貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8015 豊田通商

東証P
2,735.0円
前日比
-9.0
-0.33%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.2 1.16 3.66 16.49
時価総額 29,050億円
比較される銘柄
トヨタ, 
住友商, 
三菱商

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エレマテック Research Memo(1):「ポテンシャル分野の開拓・深耕」等を軸に中期経営戦略を推進中


■要約

エレマテック<2715>は、2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した電子材料を得意とするエレクトロニクス商社だが、その後2012年に豊田通商<8015>グループ入りした。近年は単なる部品・部材の販売だけでなく、モジュール製品やODM(Original Design Manufacturing:企画段階から参画し、他社ブランド製品を設計から製造まで行う)製品の拡販に注力している。

1. 2024年3月期は前期の反動もあり前期比30.1%の営業減益
2024年3月期の業績は、売上高194,457百万円(前期比18.9%減)、営業利益8,429百万円(同30.1%減)、経常利益7,595百万円(同31.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5,367百万円(同30.3%減)となった。マーケット別では、Automotiveは客先の生産増や新規商材の採用等により同21.2%の増収となったが、Digital Electronicsでは主に液晶等のディスプレイ関連や電子部品・半導体等の販売が低調になり同30.8%の減収となった。Broad Marketもドライブレコーダーが低迷したアフターマーケットや白物家電、産業機器が低調であったことから同21.4%の減収となった。地域別では、自動車関連が堅調であった欧米は増収となったが、日本を含めたそれ以外の地域は減収となった。売上総利益率は円安効果や製品構成の変化により同1.0ポイント改善したが、減収により売上総利益は同12.0%減となった。販管費が同2.2%増加したことから営業利益は大幅減となった。前期が好決算であったこともあり、営業利益は前期比では大幅減益となったが、過去に比べれば比較的高い水準であり、中長期のトレンドとしては依然として上向きであり、必ずしも悲観する結果ではなかったと言える。

2. 2025年3月期は営業活動に係る利益が前期比10.9%増と回復予想
2025年3月期の業績※は、売上収益216,500百万円(前期比11.3%増)、営業活動に係る利益9,350百万円(同10.9%増)、税引前利益8,650百万円(同13.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益6,000百万円(同11.8%増)と予想されており、回復を見込んでいる。マーケット別売上は、Digital Electronicsは、ディスプレイ関連は引き続き低迷が予想されるものの、電気・電子部品、半導体やTOY、ホビーは回復が見込まれることから同1.5%増と予想されている。Automotiveは引き続き堅調に推移し同27.0%増が見込まれている。またBroad Marketも、アフターマーケット(主にドライブレコーダー)は減収予想だが、医療機器や住宅設備で増収予想であることから、同11.4%増が見込まれている。対米ドル平均レートは、145.0円(前期実績144.59円)を前提としている。

※同社は、2024年3月期の有価証券報告書からIFRSに基づいた会計基準を採用する予定であり、上記の連結業績予想はIFRSに基づいている。ただし、対前期増減率については日本基準を適用していた2024年3月期の業績と単純比較している。


3. 中期経営戦略「エレマテック・プロプラス」を推進中
同社は、2023年4月に中期経営戦略「エレマテック・プロプラス(elematec Pro+)」を発表した。この中期経営戦略では、前中期経営戦略の主要戦略である「高付加価値型ビジネスの強化」「海外有力顧客の開拓」「自動車領域への注力」を継続しつつ、さらに進化させると同時に、これに加えて新たな重点施策として「ポテンシャルエリアの本格開拓」「開発部の機能強化」「M&A・アライアンスによる顧客基盤・事業領域の拡大」「サステナビリティと人的資本への取り組み」を掲げている。重点市場としては「オートモーティブ」「アフターマーケット」「医療機器」を挙げている。足元の業績は停滞しているが、これらの重点施策を粛々と進める方針に変わりはない。さらに今後は、「資本コストを意識した経営」を一段と進める。

また以前からの「配当性向40%以上」に替わり、2024年3月期から配当の基本方針を「配当性向(連結)50%もしくはDOE(純資産配当率)3%の両基準で算出した数値のいずれか高い金額を目安とする」に変更した。これは、手元資金が豊富になったこと、Automotiveなど安定収益源が増えてきたことに加え、大幅減益や万が一赤字決算になっても配当を行えるようDOE基準を設けたことによる。この基準に沿った場合、本来であれば2024年3月期の年間配当は業績が落ち込んだので減配になってしまうが、「少しでも株主に報いたい」との同社の意向により、業績の落ち込みにもかかわらず年間85円(前期76円)へ増配した。さらに進行中の2025年3月期についても、年間90円へ増配との配当予想を発表済みである。これは同社が先行きの業績回復に自信を持っている証左と言えるだろう。

■Key Points
・電子材料、電子部品や設備など幅広い商品を扱う総合エレクトロニクス商社
・2024年3月期の営業利益は前期比30.1%の減益だが過去2番目の高水準を維持
・中期経営戦略「エレマテック・プロプラス」を発表。当期利益の年平均成長率10%以上を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SO》

 提供:フィスコ

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