日本電技 Research Memo(11):空調計装は好調継続、産業システムは回復を期待
■業績動向
4. 2025年3月期の業績見通し
日本電技<1723>は2025年3月期の業績見通しについて、受注高39,500百万円(前期比3.8%減)、売上高41,500百万円(同6.7%増)、営業利益6,200百万円(同0.8%減)、経常利益6,300百万円(同0.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,300百万円(同8.0%減)を見込んでいる。売上高の見通しは、空調計装関連事業が、既設工事で前期好調の反動を考慮するものの、新設工事が引き続き順調のため36,900百万円(同5.8%増)、産業システム関連事業が、リードタイムが伸びた分の回収もあって前期当初予算並みの4,600百万円(同14.2%増)を確保する予定である。営業利益予想については、人材確保や人材育成のための人的投資と協力会社の体制整備など事業投資に一定規模のコスト増加を見込んでいるものの、好採算の環境が継続するため、前期並みの収益確保となっている。なお、、産業システム関連事業はやや努力する必要がありそうだが、空調計装関連事業に関しては、既設工事や利益率の見方に関してやや保守的な印象があり、例年通り期末に向けて上方修正が期待できる。
空調計装関連事業で、引き続き首都圏の再開発案件や半導体工場など新設工事を中心に大規模案件の完成を見込む。一方、手持ち工事高が過去最高を更新しているため、施工余力を勘案した選別受注を続けなければならない状況となっており、採算向上には寄与するが、受注高の減少予想につながったようだ。このため事業戦略として、新設工事では、人手不足を考慮した「中長期的な全社最適」をキーワードに、中長期的な視点で事業の強化に取り組む一方、既設工事では、大型案件が多かった前期の反動を考慮しつつ、新設工事部門と連携して事業基盤の強化を目指す。産業システム関連事業では、既存事業の基盤強化に加え、スマートファクトリーの提案を通じた新たな事業の確立や、既存プラントメーカー向けへの営業強化を通じて事業の拡大をバランス良く展開する方針である。全社的には、人手不足対応に加え、DXの推進により営業・技術の両面において業務の効率化を図り、事業採算性の向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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提供:フィスコ