三洋化成工業---医師主導治験で半月板損傷に対するシルクエラスチンの安全性を確認
三洋化成工業<4471>は21日、広島大学病院において半月板損傷患者(半月板縫合術)を対象にしたシルクエラスチンを用いる新たな治療法の医師主導治験を実施し、その安全性が確認されたと発表。
同社と広島大学大学院医系科学研究科整形外科学(以下、広島大学)との共同研究において、シルクエラスチンが半月板再生を促進させる効果があることを見出した。この結果をもとに、シルクエラスチンの安全性確認を目的とする医師主導治験を2022年6月から広島大学病院で実施し、シルクエラスチン(P47K-WAS-MR)の安全性が確認された。
シルクエラスチンは、生体組織の修復・再生促進の足場としての高い可能性がある機能性タンパク質。
この成果を受けて、今後は同社が中心となり広島大学らとともに、有効性を確認する目的の企業治験を実施し、事業化に向けた研究開発を推進し、医療機器としての早期承認を目指す。
この企業治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携イノベーション推進事業にて、研究開発課題「半月板根治を目指す革新的治療技術の開発及び事業化」として支援を受け、実施する。
今回の医師主導治験は、シルクエラスチンスポンジの安全性確認、課題の抽出、有効性の評価指標の確立を目的としており、いずれも達成した。
シルクエラスチンを用いる治療法は、これまでは半月板を切除しなければならなかった患者に対して、半月板を温存し、半月板を修正・再生する新たな治療法となることが期待できる。
《SO》
提供:フィスコ