営業利益率6.5%)、総還元性向25%以上という新中期経営計画を掲げており見直し機運が高まっている。時価予想PERは6倍近辺で、PBRは0.3倍前後と水準訂正余地の大きさが際立つ。株価は5月中旬にマドを開けて底値を離脱した後も一貫して上値を指向、ここ最近になって上げ足を加速させているが、指標面からは依然として割安感が強く4ケタ大台復帰は時間の問題か。

◎萩原工業 <7856> [東証P]

 萩原工業は合成樹脂繊維の加工製品大手で土木建築向け中心に高い実績を有するほか、スリッター(切断装置)やワインダー(巻取装置)などのエンジニアリング製品も手掛けている。補強繊維バルチップが同社の看板商品であり、トンネル、道路、橋梁、ビルなど構造物の安全を担うコンクリート補強のグローバルエキスパートとして業界からの信頼は厚く、国土強靱化においてもキーカンパニーに位置付けられる。業績面も評価され、23年10月期は営業利益段階で前の期比44%増の19億7900万円と急回復、その余勢を駆って24年10月期も前期比11%増の22億円予想と2ケタ成長トレンドをキープする見込みだ。株価は1500円台でのもみ合いが続くが、PBR0.7倍台、配当利回り3.3%前後で見直し余地が大きい。上値抵抗ラインとなっている75日移動平均線をブレークすれば戻り足に弾みがつきそうだ。

◎モリト <9837> [東証P]

 モリトは服飾付属品の大手だが、創業110年を超える老舗で海外売上高比率も約3割を占め、特に金属ホックはグローバルベースでトップシェアを有する。このほかにも、紐を通す穴に取り付ける環状の金具であるハトメや、バックル、マジックテープなど国内外で販売実績を積み上げている。21年11月期以降、目を見張る利益成長を続けている点に着目。23年11月期は営業16%増益と2ケタ成長を確保し過去最高を更新したが、続く24年11月期も前期比6%増の26億円予想と、伸び率こそ鈍化するもののピーク利益更新基調が続く。また、好調な業績に連動させて増配を続けるなど株主還元姿勢も評価され、24年11月期は年58円配を計画、時価予想配当利回りは3.9%前後と高い。株価は1400円近辺を下限にリバウンド局面に移行しており、4月1日につけた年初来高値1581円クリアを目指す。

◎OSG <6136> [東証P]

 OSGは精密切削工具の大手メーカーで、「めねじ」加工を行うタップや、「おねじ」を作るダイス、金型のフライス加工などで使われるエンドミルなどで屈指の技術力を有し、世界的なニッチトップの座を確保している。海外拠点拡充に力を入れ、売り上げの7割近くを海外で占めているのも特長。主力の自動車向けは在庫調整圧力が徐々に解消方向にあるほか、半導体関連や航空機向けなどの回復も今後期待される。23年11月期は減益決算を余儀なくされたが、製品価格の引き上げなどで製造コストを吸収し、24年11月期は営業利益段階で前期比16%増の230億円と2ケタ伸長が予想される。年間配当は前期と並びの60円を計画するが、配当利回りは3%を超える水準。株価は今月17日に1857円の年初来安値をつけた後に底入れを明示。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが接近しており時価近辺は仕込み場に。

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