貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8035 東京エレクトロン

東証P
23,050円
前日比
+800
+3.60%
PTS
23,040円
12:03 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.2 5.96 2.48 17.40
時価総額 108,711億円
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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】SBGがムードメーカーとなりハイテク物色が継続


SBGがムードメーカーとなりハイテク物色が継続

●日経平均はレンジ推移継続でトレンド転換待ちに

 日経平均株価は、足もとで3万8500円から3万9000円辺りのレンジで推移している。膠着感の強い相場展開が続くなか、明確なトレンドが表れるまでは、積極的には手掛けづらい状況であろう。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)では、参加メンバーによる年内の利下げ予想が前回の3回から1回に減った。これにより、年末1回の利下げ観測を織り込む形となるが、今後、米経済指標の結果を受けてインフレ懸念が薄れるようだと、利下げ回数の増加期待といったポジティブな反応につながろう。

 とはいえ、ここへきて弱い経済指標を受けて、米国経済の減速リスクが警戒されてきている。そのため、景気敏感株などの持ち高を減らす一方で、成長期待が高い生成AIなどハイテクセクターへの資金流入が強まりやすいと考えられる。

 国内では東京エレクトロン <8035> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、レーザーテック <6920> [東証P]などの主力銘柄の株価は依然として冴えないが、ソフトバンクグループ(SBG) <9984> [東証P]がおよそ3年ぶりに1万円の大台を回復してきており、2000年2月のITバブル時に付けた上場来高値1万0999円が射程に入ってきている。SBGがムードメーカーとなる形で、ハイテクセクターへの物色が続くことになりそうだ。

●活躍が期待される「注目5銘柄」

◆ローム <6963> [東証P]
ドイツで開催された世界最大規模の パワー半導体業界のイベント「PCIM Europe 2024」で、炭化ケイ素(SiC)を利用したパワー半導体素子の製品開発を加速し、2025年以降、2年ごとに世代交代させる方針を明らかにした。また、xEV(電動車)用のSiCモールドタイプ新型モジュールを開発したと発表。SiCモールドタイプモジュールの一般品と比べて1.5倍となる業界トップクラスの電力密度を達成し、xEV用インバータの小型化に大きく貢献するとしている。また、同モジュールの大量生産体制を確立し、従来品と比べて生産能力を約30倍に向上したという。株価は今期業績見通しが市場予想を下振れたことが嫌気されて、5月22日には1967円まで売られた。その後は2000円水準での底固めを経て、足もとでリバウンドを見せてきており、出遅れ修正の動きに期待したい。

◆恵和 <4251> [東証P]
光拡散フィルムや高機能光学フィルムなどを手掛ける高機能フィルムメーカー。5月14日に発表した2024年12月期第1四半期(1-3月)の連結営業利益は前年同期比6倍の10億300万円に急拡大した。ノートPC・タブレット、車載向けを中心とする光学製品や、クリーンエネルギー車向けの特殊フィルム製品など高付加価値製品の販売が好調に推移した。株価は決算発表を受けて窓を空けて急伸し、その後も強い上昇基調を保っている。短期過熱感は警戒されるものの、足もとで24カ月移動平均線を上回り、2021年11月に付けた上場来高値3370円をピークとする長期調整からの浮上転換を鮮明にしつつある。

◆フジクラ <5803> [東証P]
電線大手の一角。5月13日に決算を発表、2025年3月期の連結営業利益は前期比0.7%増の700億円を見込む。情報通信事業は、 生成AI需要の拡大を背景に データセンター向けインフラ投資が加速するほか、通信キャリア向け需要も第4四半期に底を打ち、回復に転じる見通し。株価は上向きで推移する25日線をサポートラインとした上昇トレンドを継続。過熱感が警戒されやすい面はあるが、需給状況は良好であり、調整場面では同線に沿った押し目狙いのスタンスとなろう。

◆日東電工 <6988> [東証P]
テープ、フィルムの総合材料メーカー。4月26日に決算を発表、2025年3月期の連結営業利益は前期比0.6%増の1400億円と微増ながら増益を見込む。米アップル<AAPL>が今秋にAI(人工知能)機能を強化した新型「iPhone」を投入する見通しで、ハイエンドスマートフォン向け組み立て用部材の伸長が見込まれる。また、半導体メモリやセラミックコンデンサーの生産に使われる工程用材料などの回復も期待される。株価は決算発表以降、下落基調にあったが、200日線までの調整を経てリバウンドを見せてきている。4月末の急落局面で空けた窓埋めが意識されてこよう。

◆ENEOSホールディングス <5020> [東証P]
石油元売り最大手。5月14日に決算を発表、2025年3月期の連結営業利益は前期比14%減の4000億円の見通し。ただ、半導体材料事業は、今後、生成AI向け高性能半導体用途の需要増加が見込まれる。また、スマートフォンなど民生用電子デバイスについても、サプライチェーンにおける在庫調整が一巡してくるとみておきたい。また、データセンターの高発熱化への対応とカーボンニュートラルへの貢献を同時に実現する、次世代型の「グリーンデータセンター」の実現に向け、KDDI <9433> [東証P]や米インテル<INTC>などと協業してサーバー用液浸冷却液を開発しており、こちらの需要期待も材料視されよう。株価は25日線をサポートラインとした上昇トレンドを継続しており、2018年9月高値の900円が射程に入ってきている。

(2024年6月14日 記)

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