日本電技 Research Memo(8):空調計装は好調、産業システムはやや勢いを欠いた展開
■業績動向
1. 事業環境
東京オリンピック・パラリンピック関連需要が一巡したタイミングで世界的に新型コロナウイルス感染症が蔓延し、日本経済は一時的に停滞することとなった。しかし、2023年5月に新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ禍)が感染症法上5類に位置付けされるなどアフターコロナの時代に入った現在、コロナ禍以前の経済状態に急速に戻りつつある。このため、日本電技<1723>の短中期的な事業環境において、空調計装関連事業の新設工事は首都圏再開発や半導体工場などの案件が好調、官公庁案件も堅調に推移している。特に首都圏再開発関連需要は、東京オリンピック・パラリンピック関連需要を超える勢いである。既設工事も脱炭素社会の実現に向けた省エネニーズの増加に加え、アフターコロナのなかでオフィス見直しなどに伴う改修案件が増加している。一方、産業システム関連事業では、製造業界などにおける人手不足に伴う自動化ニーズや、スマートファクトリー実現に向けた製造設備改修・システム更新などが想定通りに拡大、主力の食品工場向け生産管理システムの構築なども順調に推移している。しかし、足もとではスタートしたばかりの事業部としての課題解消や、想定外に好調な空調計装に向けた人員支援などを背景に、やや勢いを欠いた展開となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《SO》
提供:フィスコ